喪中の新年の挨拶はどうする?ライン・はがき・寒中見舞いの例文と返信マナー
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- 新着 更新日:2025.12.01
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喪中の新年の挨拶はどうする?ライン・はがき・寒中見舞いの例文と返信マナー

身内に不幸があった際に迎える年末年始は、新年の挨拶をどのようにすべきか迷うことが多いものです。
喪中の挨拶には特有のマナーがあり、年賀状の代わりとなる寒中見舞いや、近年増えているラインでの返信方法など、状況に応じた対応が求められます。
この記事では、喪中におけるはがきやラインでの挨拶マナー、具体的な返信の例文を紹介し、相手に失礼なく、かつ自分の気持ちも伝えられる方法を解説します。
喪中の場合、新年の挨拶は控えるのが基本マナー
近親者が亡くなってから一定期間、故人を偲び身を慎む「喪中」の期間は、お祝い事を避けるのが習わしです。
そのため、喪中の場合、「おめでとうございます」という言葉を含む新年の挨拶は控えるのが基本的なマナーとされています。
年賀状を送らない代わりに、事前に喪中はがき(年賀欠礼状)を送り、「喪中のため、年始のご挨拶は控えさせていただきます」と伝えるのが一般的です。
これは、相手に年賀状の準備をさせないための配慮でもあります。
そもそも喪中とは?故人を偲ぶ期間のこと
喪中とは、近しい身内が亡くなった際に、故人の死を悼み、冥福を祈るために身を慎む期間のことを指します。
この期間は、お祝い事や派手な行動を避け、故人を偲びながら過ごすのが慣例です。
一般的に、喪中は家族や親族が深い悲しみから日常を取り戻すための大切な時間とされており、結婚式への出席や新年の祝賀といった慶事を自粛します。
故人との関係性によって喪中とする範囲や期間は異なりますが、故人を大切に思う気持ちを表す日本の文化的な習慣として根付いています。
喪中の期間はいつからいつまで?一般的には一周忌まで
喪中の期間は、故人が亡くなった日から始まり、一般的には一周忌法要が終わるまでの一年間とされています。
ただし、これはあくまで目安であり、法律で定められているわけではありません。
喪中とする親族の範囲は、一般的に自分から見て2親等以内(父母、配偶者、子、兄弟姉妹、祖父母、孫)とされていますが、故人との関係の深さによって判断は異なります。
例えば、同居していた祖父母が亡くなった場合は喪中とする一方、遠方で疎遠だった場合は喪中としないなど、個々の事情や気持ちに応じて判断することが可能です。
忌中との違いは?より慎んで過ごす期間
喪中と混同されやすい言葉に「忌中」があります。
忌中とは、故人が亡くなってから四十九日の法要まで、神道の場合は五十日祭までの期間を指します。
この期間は、死の穢れ(けがれ)が身近にあるとされ、喪中の中でも特に身を慎むべき時期と考えられています。
そのため、結婚式や祝賀会といった慶事への出席はもちろん、神社への参拝も控えるのがマナーです。
忌中が明けると喪中の期間に入り、忌中ほど厳格な制約はなくなりますが、引き続きお祝い事は避けて静かに過ごすのが一般的です。
喪中に新年の挨拶が届いたときの返信マナーと例文
喪中であることを知らない方から、年賀状やLINEなどで新年の挨拶が届くことがあります。
喪中の人から返事がないと、相手は何かあったのかと心配するかもしれません。
そのため、喪中に新年の挨拶を受け取った際は、相手の心遣いに感謝しつつ、マナーに沿った返信をすることが望ましいです。
ここでは、年賀状やメールなど、挨拶が届いた手段に応じた返信マナーと、喪中の相手に配慮した文例を紹介します。
年賀状を受け取ったら「寒中見舞い」で返信する
喪中に年賀状を受け取った場合は、年が明けて松の内が過ぎてから「寒中見舞い」として返信するのがマナーです。
