終活とは?家族に負担をかけないための準備について解説!
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お葬式の知識・マナー
- 更新日:2025.01.14
- お葬式の知識・マナー
終活とは?家族に負担をかけないための準備について解説!

終活は「現代用語の基礎知識」選 2012ユーキャン新語・流行語大賞トップ10に入賞したこともあり、近年とても注目されています。
「自分もそろそろ終活を始めようか」と考えていても、具体的に何を準備したらいいのか、どのように進めたらいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。また、いつからどのように始めるべきなのか明確な基準がないため、うまく進められない方も多いはずです。
そこで今回は、終活の基本について紹介します。やることリストやエンディングノートの作成についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
終活とは?
終活とは、誰しもいずれは必ず訪れる人生の終わりに向けて、生前からさまざまな準備をすることです。しかし、なぜ生前に準備する必要があるのか、終活の意味や必要性についてみていきましょう。
終活の意味
終活は、残りの人生を豊かに過ごすために人生の終わりについて考え、活動することです。まだ元気なうちに自分でさまざまな決めごとをしておき、最後まで悔いのない人生を謳歌するために行います。
終活の必要性
とくに、人生の終わり方やこれからの過ごし方にはっきりとした希望がある方は、終活を始めておくといいでしょう。若いうちから人生設計をしっかり立てておきたいと考える方にとっても、終活は重要な意味を持ちます。
実際に、全国の男女60歳以上(有効回答数454票)へ調査を行った「終活の必要性に関するアンケート」では、8割以上の方が「終活は必要だと思う」と回答しました。理由としては、以下の声が寄せられています。
【「終活は必要だと思う」と回答した理由】
「家族や遺族に迷惑をかけないようにするため(60代・男性)」
「高齢の母が亡くなって、遺品整理の難しさを感じたからです(70代・女性)」
「ひとり暮らしで身寄りがないので何とかしなければと思っている(60代・男性)」
「自分自身の老いへの覚悟と自覚。又、遺族への自分の意志をはっきりと残し示しておく(60代・男性)」
また「終活は必要だと思う」と回答した方に、実際に終活をしているかお尋ねしたところ、9割以上の方が「している」または「将来的にしようと思っている」と回答しました。「元気なうちにやっておくべきだと思う」「生前に処分することで遺族に迷惑が及ばないから」など、遺族へかかる負担を気がかりに思う方が多いようです。
さらに「実際に終活をしている」と回答した方へきっかけを伺ったところ「同年代の人が亡くなっているから」「定年退職して時間ができたから」「セミナーに参加したから」といった声が寄せられました。なかには、パートナーのご逝去をきっかけに終活を始められた方もいました。
また「実際に終活をしている」「将来的にしようと思っている」と回答した方のうち、半数以上の方が「荷物の整理」「財産・遺産の整理」を行おうと思っている、またはすでに行ったと回答しています。
さらに、終活としてもっとも重要だと思うことをひとつだけ選んでもらった場合は、「財産・遺産の整理」が48.5%と、2番目の「荷物の整理」の16%を大幅に上回る結果となりました。
「財産・遺産の整理」と回答した方からは「遺産引継ぎで遺族がもめることが多いから」「財産相続の手続きはとても面倒なので、その準備をしておきたいから」と遺族間でのトラブルを懸念する声が多く、半数以上の方が重要視している状況です。
また、60名ほどの方が終活の一環として「葬式の準備」を行っている、または行う予定だという回答もありました。葬儀の準備もあらかじめ自分で進めておくことで、遺族の負担を軽くしたいと考える方が近年増えています。
調査データ引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001272.000044800.html
