精進落としとは?意味やマナー、挨拶例文を解説(通夜振る舞いとの違い)
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お葬式・法要の知識・マナー
- 新着 更新日:2026.01.20
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精進落としとは?意味やマナー、挨拶例文を解説(通夜振る舞いとの違い)

精進落としとは、葬儀や火葬後にお世話になった方々へ感謝を伝え、故人を偲ぶために開かれる会食のことです。
もともとの意味合いは時代と共に変化していますが、現代の葬儀において重要な役割を持っています。
喪主側も参列者側も、それぞれの立場で意味やマナーを理解し、失礼のないように振る舞うことが求められます。
本記事では、精進落としの準備や挨拶例文、費用相場まで、必要な情報を網羅的に解説します。
そもそも精進落としとは?本来の意味を解説
精進落とし(しょうじんおとし)とは、もともと仏教の教えに由来する儀式です。
現代では、葬儀でお世話になった僧侶や親族、親しい友人などを労い、故人を偲ぶ会食として定着しています。
地域によっては「精進上げ(しょうじんあげ)」や「お斎(おとき)」とも呼ばれます。
神道(神式)の葬儀後に行われる同様の会食は「直会(なおらい)」と呼ばれ、目的や役割は精進落としと共通する部分が多くあります。
肉や魚を避ける「精進期間」の終わりを示す食事
仏教では、家族が亡くなった後、四十九日の忌明けまで、遺族は殺生を避けるために肉や魚などを断つ「精進」の期間を過ごすという慣習がありました。
この期間中は、野菜や豆腐などを中心とした精進料理を食べて故人の冥福を祈ります。
そして、四十九日の法要をもって「忌明け」とし、日常生活に戻る印として、肉や魚を含む通常の食事に戻しました。
この精進期間を終えるための食事が、本来の「精進落とし」です。
現在では、葬儀当日に初七日法要と合わせて精進落としを行うことが一般的になり、その意味合いも火葬に立ち会ってくれた方々への感謝や労いを伝える場へと変化しています。
通夜振る舞いとの目的・タイミングの違い
精進落としと混同されやすいものに通夜振る舞いがあります。
これらは目的と行われるタイミングが異なります。
通夜振る舞いは、通夜の弔問客に対して感謝の意を示すために行われる食事で、故人と過ごす最後の夜に食事を共にすることで、別れを惜しみ供養するという意味合いを持ちます。
一方、精進落としは、葬儀や火葬が無事に終わった後、僧侶や親族、親しい人たちを労うために行われます。
タイミングとしては、通夜振る舞いが通夜の夜に行われるのに対し、精進落としは葬儀・告別式、火葬が終わった後、つまり葬儀の最後に行われるのが一般的です。
いつ食事をするかという点も大きな違いと言えます。
【喪主・遺族向け】精進落としの準備から当日の流れ
喪主や遺族にとって、精進落としは葬儀・お葬式の締めくくりとなる大切な法要です。
参列者への感謝を伝え、滞りなく会食を進めるためには、事前の準備と当日の流れの把握が欠かせません。
このセクションでは、法事の一環である精進落としを主催する立場から、準備段階で決めておくべき項目と、葬式当日の具体的な進行手順について解説します。
事前に決めておくべき4つの準備項目
精進落としをスムーズに行うためには、葬儀の準備と並行して4つの項目を事前に決めておく必要があります。
まず、開催場所です。
火葬場に併設された会食室や、斎場に戻って行うほか、近くの料理店やレストラン、ホテルなどを予約する方法もあります。
次に参加人数の把握です。
親族や特に親しかった友人など、どこまでの範囲の方に声をかけるかを決め、おおよその数を把握しておきましょう。
人数が決まったら、料理の内容と予算を決定します。
1人あたりの予算に合わせて仕出し弁当や懐石料理などを選びます。
最後に、参列者への案内です。
葬儀の日程を伝える際に、精進落としの席を設けている旨を伝え、出欠を確認しておくと当日の準備が円滑に進みます。
当日の進行がわかる5つのステップ
葬儀当日の精進落としは、一般的に以下の流れで進行します。
まず、告別式終了後、故人は火葬場へ移されます。
火葬には1〜2時間ほどかかるため、その間に参列者は会食会場へ移動します。
この火葬中に精進落としを行うケースもありますが、近年では収骨を終えてから行うのが主流です。
収骨後、遺骨と位牌、遺影を祭壇に安置し、席に着きます。
喪主または親族代表が開始の挨拶と献杯の発声を行い、会食が始まります。
会食中は故人の思い出などを語らいながら過ごし、約1時間半から2時間後、喪主が締めの挨拶をしてお開きとなります。
繰り上げ法要として初七日法要をこのタイミングで行うことも多く、四十九日や納骨の案内も挨拶に含めるとよいでしょう。
そのまま使える!精進落としで述べる挨拶の例文集
精進落としでは、会食の始めと終わりに喪主や親族代表が挨拶を行います。
参列者への感謝の気持ちを伝え、故人を偲ぶ場を和やかに始めるための重要な役割を担います。