寒中見舞いは、年賀状の代わりとして、季節の挨拶状の役割を果たします。
その中で、年賀状をいただいたことへのお礼、喪中であったために年始のご挨拶を控えさせていただいた旨、そして故人の情報を簡潔に伝えるのが一般的です。
この連絡により、相手は事情を理解し、今後のやり取りに配慮してくれるようになります。
返信は、受け取ってからあまり時間を空けずに行うのが望ましいです。
寒中見舞いを出す時期は松の内が明けてから
寒中見舞いを出すタイミングは、新年の飾り付けをしておく「松の内」が明けてから、立春(2月4日ごろ)までの間とされています。
松の内の期間は地域によって異なり、関東では1月7日まで、関西では1月15日までが一般的です。
相手が住んでいる地域の松の内が明けるのを待ってから投函すると、より丁寧な印象を与えられます。
年賀状への返信として出す場合は、1月中には相手に届くように手配すると良いでしょう。
この時期を過ぎてしまった場合は、「余寒見舞い」として立春以降に出すことも可能です。
寒中見舞いはがきは年賀はがきを避けて選ぶ
寒中見舞いを送る際には、使用するはがきの種類に注意が必要です。
年賀状への返信であっても、お祝い事を意味する「賀」の文字が入った年賀はがきや、お年玉付きの年賀はがきを使うのはマナー違反です。
代わりに、通常の官製はがきや、落ち着いたデザインの私製はがきを選びましょう。
デザインは、冬を連想させる雪の結晶や椿、水仙といった絵柄が一般的ですが、色合いが派手なものは避け、シンプルで控えめなものを選ぶのが望ましいです。
切手も、慶事用ではなく通常の普通切手を使用します。
【文例】相手別の寒中見舞いの書き方
寒中見舞いの挨拶文は、相手との関係性に合わせて調整します。
基本的な構成は、①時候の挨拶、②年賀状へのお礼、③喪中であったことの報告とお詫び、④相手の健康を気遣う言葉、⑤日付となります。
例えば、一般的な文例としては、「寒中お見舞い申し上げます ご丁寧な年始のご挨拶をいただきありがとうございました 昨年(月)に(続柄)が永眠いたしましたため年頭のご挨拶は控えさせていただきました ご連絡が遅くなり大変申し訳ございません 寒い日が続きますがどうぞご自愛ください」といった形になります。
LINEやメールで挨拶が来た場合は返信してもOK
親しい友人や同僚からLINEやメール、SNSで「あけましておめでとう」といったメッセージが届いた場合、そのまま同じツールを使って返信しても問題ありません。
むしろ、返信しないことで相手を心配させてしまう可能性があるため、挨拶へのお礼と近況を伝えるのが親切です。
ただし、はがきと同様に、お祝いの言葉である「おめでとう」という表現は避けるのがマナーです。
相手が気軽に送ってくれた挨拶に対しては、こちらもあまり堅苦しくなりすぎず、普段に近い形で返信する方が自然な場合もあります。
返信する際に避けるべき「おめでとう」などの言葉
喪中に新年の挨拶へ返信する際は、お祝いを意味する言葉を使わないように注意が必要です。
「あけましておめでとうございます」や「謹賀新年」、「賀正」といった賀詞は一切使用しません。
これらの言葉の代わりとして、「新年のご挨拶をいただきありがとうございます」や「昨年は大変お世話になりました」といった表現を用いるのが適切です。
「おめでとう」という言葉も同様に避けるべきです。
相手のメッセージに含まれていても、自分の返信には使わないようにします。
相手の新年を祝う気持ちは受け止めつつも、自身の状況に配慮した言葉を選ぶことが重要です。
【文例】相手との関係性に合わせた返信メッセージ
LINEやメールで返信する際のメッセージは、相手との関係性に応じて内容を調整します。
例えば、親しい友人には、「あけおめメッセージありがとう!実は昨年祖父が亡くなって、新年の挨拶は控えているんだ。今年もよろしくね」のように、簡潔に事情を伝えることができます。
