病院で亡くなったらまず何をする?連絡から葬儀までの流れを解説
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初めての喪主の方へ
- 新着 更新日:2025.11.21
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病院で亡くなったらまず何をする?連絡から葬儀までの流れを解説

身近な方が病院で亡くなった場合、深い悲しみの中で何をすべきか分からず、多くの方が動揺してしまいます。
しかし、病院で亡くなってから葬儀までの間には、決められた手順や手続きが存在します。
この全体の流れを事前に把握しておくことで、いざという時に落ち着いて対応することが可能になります。
病院で亡くなった直後から、連絡、搬送、安置、そして葬儀の準備に至るまで、やるべきことを順を追って確認していきましょう。
まずは落ち着いて|病院で臨終を迎えた直後の3つの手順
大切な方が息を引き取った直後は、深い悲しみに包まれますが、その中でも進めなければならないことがあります。
まずは医師による死亡確認を受け、近親者へ連絡し、故人の体を清めるエンゼルケアを見守ることが最初のステップです。
この臨終直後の3つの手順を落ち着いて行うことが、その後の手続きを円滑に進めるための第一歩となります。
一つずつ確実に対応していきましょう。
医師から死亡確認を受ける
ご家族が臨終を迎えた後、まず医師による死亡確認が行われます。
医師は、心臓の停止、呼吸の停止、瞳孔の対光反射の消失などを医学的に確認し、死亡を宣告します。
この死亡確認によって法的に死亡が確定し、医師は「死亡診断書」を作成します。
通常、病気による死亡の場合はこの流れになりますが、死因に不審な点がある場合や事故死などの場合は、警察による検視が行われることもあります。
その場合は、監察医によって「死体検案書」が作成されます。
この死亡診断書または死体検案書は、後の死亡届の提出や火葬許可証の申請に不可欠な書類となるため、必ず受け取らなければなりません。
近親者へ危篤・逝去の連絡を入れる
医師から臨終を告げられたら、速やかに近親者へ逝去の連絡を入れます。
連絡する範囲は、一般的に三親等以内の親族が目安とされますが、故人と特に親交の深かった友人にも知らせるのが望ましいです。
連絡の際は、動揺している中でも落ち着いて、故人の氏名、亡くなった日時と場所(病院名)、そしてご自身の連絡先を簡潔に伝えます。
この段階では、葬儀の日程などは未定なため、詳細が決まり次第改めて連絡する旨を伝えると良いでしょう。
遠方の家族には移動時間を考慮し、できるだけ早く連絡を入れる配慮が必要です。
看護師によるエンゼルケア(死後処置)を見守る
エンゼルケアとは、故人の尊厳を守り、安らかな旅立ちを支援するために行われる死後処置のことです。
看護師が中心となり、ご遺体の全身を清拭したり、口腔ケアを行ったりします。
また、ご遺体から医療器具を外し、髪を整え、必要に応じて薄化粧を施すことも含まれます。
この処置には30分から1時間ほどかかりますが、遺族は立ち会うことができ、希望すれば手伝うことも可能です。
生前に故人が愛用していた服や、用意しておいた死装束に着替えさせることもできるため、希望がある場合は事前に看護師に相談しておきましょう。
エンゼルケアは、故人との最後の時間を過ごし、死を受け入れるための大切な時間となります。
病院を出るまでにやるべきことリスト
故人が亡くなった後、病院の霊安室に滞在できる時間は数時間程度と限られています。
そのため、ご遺体を搬送するまでの短い時間に、いくつかの重要な手続きを済ませる必要があります。
具体的には、葬儀社への連絡、ご遺体の安置場所の決定、医師からの死亡診断書の受け取り、そして入院費用の精算などです。
これらの手続きを滞りなく進めることで、スムーズに故人を病院からお送りすることができます。
葬儀社に連絡し遺体の搬送を依頼する
病院の霊安室は一時的な安置場所のため、長時間利用することはできません。
そのため、速やかに葬儀社へ連絡し、ご遺体を安置場所まで搬送してもらうための寝台車の手配を依頼します。
生前に葬儀社を決めている場合はその会社に連絡しますが、決まっていない場合は、病院から紹介を受けることも可能です。
ただし、病院紹介の葬儀社に必ず依頼する必要はありません。
もし時間があれば、複数の葬儀社から見積もりを取ることも考えられますが、急を要するため、事前に信頼できる葬儀社を探しておくことが望ましいです。
連絡の際は、病院名、故人の氏名、迎えに来てほしい時間を正確に伝えましょう。
ご遺体の安置場所を決めておく
葬儀社に搬送を依頼する前に、ご遺体をどこに安置するかを決めておく必要があります。
主な安置場所としては、自宅、斎場や葬儀社が所有する安置施設、あるいは民間の遺体安置施設が挙げられます。
