エンディングノートとは?作成のメリットや書き方から注意点まで解説
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お葬式の知識・マナー
- 更新日:2025.01.14
- お葬式の知識・マナー
エンディングノートとは?作成のメリットや書き方から注意点まで解説

人生の最期をどう迎えたいか考えたことはありますか。
近年、人生の終わりに備える「終活」の一環として「エンディングノート」を作成する人が増えています。エンディングノートは、自分の想いや財産状況を整理し、家族に伝える大切なツールです。
準備することで残される人への配慮を示し、自身も安心して残りの人生を謳歌できるでしょう。
この記事では、エンディングノートの基礎知識をはじめ、作成するメリットや書き方、作成時の注意点について詳しく解説します。エンディングノート作成を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
エンディングノートとは?
エンディングノートは、人生の最期に向けて、自分の希望や情報を記録し、家族や周囲に伝えるためのツールです。終活の一環として作成されることが多く「終活ノート」とも呼ばれます。主に、葬儀や遺産の分配、医療に関する希望など、終末期に関する事柄を記録するために用いられます。
しかし、書き記す内容に決まりはなく、自分にとって大切な人へのメッセージやこれまでの人生の振り返りなどを記載することも可能です。エンディングノートを作成することで、遺族が判断に困らないように自分の意向を伝え、残された人に負担をかけずに手続きを進められるよう配慮できるでしょう。
ただし、 ため、遺産を誰にどれくらい遺すかなどは、別途遺言書を作成する必要があります。遺言書よりも気軽に作成でき、紙媒体のほか、アプリや自治体の無料配布版など、扱いやすい形式を選べます。
なお、法務省と日本司法書士会連合会は共同で、誰でも使える「住まいのエンディングノート」を提供しています。 から、相続登記が義務付けられており、遺族負担や罰則を回避するためにも、想いや財産を次世代に届ける大切な手段として、活用してみてください。
参考: 日本司法書士会連合会 【法務省共同制作】エンディングノート(2023年8月改訂)
参考: 参考:法務省/日本司法書士会連合会 エンディングノート
エンディングノートを作成するメリット
エンディングノートを作成することによって得られるメリットは多岐に渡ります。
ここでは、エンディングノートを作成する6つのメリットを紹介します。
終活がスムーズに進む
エンディングノートを作成することで、終活がより計画的に、効率的に進められます。終活には、医療・介護の希望や、財産の整理、遺言に関する準備など、やるべきことが多岐にわたります。エンディングノートを使って「何をすべきか」がはっきりすると、必要な手続きを迷わず進められるでしょう。
たとえば、医療や介護の希望は書けても、財産分与のページで悩むことがあるかもしれません。そんなときは「専門家に相談が必要か」「まだ準備が整っていないのか」「家族で話し合うべきか」を考えることで、次に進むべきステップが見えてきます。
エンディングノートを活用することで、優先順位が明確になり、終活全体が見通しやすくなるでしょう。
残された家族の負担を軽減できる
エンディングノートは、残された家族の負担を軽減する大きな助けになります。
万が一、突然の事故や病気で意思表示ができなくなった場合、エンディングノートに事前に記載された希望があれば、家族は迷うことなく次の行動を選択できます。なかでも、財産分けの方法や重要書類の保管場所についての情報があれば、遺族は何をどこで探せばよいかがすぐに分かり、相続に関するトラブルを未然に防げるでしょう。
たとえば、亡くなった後に不動産の処分方法が決まっていないと、遺産分割の際に家族間で争いが起こる可能性もあります。不動産が共有名義となった場合、共有者の一人が反対すると売却や活用が困難になり、家族間に亀裂が入る原因にもなりかねません。
また、賃貸としての活用を希望している場合でも、適切に管理されなければ収益化が難しく、むしろ維持費がかかり、家族の負担が増えるリスクもあります。
エンディングノートは、ただのツールではなく、家族への思いやりが込められた、人生のラストメッセージです。自分がいなくなった後も、家族が心の平安を保ち、思いがけないトラブルを避ける存在となるでしょう。
介護・終末期医療に対する希望を伝えられる
エンディングノートでは、介護や終末期医療に関する自分の希望を明確に伝えられます。これにより、予期しない状況に直面したときに、あなたの意向に沿った対応が可能となり、心の負担を軽減できるでしょう。