終活を行うメリット
あらかじめ身の回りを整理し、生前相続なども整えておくことは、自分自身のみならず、身近な方や家族にとってもさまざまなメリットがあります。それぞれ詳しくみていきましょう。
家族の負担を軽減できる
終活しようと考える多くの方が活動する目的は、家族の負担を減らすためです。人が亡くなると、遺族はさまざまな手続きや作業を行わなければいけません。
もし生前に一度も話し合いをしないまま亡くなった場合、これらすべてを遺族が決めなければなりません。単純に準備が大変なだけでなく「故人はどんなことを望んでいたのだろう」と悩む場面も出てくるでしょう。
あらかじめ終活しておくことで、希望や取り決めた内容を事前に共有できるため、大切な遺族の負担を軽くできます。
親族間のトラブルを防げる
遺産相続で親族間にトラブルが起こることは珍しくありません。訴訟に発展するケースもあり、一度トラブルが起きてしまうと、その後親族の関係性を戻すことは困難です。終活で遺産の相続方法や分配割合を決めておくことで、このようなトラブルを防げるでしょう。
また、生前に贈与を終えておく「生前贈与」も終活のひとつです。亡くなった後に行う相続では相続税、生前に受ける贈与には贈与税と、異なる税金がかかるところに違いがあります。これらは、税率のみで比較すると相続税の方が低くなります。
しかし、贈与税が発生するのは年間110万円を超過する贈与を受けたケースとなっており、さらに生活費や教育費としての贈与であれば贈与税の対象となりません。 このため、数年にわたって贈与できる見通しがある場合は、生前贈与の計画を立てるのも有効な節税です。
そのほか、終活中に必要と感じれば遺言書を作成しておくのもいいでしょう。ただし、遺言書は思いのほか期間がかかる場合もあるため、必要と感じたら早めに取り掛かります。
充実した老後を過ごせる
終活は、人生が終わった後のことを決めるだけではありません。これからの人生を考えるきっかけにもなるため、終活と向き合うことで、自分に介護が必要になった場合や認知症になったときなどについても考えられます。
自分の老後についても、終活をきっかけに問題を明確にすることで、費用の準備や家族の話し合いができるようになるのも終活のメリットです。このように、自分自身の将来のために準備しておくことで、老後への不安を解消できます。
終活を行うデメリット
元気なうちに人生の終わりについて考えることは、ネガティブな方向に進んでしまうこともあります。また、相続などお金に関する内容も含まれるため、思いがけないトラブルに巻き込まれる可能性もあることを理解しておきましょう。
不安な気持ちになる
人によっては気持ちが沈んでしまうことがあります。体力や気力が落ちているとより不安を感じやすくなるため、終活は体力・気力とともに余裕があるときに行いましょう。
もし終活で不安を感じるようであれば、家族や友人など周りの方に相談すると、不安が軽減できます。誰かに相談することで、前向きに考えられることもあるでしょう。
思うように進まないこともある
基本的に、終活は本人の気持ちや考えに基づいて進めます。しかし、医療・介護面でのサポートや、葬儀など家族の協力が必要なものもあるため、思うように進まないこともあります。そんなときは焦らずに、家族と方向性を確認しましょう。
終活に関する詐欺や悪徳業者がある
終活での困りごとを解決してくれるサポート団体はいくつもあります。プロからのアドバイスを受けると、円滑に終活を進められるでしょう。 しかし、なかには詐欺目的の業者も存在するため、十分に注意しなければいけません。終活の相談をする場合は、信頼できる団体を探して依頼しましょう。
終活を始めるタイミング
終活に関心を持ち始めたときが始めどきです。始める年齢に決まりはなく、終活を意識した出来事をきっかけに始める方も多くいます。 病気によって余命宣告されたなど、死に直面したときがきっかけのひとつです。直接的な出来事でなくても、子どもが結婚したり定年を迎えたりなど、人生の節目をきっかけに終活を始める方もいます。
終活はさまざまな作業が必要になるものです。一度にすべてを完了させるのではなく、細分化して進めていくのをおすすめします。