一方、上司や目上の方には、「年始のご挨拶をいただき、誠にありがとうございます。昨年中に身内に不幸がありましたため、新年のご挨拶は控えさせていただいております。旧年中は大変お世話になりました。本年も変わらぬご指導のほど、よろしくお願い申し上げます」といった丁寧な文章が望ましいです。
すでに喪中はがきを送った相手への返信は不要
事前に喪中はがき(年賀欠礼状)を送った相手から、何らかの行き違いで年賀状が届くことがあります。
これは、相手が喪中はがきを見る前に年賀状を投函してしまった、あるいは見落としてしまったなどの理由が考えられます。
このような場合、基本的には改めて返信する必要はありません。
すでに年賀欠礼の旨は伝えているため、重ねて連絡をすると、かえって相手に気を遣わせてしまう可能性があるからです。
もし気になるようであれば、寒中見舞いを送っても構いませんが、その際は行き違いになったことには触れず、年賀状へのお礼を伝える程度に留めるのが良いでしょう。
喪中期間に自分から新年の挨拶を伝えたい場合の例文
喪中であっても、旧年中にお世話になった方へ感謝の気持ちを伝えたり、年始のご挨拶をしたいと考えることもあるでしょう。
喪中のため新年の挨拶は控えるのが基本ですが、お祝いの言葉を避けるなどのマナーを守れば、自分から挨拶を伝えることは可能です。
その際は、年賀状ではなく「寒中見舞い」や「年始状」といった形を取ります。
LINEやメールなど、相手との関係性に応じた方法で、感謝や今年も変わらぬお付き合いをお願いする気持ちを伝えましょう。
はがきで送るなら「寒中見舞い」として送る
喪中に自分から挨拶状を送る場合は、「寒中見舞い」として送るのが最も一般的です。
松の内が明けてから立春までの間に届くように準備します。
文面には「おめでとう」などの賀詞は使わず、「寒中お見舞い申し上げます」といった時候の挨拶から書き始めます。
そして、旧年中にお世話になったことへの感謝や、相手の健康を気遣う言葉、今年も変わらぬお付き合いをお願いする言葉などを綴ります。
喪中であることに触れる必要は必ずしもありませんが、もしお歳暮などの贈り物をいただいていた場合は、そのお礼を兼ねて出すのも良いでしょう。
LINEやメールで伝えるときのメッセージ文例
親しい間柄の相手であれば、LINEやメールで年始の挨拶を伝えても差し支えありません。
この場合も、お祝いの言葉は避け、「昨年は大変お世話になりました本年もどうぞよろしくお願いいたします」といったメッセージが基本です。
お正月らしい華やかなスタンプや、「あけおめ」といった言葉が含まれるスタンプの使用は控えるのが無難です。
喪中であることに触れる場合は、「昨年、母が他界したため年始のご挨拶は控えさせていただきましたが、本年も変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします」のように、簡潔に伝えると相手も理解しやすいです。
【関係性別】友人・上司など相手に合わせた挨拶のポイント
挨拶の文面や伝え方は、相手との関係性によって調整することが大切です。
親しい友人や友達には、あまり堅苦しくならず、普段のコミュニケーションに近い形で気持ちを伝えます。
「昨年は色々ありがとう。今年もよろしくね」といったシンプルなメッセージでも十分です。
一方、上司や目上の方に対しては、丁寧な言葉遣いを心がけます。
「旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。本年もご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます」のように、敬意を示す表現を用いるのが適切です。
いずれの場合も、お祝いの言葉を避けるという基本は守ります。
事前に喪中を知らせる「喪中はがき」の準備
喪中に年末年始を迎えることが分かっている場合、事前に「喪中はがき」を送るのが最も丁寧な対応です。