たとえば、持病や過去の病歴、現在の投薬状況などを記載しておくと、いざという時に家族がすぐに必要な情報を得られ、医療面での対応がスムーズになります。とくに終末期には自分で判断ができなくなることも考えられます。そのため、延命治療を希望するかどうか、あるいは臓器提供の意向について明確にしておくことが大切です。
たとえば、延命治療を希望しない場合、その意思を記録しておくことで、家族は心の葛藤を少しでも減らし、冷静に対応できるでしょう。
さらに、最期の過ごし方に関する希望もエンディングノートに盛り込んでおくとよいでしょう。自宅で過ごすのか、病院で過ごすのか、またどのような介護を受けたいか、その理由を含めて伝えておくことで、家族があなたの気持ちを理解し、心の準備が整います。
自分の意向を伝えることができる
エンディングノートは、自分の希望や意向を家族に明確に伝えるための強力なツールです。葬儀の形式や参列者、香典の取り扱いについての希望をあらかじめ記しておくことで、家族が迷わず手続きを進められるようになります。
また、ペットがいる場合、万が一の際に誰に世話をお願いしたいのか、どのように世話してほしいのかを具体的に記録しておくことが可能です。口頭で伝えるよりも、ノートに書かれていれば、家族全員がその内容を共有し、誤解なく対応できます。
さらに、普段は照れくさくて伝えきれない感謝の気持ちも、エンディングノートを通じて素直に表現できます。家族への感謝の言葉を最後のメッセージとして残すことで、遺族はあなたの想いを胸に、穏やかな気持ちで送り出せるでしょう。
自分自身の情報を把握できる
エンディングノートを活用することで、現在の自分の経済状況や生活全般に関する大切な情報を整理し、簡単に把握できるようになります。
また、財産の種類や金額、保有している契約内容、趣味、好きな食べ物など、さまざまな個人情報を一元化できるため、必要なときにすぐに確認できます。たとえば、銀行口座やクレジットカードの詳細を記入しておけば、万が一財布を紛失した場合でも、迅速にカードの停止や再発行手続きが可能です。
資産や情報を明確にすることは、相続の準備にもつながり、残された家族の負担を軽減することにも役立ちます。
今後の人生設計に役立つ
エンディングノートは、これからの人生をより充実させるための重要なツールです。自分を客観視することで、今後の生き方や目標設定に対する新たな視点を得られ、残りの人生を充実させるための大きな一歩となるでしょう。
たとえば、自分史や価値観、信念、そして人生の目標を振り返ることにより、今後何を実現したいか、どんなことに挑戦したいかを明確にできます。また、資産や家計についての情報を整理しておけば、将来の生活設計を見直すことが可能です。より現実的なライフプランが立てられるでしょう。
エンディングノートの書き方
エンディングノートは、自分の希望や大切な情報を整理し、家族や友人に伝えるためのものです。死後の手続きをスムーズに行えるようにするために、自分の希望や必要な情報をきちんと記載しておきましょう。
ここでは、エンディングノートに記載すべき8項目を紹介します。
なお、エンディングノートは一度書いて終わりではなく、時間の経過とともに内容が変わることもあります。そのため、定期的に内容を見直し、必要に応じて変更を加えることが大切です。自分の意思をきちんと整理し、家族への負担を軽減できるように、常に最新の状態を保つことを心がけましょう。
自分の基本情報
まずは、自分に関する以下の情報を記入しましょう。
・名前
・生年月日
・本籍地
・性格
・趣味
・家族構成
・別居している親族の連絡先 など
基本情報は、亡くなった後の手続きに欠かせない重要なデータです。正確に記載しておくことで、家族がスムーズに手続きを進める手助けになります。
また、家族や親族の情報も葬儀や相続手続きで必要になるため、あらかじめ整理しておくとよいでしょう。ほかにも、自分の人柄が伝わるような項目や、愛する人へのメッセージを残すことで、大切な記憶や思いが込められた贈り物となります。
デジタル情報
近年、デジタルデータの管理も重要な要素となっています。
メールアカウント、SNSアカウント、オンラインバンキングなど、パスワードやIDを必要とするものをまとめておきましょう。デジタル遺産として残すべき情報があれば、遺族がアクセスできるように整理しておくことが大切です。
財産・資産の一覧
自分が所有する財産や資産についても、エンディングノートに記載しましょう。不動産、株式、預金などを具体的に整理し、相続の際に家族が把握できるようにしておくことが大切です。
財産がどこにどのように保管されているか、また保険や年金などの詳細も合わせて記録しておくことで、手続きがスムーズに進みます。
介護・医療の要望
エンディングノートには、介護や医療に関する希望を明確に記載しておくことが重要です。とくに、介護を担当してほしい人や医療を任せたい人がいる場合は、事前にしっかりと話し合っておき、必要に応じて契約を結ぶことをおすすめします。