しかし、どのような言葉を述べればよいか、事前に考えておかないと戸惑ってしまうかもしれません。
ここでは、開始時の挨拶と献杯、終了時の締めの挨拶について、そのまま使える具体的な例文を紹介します。
【開始時】会食を始める際の挨拶と献杯の例文
会食の開始を告げる挨拶は喪主が行うのが一般的です。
葬儀が無事に終わったことへの感謝と参列者への労いの言葉を簡潔に述べます。
その後親族の代表者(故人の兄弟や喪主の叔父など)に献杯の挨拶と発声をお願いすることが多いです。
【喪主の挨拶例文】
「本日はご多忙のところ故〇〇(俗名)のためにお集まりいただき誠にありがとうございます。おかげさまで葬儀告別式も滞りなく済ませることができました。ささやかではございますが精進落としの席をご用意いたしましたのでおくつろぎの上故人の思い出話などをお聞かせいただければ幸いです。」
【献杯の挨拶例文】
「ただいまご紹介にあずかりました故人の兄の〇〇です。皆様本日は最後までお見送りいただきありがとうございました。故人もさぞかし喜んでいることと存じます。それでは故人を偲び献杯をさせていただきたく存じます。皆様ご唱和をお願いいたします。献杯。」
【終了時】会食を締めくくるお開きの挨拶例文
皆様、本日は長時間にわたり、誠にありがとうございました。名残は尽きませんが、皆様もお疲れかと存じますので、このあたりでお開きとさせていただきたく存じます。
皆様から〇〇(故人)の思い出話を伺うことができ、故人も大変喜んでいることと思います。今後とも、私ども遺族に変わりないご厚情を賜りますようお願い申し上げます。なお、四十九日の法要は〇月〇日を予定しておりますので、改めてご案内いたします。本日は誠にありがとうございました。
精進落としにかかる費用の内訳と相場
精進落としを行うにあたり、喪主として気になるのが費用の相場です。
予算を立てるためには、どのような項目にいくらくらいかかるのかを把握しておく必要があります。
主な内訳は料理・飲み物代ですが、僧侶が出席を辞退された場合に渡す「お膳料」も考慮しなくてはなりません。
ここでは、精進落としにかかる費用の内訳と、それぞれの金額の目安について解説します。
料理・飲み物代の1人あたあたりの平均予算
精進落としの費用で最も大きな割合を占めるのが、料理と飲み物代です。
1人あたりの平均的な予算相場は、3,000円から8,000円程度とされています。
斎場や専門の会館で提供される仕出し料理などを利用する場合は、5,000円前後のコースを選ぶことが多いです。
ホテルやレストランなど、外部の店を利用する場合は、場所や料理のグレードによって料金が変動します。
飲み物代については、コース料金に含まれている場合と、別途注文する場合があります。
ビールや日本酒などのお酒を用意することが一般的ですが、故人が好きだった飲み物を用意するのもよいでしょう。
全体の費用は、参加人数にこの単価を掛け合わせた金額が目安となります。
僧侶が辞退した場合に渡す「お膳料」の目安
精進落としの席には、お世話になった僧侶を上座にお招きするのがマナーですが、僧侶が多忙などの理由で会食を辞退されることもあります。
その場合は、感謝の気持ちとして「御膳料(おぜんりょう)」をお渡しするのが一般的です。
御膳料の相場は5,000円から10,000円程度で、お布施とは別に用意します。
白い無地の封筒に入れ、表書きには「御膳料」と記し、その下に喪主の氏名を書きます。
御膳料は、お車代などと合わせて、僧侶がお帰りになるタイミングでお渡しします。
なお、御膳料は香典返しや返礼品とは異なるため、引き出物と混同しないように注意が必要です。
知っておきたい精進落としの席順と基本マナー
精進落としは、故人を偲びながら参列者への感謝を示す大切な場です。
そのため、失礼のないように基本的なマナーを守ることが重要になります。
特に、誰がどこに座るかという席順には決まりがあります。
また、遺族としての振る舞いや会食の時間など、主催者側が知っておくべき点がいくつか存在します。
ここでは、参列者全員が気持ちよく過ごせるよう、精進落としにおける席順や服装などの基本マナーを解説します。
席順の基本は僧侶が最上座、喪主は末席に座る
精進落としの席順には明確な決まりがあります。
最も敬意を払うべき僧侶が、祭壇に最も近い席、あるいは入り口から最も遠い「最上座」に座ります。
僧侶の隣には、会社関係の上司や友人代表など、主賓格の参列者が座ります。
続いて、親族以外の一般参列者、親族という順番で上座から座っていきます。
そして、接待役である喪主や遺族は、参列者へのお酌や挨拶がしやすいように、入り口に最も近い「末席」に座るのがマナーです。
喪主は末席の中央に座り、その両脇を遺族が固める形が一般的です。
事前に席次表を用意しておくと、当日の案内がスムーズに行えます。
遺族は参列者一人ひとりにお酌をして感謝を伝える
会食が始まったら、喪主と遺族はできるだけ席を回り、参列者一人ひとりにお酌をしながら挨拶をすることが大切です。
