葬儀の心付け|相場・渡し方・封筒の書き方を葬儀社・火葬場別に解説
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お葬式・法要の知識・マナー
- 新着 更新日:2025.11.21
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葬儀の心付け|相場・渡し方・封筒の書き方を葬儀社・火葬場別に解説

葬式でお世話になった方々へ感謝の気持ちを伝える「心付け」は、古くからの慣習ですが、現代ではその扱いに戸惑う方も少なくありません。
心付けは義務ではありませんが、渡す場合には相手に失礼のないよう、適切な金額相場やマナーを知っておくことが重要です。
この記事では、葬儀の心付けとは何かという基本から、渡す相手別の相場、封筒の書き方や渡し方、そして注意点までを具体的に解説します。
そもそも葬儀の心付けとは?最近は不要なケースも多い?
葬儀の心付けとは、葬儀でお世話になった葬儀社のスタッフや運転手、火葬場の職員などに対して、遺族から感謝のしるしとして渡す金銭や品物のことです。
サービスに対する対価というより、個人的な感謝の気持ちを示すもので、欧米のチップに似た慣習といえます。
しかし最近では、葬儀プランの料金にサービス料が含まれていることが一般的になり、心付けを全面的に辞退する葬儀社も増えています。
また、公営の施設では職員が受け取ることを禁止しているため、心付けが不要なケースは多くなっています。
【相手別】葬儀で渡す心付けの金額相場一覧
葬儀の心付けを渡す場合、相手との関係性や役割によって金額の相場が異なります。
一体いくら包めば良いのか迷うことも多いでしょう。
ここでは、葬儀社のスタッフや各種運転手、火葬場の職員、そしてお手伝いいただいた方々など、心付けを渡す相手別に具体的な金額の目安を一覧で紹介します。
適切な金額を把握し、失礼のないように感謝の気持ちを伝えましょう。
葬儀社のスタッフ(担当者・進行係)への相場
葬儀社のスタッフ、特に葬儀全体を取り仕切る担当者への心付けは、感謝の気持ちが深い場合に渡すことがあります。
金額の相場としては、3,000円から10,000円程度が一般的です。
複数のスタッフでお世話になるため、まとめて責任者や担当者へお渡しするのがスムーズです。
特に担当者へは、他の方より少し多めに包むケースも見られます。
ただし、葬儀社によっては会社の方針として心付けを一切受け取らないと定めている場合も少なくありません。
葬儀費用にあらかじめサービス料が含まれていることも多いため、渡す前に葬儀社の担当者へ心付けが必要かどうかを確認しておくと、お互いに気持ちの良いやり取りができます。
霊柩車・マイクロバスの運転手への相場
霊柩車や親族の送迎で利用するマイクロバスの運転手にも心付けを渡す慣習があります。
金額の相場は、それぞれ3,000円から5,000円程度が目安です。
葬儀場から火葬場への移動など、故人や遺族を安全に送り届けてもらうことへの感謝の気持ちとして渡します。
運転手は葬儀社に所属している場合もあれば、外部の提携会社から派遣されていることもありますが、どちらの場合でも相場は変わりません。
渡すタイミングとしては、葬儀場を出発する前や、火葬場に到着して役目を終えた後などが適しています。
ただし、これも葬儀社の方針によっては不要とされることがあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
火葬場の職員(火葬技師・休憩室係)への相場
火葬場の職員、例えば火葬技師や休憩室の係員へ心付けを渡すこともあります。
相場は3,000円から5,000円程度とされています。
火葬から収骨までの一連の流れを滞りなく進めてくれることへの感謝を示すものです。
複数の職員が関わるため、代表の方へまとめてお渡しするのが一般的です。
しかし、最も注意すべき点は、公営の火葬場では職員が公務員にあたるため、心付けの受け取りが固く禁止されていることです。
民間の会社が運営する火葬場であっても、社の方針として受け取りを辞退するケースがほとんどです。
そのため、基本的には火葬場での心付けは不要と考えて差し支えありません。
受付や配膳を手伝ってくれた方への相場
葬儀の際に、親族や近所の方、故人の友人などに受付や会計、駐車場の案内、食事の配膳などを手伝ってもらうことがあります。
こうした方々へのお礼として心付けを渡す場合の金額は、一般的に3,000円から10,000円程度が目安とされています。ただし、地域や葬儀の規模、お手伝いの内容によって相場は異なりますので、事前に確認することをおすすめします。
現金ではなく、感謝の気持ちとして菓子折りやお茶といった品物を渡すことも良い方法です。あくまでも厚意に対するお礼なので、相手に過度な気を遣わせない程度の金額や品物を選ぶことが大切です。渡すタイミングは、葬儀が落ち着いた後や、後日改めてお礼に伺う際が良いでしょう。プロの業者ではなく、個人的にお手伝いいただいた方への配慮として準備します。
失礼にならない心付けの正しい渡し方とマナー
心付けは感謝の気持ちを伝えるものですが、渡し方を誤るとかえって相手に失礼な印象を与えかねません。
そのため、心付けを渡す際には、マナーを守ることが大切になります。
ここでは、心付けを入れる封筒の選び方や表書きの書き方、お札の入れ方の注意点、そして相手に負担をかけないタイミングや添える言葉など、具体的な渡し方の作法について詳しく解説します。