自宅に安置する場合、故人が住み慣れた場所でゆっくりと過ごせるという利点がありますが、ご遺体を安置するスペース(仏間や畳の部屋など)を確保しなければなりません。
マンションなどの集合住宅では、管理規約でご遺体の搬入について定めがある場合もあるため、事前に確認が必要です。
自宅での安置が難しい状況であれば、葬儀社の安置施設などを利用することになります。
医師から「死亡診断書」を必ず受け取る
死亡診断書は、故人の死亡を法的に証明するための極めて重要な公文書です。
この書類がなければ、役所への死亡届の提出や、火葬を行うために必要な「火葬許可証」の交付申請といった手続きが一切行えません。
死亡診断書は、臨終に立ち会った医師が作成し、遺族に渡されます。
受け取る際には、故人の氏名、生年月日、死亡日時などの記載内容に誤りがないか必ず確認しましょう。
この書類の原本は死亡届と共に役所へ提出すると返却されませんが、生命保険の請求など様々な手続きで必要になるため、事前にコピーを数枚取っておくと後の手続きがスムーズに進みます。
入院費用の精算と退院手続きを済ませる
ご遺体を病院から搬送する前に、入院していた病室の私物を片付け、入院費用の精算と退院手続きを完了させます。
入院費の精算は、当日もしくは後日に行うのが一般的ですが、病院によって対応が異なるため、ナースステーションや会計窓口で確認が必要です。
支払いは現金だけでなく、クレジットカードが利用できる場合もあります。
その際、入院時に支払った保証金や預かり金があれば、その返金についても忘れずに確認しましょう。
すべての手続きを終え、お世話になった医師や看護師に挨拶をしてから、病院を後にします。
病院からご遺体を搬送する際の流れと注意点
葬儀社への連絡と安置場所の決定が済み次第、ご遺体を病院から搬送します。
ご遺体の搬送には、搬送方法に関する注意点があります。
故人を滞りなく安置場所へとお連れするため、寝台車での移動方法や、病院から紹介された葬儀社への対応について、事前に把握しておくことが大切です。
これらの知識は、いざという時の判断に役立ちます。
寝台車で指定の安置場所へ移動する
依頼した葬儀社が寝台車で病院まで迎えに来ます。
ご遺体は病院のスタッフと葬儀社のスタッフによってストレッチャーに乗せられ、霊安室から寝台車へと運ばれます。
この際、他の入院患者への配慮から、正面玄関ではなく職員用の出入り口などが使われるのが一般的です。
遺族は、医師から受け取った死亡診断書を忘れずに携行し、寝台車に同乗するか、自家用車で後を追って安置場所へ向かいます。
寝台車に同乗できる人数は車種により異なるため、事前に葬儀社に確認しておくと良いでしょう。
服装は平服で問題ありません。
自家用車での搬送は法律上できない
大切な家族だから自分の車で運びたいと考える方もいるかもしれません。
しかし、金銭を受け取って事業として自家用車でご遺体を搬送することは、法律(貨物自動車運送事業法)で原則として禁止されています。
ご遺体の搬送は、国土交通省から事業用として許可を得た緑ナンバーの霊柩車や寝台車でなければ行えません。
もし無許可で自家用車を使って搬送した場合、法律違反となる可能性があります。
また、万が一の事故や警察による職務質問を受けた際に、死体遺棄の疑いをかけられるといったトラブルに発展するリスクもあるため、必ず専門の葬儀社に搬送を依頼してください。
病院から紹介された葬儀社は断っても問題ない
多くの病院では、提携している葬儀社を紹介してくれます。
急なことで準備ができていない場合、その場で依頼できるのは心強いですが、必ずしもその葬儀社に依頼する必要はありません。
紹介された葬儀社を断ることに、気兼ねする必要は全くないのです。
例えば、搬送だけを病院紹介の葬儀社に依頼し、その後の葬儀は自分たちで探した別の葬儀社に依頼することも可能です。
葬儀は高額な費用がかかるため、サービス内容や費用を比較検討し、遺族が納得できる葬儀社を選ぶことが重要です。
もし事前に決めていた葬儀社がある場合は、その旨をはっきりと病院側に伝えましょう。
ご遺体を安置した後の進め方
ご遺体を自宅や専用施設に搬送し、安置した後は、葬儀に向けた具体的な準備が始まります。
故人が安らかに眠れるよう環境を整え、宗教的な儀式を行い、関係者へ訃報を伝えていきます。
この段階では、ご遺体の安置、枕飾りの設置や僧侶への連絡、そして親族や友人への正式な連絡など、葬儀の準備を滞りなく進めるための大切な手順を踏んでいくことになります。
自宅または安置施設にご遺体を安置する
ご遺体を搬送したら、事前に決めておいた自宅または葬儀社の安置施設に安置します。
自宅に安置する場合は、仏間や座敷など、風通しが良く直射日光が当たらない静かな部屋を選びます。
布団を敷き、故人の頭を北または西に向ける「北枕」「西枕」にして寝かせます。