終活に関する「やることリスト」
終活は内容が幅広いため、作業は膨大です。まずはやることリストを作り、ひとつずつ整理しながら進めていきましょう。一般的な終活のやるべき項目を紹介します。
ただし、必ずしも以下の項目を順に進める必要はありません。必要だと思う終活の内容は人によってさまざまなため、始めやすいものから取り掛かってもいいでしょう。
身辺整理を行う
まずは身辺整理を行いましょう。身辺整理とは、不要になったものを処分したり、引き継ぎたいものを家族に譲ったりすることです。身辺整理を事前にしておくと、亡くなった後に家族が処分に困ることはありません。
資産を確認する
終活のためだけに限らず、ある程度の年齢になったら、一度資産を確認しましょう。資産を確認することで、改めて今後の生活を見直せます。資産に余裕があるなら旅行を計画するなど、これからの人生をより豊かにできるでしょう。
また、資産を残すならどのくらいにするか、家族にどのように分配するのかなども、資産の確認をきっかけに検討できます。家族に譲りたい資産がある場合は、生前に手続きするのがおすすめです。亡くなった後の場合は、複雑な手続きが必要になる場合もあります。
保険やサービスの見直しを行う
加入している保険やサービスは、終活をきっかけに見直しましょう。加入してからしばらく経つ医療保険なら内容が古く、新しい保険に加入した方がいい場合もあります。現在ではメリットが少なくなってしまった保険なら、解約してその費用を別で有効活用するのもよいでしょう。
また、使わないサービスに加入したままになっているなら、なるべく早く解約することをおすすめします。クレジットカードもそのひとつで、不要なものがあれば枚数を減らして管理しやすくしましょう。
介護や病院について意思表示する
介護や病院に関して、意思を明確に伝えられるうちに家族で話し合っておきましょう。大きな病気や認知症になってしまってからでは、希望を伝えられないこともあります。施設への入所を希望する場合は、元気なうちであれば自ら足を運んで決めることも可能です。
緊急時の連絡先を共有しておく
現在は家族と離れて暮らしているなど、普段の生活スタイルが家族と共有できていない部分があれば、なるべく早めに共有しておきましょう。かかりつけの病院やデイサービスなど、万が一のときに連絡が必要な連絡先情報は、リストにして家族に渡しておきます。
遺言書を作る
資産の確認と合わせて、遺言書も用意しておきましょう。残された資産は、家族間トラブルの原因にもなります。必ず用意しなければならないものではありませんが、用意しておくと揉め事は起きにくいでしょう。
遺言書には3つの種類 があります。それぞれのメリットとデメリットを確認して、自分に合った方法で作成しましょう。また、遺言書は何度でも書き直しできます。今後考えが変わるかもしれないと躊躇している方も、まずは現状での考えを遺言書に記しましょう。
葬儀スタイルを決める
葬儀場は事前に予約できます。葬儀について希望がある場合は、生前からスタイルや式場を決めておいたり、呼びたい方をリスト化しておいたりしても構いません。こうした内容があらかじめ決まっていると、実際の葬儀の際に家族の負担を軽くできます。
お墓の選定を行う
新たにお墓を準備する必要があるなら、選定を行っておいてもよいでしょう。近年、お墓も多様化しています。墓石を建てる一般墓だけでなく、墓石の代わりに樹木や植栽を墓標とした樹木葬、建物の中に納骨する納骨堂など、形式はさまざまです。
お墓を守る家族がいるのか、家族の負担をどこまで軽減させるのかなどを考えて、どのような形で用意するのか検討しましょう。また、お墓の購入は祭祀財産にあたる ため、非課税財産です。生前に支払いを完了させておくことで、相続税対策にもなります。
遺影を撮影する
遺影を事前に準備しておくと、残したい時期の自分を最後の姿にできます。これまでに撮った写真のなかから選ぶのもいいですが、写真館などで新たに撮影してもらうのもおすすめです。もし、寝たきりで写真館に出向くのが難しい場合でも、出張してくれるところもあります。
エンディングノートを作成する