参列への感謝の気持ちを直接伝えるとともに、故人との生前の思い出話などを伺う良い機会にもなります。
すべての参加者の席を回るのが理想ですが、人数が多い場合は難しいこともあるため、親族で手分けして行うとよいでしょう。
友人や子供の参列者にも、同じように感謝を伝えます。
自分たちが食事を楽しむことよりも、参列者をもてなすことに集中するのが遺族の役割です。
故人に代わって、生前お世話になった方々へ感謝の気持ちを伝えることを第一に考えましょう。
会食時間は1時間半から2時間程度で終える
精進落としの会食時間は、一般的に1時間半から2時間程度が目安とされています。
葬儀・告別式、火葬と、参列者は長時間にわたって故人に付き添ってくれているため、疲れがたまっていることも考慮しなくてはなりません。
あまり長引かせると、かえって参列者の負担になってしまいます。
故人との思い出話は尽きないかもしれませんが、場の雰囲気を見ながら、予定した時間になったら喪主が締めの挨拶を行い、お開きにするのがマナーです。
遠方から来ている参列者の帰宅時間なども配慮し、手短に終える心遣いが大切です。
挨拶や献杯の依頼は必ず事前に行う
精進落としでは、会食の開始時に献杯の発声を行うのが慣例です。
この献杯の挨拶は、喪主の次に故人と縁の深い親族(故人の兄弟など)や、親しい友人にお願いすることが一般的です。
重要なのは、依頼する相手に必ず事前に打診しておくことです。
当日、突然指名するのはマナー違反であり、相手を困らせてしまいます。
葬儀の打ち合わせの段階、もしくは遅くとも葬儀が始まる前までには、「精進落としの席で献杯の挨拶をお願いできないでしょうか」と丁寧にお願いしておきましょう。
快く引き受けてもらえるよう、相手への配慮を忘れないことが大切です。
精進落としを省略する場合の対応方法
近年では、葬儀の形式が多様化し、精進落としを省略するケースも増えています。
特に家族葬など、ごく内輪で執り行う場合には、会食の場を設けないことも少なくありません。
精進落としを行わないこと自体はマナー違反にはなりませんが、その場合は参列者への配慮が必要です。
会食の代わりとして、持ち帰りができる仕出し弁当(お弁当)や、お酒、お茶などをセットにした折り詰めを用意するのが一般的です。
また、香典返しとは別に、お清めの塩や感謝の気持ちを記した挨拶状を添えた返礼品をお渡しすると、より丁寧な対応となります。
省略する場合は、事前にその旨を参列者に伝えておきましょう。
精進落としに関するよくある質問
精進落としは葬儀の中でも特に慣習やマナーが問われる場面です。
そのため料理メニューの選び方や会食を省略・辞退する場合の対応などさまざまな疑問が生じることがあります。
ここでは喪主側・参列者側双方の視点から精進落としに関して特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
いざという時に慌てないよう事前に確認しておきましょう。
精進落としの料理メニューに決まりはありますか?
精進落としの料理メニューに厳密な決まりはありません。
本来は精進期間の終わりを示す食事でしたが、現在ではその意味合いが薄れ、寿司や天ぷら、お刺身といった生物を含む和食の懐石料理や仕出し弁当が選ばれるのが一般的です。
故人が好きだったメニューを取り入れたり、軽食にしたりと、状況に応じて柔軟に決めることができます。
精進落としを行わないのはマナーとして問題ありませんか?
必ずしも精進落としを行わなければならないわけではなく、マナー違反にはあたりません。
特に家族葬のような小規模な葬儀では、会食を省略するケースも増えています。
ただし、その場合は参列者への配慮として、会食の代わりとなる持ち帰り用の弁当や返礼品を用意するのが一般的です。
事前に会食がないことを伝えておくと親切です。
参列者側ですが、精進落としを辞退しても失礼になりませんか?
体調不良や遠方からの参列、家庭の事情など、やむを得ない理由がある場合に精進落としを辞退することは、失礼にはあたりません。
大切なのは伝え方です。
案内された際に、参加しない旨をできるだけ早く遺族に伝えましょう。
その際、「大変恐縮ですが」と前置きし、辞退する理由を簡潔に述べると、相手も納得しやすいです。
まとめ
精進落としは、本来の宗教的な意味合いから、現在では葬儀でお世話になった方々を労い、感謝を伝えるための会食へと役割が変化しています。
喪主にとっては葬儀の締めくくりであり、参列者にとっては故人を偲ぶ大切な時間です。
準備や挨拶、席順などのマナーを守ることはもちろん重要ですが、最も大切なのは故人を偲び、参列者へ感謝を伝える心です。
葬儀の形式や地域の慣習によって、精進落としのあり方も異なります。
例えば、伊勢地方や千葉、東京といった地域ごとにも細かな違いが見られることがあります。
この記事で解説した内容を参考に、それぞれの状況に応じた心のこもった対応を心がけましょう。
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