ご遺体の状態を保つため、葬儀社のスタッフがドライアイスを当てて処置を行いますが、室温はできるだけ低く保つことが望ましいです。
安置施設を利用する場合は、専門のスタッフが管理するため温度管理などの心配はありません。
ただし、面会時間に制限がある場合があるので事前に確認しておきましょう。
枕飾りを設置し僧侶に枕経を依頼する
ご遺体を安置した後、故人の枕元に「枕飾り」を設置します。
これは葬儀社が用意してくれることが一般的です。
枕飾りは、小さな机の上に香炉、燭台、花立てなどを置き、線香を絶やさないようにするものです。
仏式の場合、菩提寺があればその僧侶に連絡し、枕元でお経をあげてもらう「枕経(まくらぎょう)」を依頼します。
枕経は、故人が安心して旅立てるようにという願いが込められた大切な儀式です。
この連絡の際に、今後の葬儀の日程についても僧侶の都合を確認し、相談を進めていきます。
菩提寺がない場合は、葬儀社に相談して僧侶を紹介してもらうことも可能です。
親族や友人、会社関係者へ訃報を連絡する
ご遺体の安置が完了し、僧侶との相談を経て葬儀のおおまかな日程が決まったら、改めて関係各所に訃報の連絡をします。
連絡する範囲は、親族、故人と親しかった友人知人、勤務先や学校関係、所属していた団体などです。
連絡手段は電話が基本ですが、相手との関係性によってはメールやSNSを利用することもあります。
伝える内容は、故人の氏名、死亡日時、喪主の氏名と続柄、そして決まった範囲で通夜告別式の日時と場所を正確に伝えます。
家族葬などで参列を辞退する場合は、その旨も明確に伝えることが、後の混乱を避けるために重要です。
葬儀社と打ち合わせ|葬儀の準備から納棺まで
ご遺体の安置と関係者への連絡が済むと、次は葬儀社と具体的な打ち合わせを行います。
この打ち合わせでは、葬儀の形式や規模、費用などを詳細に決定し、故人を見送るための大切な儀式を具体化していきます。
喪主の決定や、故人の体を清める湯灌、棺に納める納棺といった故人の旅立ちの準備についても、葬儀社と密に連携しながら手配を進めることが求められます。
喪主を決め葬儀の日程や形式を相談する
葬儀の打ち合わせでは、まず初めに喪主を正式に決定します。
喪主は遺族の代表者として葬儀全般の責任者となり、弔問客への対応など重要な役割を担います。
一般的には故人の配偶者や子が務めますが、法的な決まりはないため、家族でよく話し合って決めます。
次に、葬儀の日程、場所、形式、規模などを具体的に決めていきます。
日程は、火葬場の空き状況や僧侶の都合などを考慮して調整が必要です。
葬儀の形式には一般葬や家族葬、一日葬など様々な選択肢があるため、故人の遺志や家族の意向、予算に合わせて最適な形式を選択します。
この際に詳細な見積もりを確認し、内容に納得した上で契約を結びます。
故人の体を清める「湯灌(ゆかん)の儀」を行う
湯灌の儀は、故人の体を洗い清める儀式で、納棺の前に行われます。
専門の湯灌師が訪問し、専用の浴槽を使用して遺族が見守る中で執り行われるのが一般的です。
この儀式には、故人の現世での穢れや苦しみを洗い流し、清らかな姿で来世へ旅立ってほしいという願いが込められています。
また、体を温めることで死後硬直を和らげ、安らかな表情に整えるという目的もあります。
湯灌は、遺族が故人の体に直接触れる最後の機会となることも多く、故人との別れを惜しみ、感謝を伝える大切な時間です。
葬儀のプランに含まれていない場合もあるため、希望する際は事前に葬儀社に確認が必要です。
故人を棺に納める「納棺の儀」を執り行う
納棺の儀は、湯灌で清められた故人のご遺体を棺に納める、葬儀の中でも特に重要な儀式です。
遺族やごく親しい人々が集まり、故人の旅立ちの支度を整えます。
故人に死装束を着せ、身支度を整えた後、遺族が協力してご遺体を静かに棺へと移します。
この際、故人が生前に愛用していた品物や手紙、趣味の道具などを副葬品として一緒に納めることが可能です。
ただし、ガラス製品や金属製品など燃えにくいものや、危険物は入れることができないため、何を納めたいか事前に葬儀社の担当者に相談しましょう。
納棺の儀は、故人との別れを深く実感する、厳かで大切な時間となります。
まとめ
病院で亡くなった場合、臨終直後は深い悲しみの中で、多くの判断と手続きに迫られます。
医師による死亡確認に始まり、近親者への連絡、エンゼルケア、そして葬儀社への連絡と搬送、安置、葬儀の打ち合わせへと、やるべきことは多岐にわたります。
事前に全体の流れを把握しておくことで、いざという時に落ち着いて対応しやすくなるでしょう。
重要なのは、一つ一つの手順を確実に進め、故人を安らかに見送ることです。
分からないことや不安なことがあれば、ためらわずに葬儀社のスタッフなど専門家に相談することが、滞りなく儀式を進める助けとなります。
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