医療に関しては、かかりつけの病院や担当医、受診している科目、常用薬やアレルギーの情報を記入しておくとよいでしょう。ほかにも、認知症などで判断力が低下した場合に備え、介護方針や介護施設の希望、支払い方法などを明記しておくことも大切です。
葬儀・お墓の要望
葬儀やお墓に関して自分の希望を記載します。
まず、信仰している宗教や希望する葬儀の形態(家族葬、密葬など)を明確にし、葬儀社や生前予約の詳細、費用の支払い方法、菩提寺の連絡方法を記載します。加えて、葬儀に来てほしい人や知らせてほしい人のリストを作成しておくことで、連絡がスムーズに進むでしょう。
お墓については、納骨場所や墓地の使用権者、希望するお墓の種類や納骨方法を記録します。事前にお墓を継いでほしい人を決めておくことで、家族間でのトラブルを避けられるでしょう。
相続・遺言書について
遺言書を残している場合、家族間でのトラブルを避けるために、保管場所をしっかりと伝えておくことが大切です。
遺言書は、財産の分配方法を示す手段として、法定相続分よりも優先して相続させられます。遺言書の種類(自筆証書、公正証書、秘密証書)や、専門家に依頼した場合はその担当者の連絡先も記録しておきましょう。
また、相続財産として現金、預貯金、不動産、有価証券、借金などを整理しておき、家族にとって分かりやすい形でまとめておくことが重要です。
年金・保険の情報
年金や保険に関する情報は、亡くなった後の手続きに役立つため、エンディングノートに記載しておくとスムーズです。
年金受給者が亡くなると受給権が停止し、速やかに「受給権者死亡届」を提出する必要があります。年金手帳の保管場所や基礎年金番号、年金を受け取る口座情報、個人年金の詳細などを明記しておきましょう。未支給年金や死亡一時金を受け取る場合もあるため、遺族が手続きをしやすくなるように情報を整理しておくことが大切です。
保険に関しては、保険会社名や連絡先、保険の種類、契約内容、保険証の保管場所、証券番号、受取人、保険金額などを記録しておきましょう。
ペットについて
ペットの将来に備えるためにも、情報を詳しく記載しておくことが大切です。
ペットの名前、年齢、性別、好きなものや普段食べているペットフードなどを整理し、引き取ってほしい人や団体の連絡先も記載しておきます。ペットがかかっている病歴や通院先、服用している薬、予防接種の情報を含め、ペットの世話に必要な詳細を明記しましょう。
ここでは、エンディングノートを作成する際に押さえておきたい注意点を紹介します。
法的な効力はない
エンディングノートはあくまで自身の希望を伝えるもので、法的な効力はありません。法律にもとづいた作成要件を満たす遺言書とは異なり、ノートの内容に家族が従う義務もないため、実行を確実にしたい内容は遺言書に記載する必要があります。
また、ノートに書いた内容が相続時に誤解を招き、家族間で不満や対立が生じる場合もあるため、記載内容には注意が必要です。気持ちを伝える手段としてエンディングノートを活用しつつ、法的効力が必要な内容については遺言書と使い分けましょう。
なお、遺言書は民法所定の方式にしたがって作成する必要があり、形式に不備があると無効となるおそれがあります。開封時に家庭裁判所の検認が必要な場合もあるため、その旨を記入しておくとよいでしょう。
エンディングノートの存在を家族などに伝えておく
エンディングノートは、もしものときに家族の負担を減らし、あなたの思いをしっかりと伝えるための大切なツールです。しかし、その存在を家族が知らなければ、どんなに思いを込めて書いても意味を持ちません。
なお、エンディングノートには個人情報が含まれるため、管理には慎重さが求められます。ノートの存在と保管場所を家族に伝えておくとともに、第三者に盗み見られないよう厳重に保管することが大切です。
また、ノートを取り出す機会がある場合には、必ず元の保管場所に戻すなど、取り扱いも徹底しましょう。
エンディングノートは、終活を進める中で自分の「今」と「これから」を整理し、家族に負担をかけないための大切なツールです。また、自由な形式で、自分らしい言葉や思いを存分に書き込めるため、あなたの人生そのものを表現する場ともいえるでしょう。
「まだ先のこと」と後回しにされがちなエンディングノートですが、早めに準備を始めることは、よりよい人生を歩む第一歩にもなります。残されたご家族が困らないように、ご自身の人生を振り返り、未来を見据えた終活を進めてみましょう。
なお、イオンのお葬式では、終活の準備から葬儀、そしてその後まで、お客さまの気持ちに寄り添ったサポートを提供いたします。終活やエンディングノートの書き方についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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