心付けを入れる封筒の選び方と表書きの書き方
心付けは現金を直接手渡すのではなく、必ず封筒に入れて渡します。
使用する封筒は、郵便番号の枠がない無地の白い封筒が最適です。
もしなければ、小さなポチ袋でも代用できます。
不幸が重なることを連想させる二重封筒は避けるのがマナーです。
封筒の表書きの書き方としては、上段の中央に「志」または「御礼」と記載します。
何も書かずに無地のまま渡しても問題ありません。
下段には喪主のフルネーム、あるいは「〇〇家」と家名を記します。
筆記具は、香典で使う薄墨ではなく、濃墨の筆ペンやサインペンを使用します。
この書き方は不祝儀とは異なるため、注意が必要です。
お札の向きや新札を避けるなどの注意点
心付けに包むお札は、結婚式などの慶事においては新札を用意するのが一般的なマナーです。新札には、新しい門出を祝い、丁寧に準備した気持ちを表す意味合いがあります。 一方、葬儀など弔事の心付けには、不幸を予期して準備していたと受け取られないよう、新札を避けるか、新札しかない場合は一度折り目を付けてから包むのが良いとされています。
お札の入れ方については、封筒の表面から見て、お札に描かれている肖像画が表側を向き、かつ上向きになるように入れるのが丁寧な方法とされています。 これは、受け取った相手がお札を開きやすく、金額をすぐに確認できるようにという配慮も含まれています。
複数枚のお札を入れる際には、すべての向きを揃えるようにします。 ポチ袋を使用する場合は、お札を三つ折りにして入れます。 これらの心遣いはあくまでマナーの一環であり、最も重要なのは感謝の気持ちそのものです。
相手の負担にならないタイミングと言葉を添えて渡す
心付けを渡す際は、タイミングと言葉遣いに配慮することが重要です。
相手が忙しくしている最中を避け、葬儀が始まる前の挨拶の時や、すべての儀式が終わり一息ついた頃合いを見計らって渡すのが適切です。
また、他の人の目につかない場所で、そっとお渡しするのがスマートな対応です。
渡す際には、「本日は大変お世話になります。どうぞよろしくお願いいたします」や「おかげさまで無事に終えることができました。些少ではございますが、皆様で召し上がってください」といった感謝の言葉を必ず添えましょう。
相手に気を遣わせないよう、さりげなく渡す心配りが求められます。
心付けを渡す前に知っておきたい注意点
心付けを準備する前に、いくつか知っておくべき注意点があります。
感謝の気持ちを伝えるつもりが、かえって相手を困惑させてしまう事態を避けるためです。
心付けを辞退された際の対応、僧侶へのお布施との根本的な違い、そして公営斎場でのルールなど、誰に渡すかという点だけでなく、渡す状況に応じた知識が求められます。
これらのポイントを事前に理解しておくことで、より適切な対応が可能になります。
心付けを辞退された場合の無理強いは避ける
葬儀社や火葬場の規則として、スタッフが心付けを受け取ることを禁止している場合があります。
そのため、感謝の気持ちから心付けを渡そうとしても、丁重に辞退されることがあります。
その際は、相手の方針を尊重し、決して無理強いしないことが最も重要なマナーです。
無理に受け取ってもらおうとすると、相手を困らせてしまい、かえって迷惑になります。
「お気持ちだけ頂戴いたします」と言われたら、素直に引き下がりましょう。
感謝の気持ちは、担当者の名前を覚えて「〇〇さんのおかげです」などと、言葉で伝えるだけでも十分に伝わります。
僧侶に渡す「お布施」との違いを理解する
葬儀の際に僧侶へお渡しする「お布施」は、心付けとは全く意味合いが異なります。
心付けがサービスに対する感謝の気持ちや労いとして渡すものであるのに対し、お布施は読経や戒名授与といった宗教的儀式に対する感謝の気持ちとして御本尊に納めるものです。
そのため、お布施はサービスへの対価や費用ではなく、あくまでも施主の感謝を示すための寄付という位置づけになります。
封筒も異なり、お布施は白無地の封筒か奉書紙を使用し、表書きは「御布施」と記載します。
心付けとお布施を混同しないよう、それぞれの意味を正しく理解しておくことが必要です。
公営の火葬場では心付けは原則禁止
公営の火葬場で働く職員は、地方公務員という立場になります。
公務員は利害関係者から金品を受け取ることが法律で禁じられているため、心付けを渡すことはできません。
もし渡そうとしても、収賄罪に問われる可能性があるため、固く断られます。
このルールは徹底されているため、公営火葬場では心付けの準備は不要です。
民営の火葬場であっても、会社の方針として心付けの受け取りを辞退する施設がほとんどです。
いずれの場合も、感謝の気持ちは言葉で伝えるのが最も適切な方法となります。
なお、心付けの表書きに薄墨は使用しない点も覚えておきましょう。
まとめ
葬儀における心付けは、お世話になった方々へ感謝の気持ちを伝えるための日本の慣習ですが、その必要性は時代と共に変化しています。
近年では、葬儀プランにサービス料が含まれていることが多く、心付けを辞退する葬儀社や施設が増えています。
もし心付けを渡す場合は、相手の立場に応じた金額相場を参考にし、白無地の封筒に「志」や「御礼」と濃墨で記すといったマナーを守ることが求められます。
特に公営の火葬場では職員への心付けは禁止されているため注意が必要です。
相手から辞退された場合は無理強いせず、感謝の言葉を伝えることで気持ちを表すのが良い対応です。
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