エンディングノートとは、過去の振り返りやこれからの未来についての考えを記したり、今後の計画を立てておいたりするものです。内容に決まりはなく、伝えたいことをまとめるだけでもかまいません。
終活におけるエンディングノートの作り方
エンディングノートに記しておくといい、必要な項目を紹介します。
名前や生年月日などの基本情報について
誰が作成したものなのかをわかるように、名前や生年月日などの基本情報は記載しておくほうがよいでしょう。また、エンディングノートであることもわかるようにしておくのがおすすめです。
銀行口座や不動産などの財産や資産について
財産や資産は家族も把握していないことが多いため、家族が対応しやすいように詳細を記載しておきましょう。
● 通帳・印鑑・貴重品
● 健康・介護保険証
● 保険・年金証書
● 不動産
● 有価証券
これらの保管場所もわかるようにしておきます。
身の回りの世話やペットについて
意思疎通が取れなくなることを考えて、身の回りの世話をどうして欲しいのかを記しておきましょう。また、ひとりでペットを世話している場合、自分の死後はペットを誰に預けたいのか、世話の仕方などもわかりやすくしておきます。
医療・介護に関する希望について
末期状態になったときの延命措置や認知症になった時の施設利用など、家族の負担を減らすために、希望を記しておきましょう。医療・介護に関しては、とくに家族が精神的負担を感じやすいため、なるべく記載しておきます。
葬儀・埋葬に関する希望について
葬儀や埋葬方法も多様化してきているため、事前に調べて希望のスタイルを記載しておきましょう。
遺言書や相続に関する情報について
遺言書を作成したなら、残していることや保管場所について記しましょう。資産の相続についても、遺言書の内容以外に明らかにしておくことがあれば、合わせて記載します。
親しい友人や知人の連絡先について
知らせてほしい友人や知人の連絡先も記載しておきましょう。ただし、個人情報のため、エンディングノートの保管場所には気をつけます。
パソコンやスマホのデジタル遺産について
パソコンやスマホがあるなら、どのように処理して欲しいのかを明確にしておきましょう。IDやパスワードが必要になることもあるため、合わせて記載します。
家族や友人への感謝の言葉や遺言について
直接感謝の気持ちを伝えたい方がいる場合は、家族に代弁してもらえるよう感謝の言葉を記しておきます。エンディングノートを直接見る、家族に向けても最初に記載しておきましょう。
そのほか伝えておきたいことについて
上記以外にも、必要と考える内容を記しておきましょう。趣味や楽しかった思い出など、些細なことでもかまいません。
終活を始める際に押さえておくべきポイント
最後に、終活での心構えについて解説します。
ルールに縛られないこと
終活に決まったルールはありません。「こうしなければならない」など形にこだわらず、自分が安心できるか、家族の負担を減らせるのかを考えながら進めましょう。
体力が必要なものから始めること
終活は長期間にわたることもあります。進める手順にもルールはありませんが、体力が必要なものから始めると、後半も無理なく進められるでしょう。
終活の情報を家族と共有すること
終活の情報は、必ず家族に伝えておきましょう。終活していることを家族が知らなければ、必要なときに役立ててもらえません。
優先順位をつけて準備を進めること
短期間で終わらせようとするのではなく、優先順位をつけて必要なものから取り掛かりましょう。焦ると誤った選択をする可能性があります。
必要に応じて専門家に相談すること
終活で不安なことがある場合は、専門家に相談しましょう。プロからのアドバイスをもらえることで安心でき、活動もスムーズに進められます。
終活を始めるにあたって考えておきたい葬儀費用ですが、まずは相場を知ることが大切です。
まとめ
終活は人生の終わりに向けて、生前にさまざまな準備をすることですが、これからの人生を豊かにするものでもあります。終活に関心を持ち始めた時があなたの始め時です。優先順位を考えた「やることリスト」を作成し、余裕を持って取り組みましょう。
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