喪中はがきは「年賀欠礼状」とも呼ばれ、「喪中のため、新年のご挨拶を失礼させていただきます」ということを、年賀状のやり取りがある相手に前もって知らせるためのものです。
これにより、相手は年賀状を用意する手間が省け、また、こちらが年賀状を送らなくても失礼にあたりません。
お互いへの配慮として、忘れずに準備することが望ましいです。
喪中はがきはいつまでに出す?11月中旬から12月上旬が目安
喪中はがきを送るタイミングは、相手が年賀状の準備を始める前が理想的です。
具体的には、11月中旬から、遅くとも12月上旬までには相手に届くように投函するのが一般的です。
郵便局が年賀状の引き受けを開始する12月15日より前に届いていれば、相手が年賀状を書いて投函してしまう前にお知らせできます。
年末ぎりぎりに不幸があった場合は、喪中はがきの準備が間に合わないため、無理に出す必要はありません。
その際は、年が明けてから寒中見舞いなどで報告と挨拶をすれば失礼にはあたらないです。
喪中はがきに記載する基本的な内容
喪中はがきには記載すべき基本的な項目があります
まず年賀状を欠礼する旨を伝える挨拶文を記します
次に誰が続柄氏名いつ何歳で亡くなったのかを簡潔に記載します
死因などの詳しい理由を書く必要はありません
続いて生前お世話になったことへの感謝の言葉や相手の健康を気遣う言葉などを添えます
最後に日付年と月のみ差出人の氏名住所連絡先を明記します
伝統的には句読点を使用しないのが慣例ですが最近では読みやすさを重視して用いることも増えています
【文例】喪中はがきの基本的な書き方
喪中につき年末年始のご挨拶を謹んでご遠慮申し上げます
本年(月)に(続柄)(故人名)が(享年)にて永眠いたしました
ここに本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますとともに
明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
なお時節柄ご自愛のほどお祈り申し上げます
令和〇年十二月 (差出人住所・氏名)
喪中の新年の挨拶に関するよくある質問
喪中における新年のご挨拶については、はがきのやり取り以外にもさまざまな疑問が生じることがあります。
例えば、ビジネスシーンでの挨拶はどうすれば良いのか、初詣や年末の挨拶、お正月行事はどうしたらよいのか、などです。
個別の状況によって判断に迷うことも少なくありません。
ここでは、喪中の年末年始の過ごし方に関して、多くの方が抱く疑問点とその一般的な対応方法について解説します。
職場や取引先などビジネス上の挨拶はどうする?
仕事関係の挨拶は、個人の事情とは切り離して考えるのが一般的です。
会社として取引先へ送る年賀状は、担当者が喪中であっても通常通り送ります。
社内や社外の人と対面で会う際も、「あけましておめでとうございます」という言葉は避け、「本年もよろしくお願いいたします」と挨拶を交わすのが無難です。
個人的に年賀状のやり取りをしている仕事関係者へは、事前に喪中はがきを送っておくと丁寧です。
直接挨拶をする際は、喪中であるとわざわざ伝える必要はなく、普段通りに接するのが望ましいです。
神社への初詣は行ってもいい?参拝は控えるのが一般的
神道では死を「穢れ」と捉えるため、喪中の期間、特に忌中(四十九日まで)は神社への参拝や鳥居をくぐることは控えるのが一般的です。
忌明け後であれば問題ないとする考え方もありますが、地域の慣習や神社の考え方によっても異なります。
一方、仏教では死を穢れとしないため、お寺への初詣は喪中であっても問題ないとされています。
キリスト教や海外の宗教では、そもそも喪中という概念がないため、それぞれの教えに従います。
自身の考えや家族の意向も踏まえて判断することが重要です。
年末の「よいお年を」という挨拶は使っていい?
年末に交わされる「よいお年を」や「よいお年をお迎えください」という挨拶は、新年のお祝いを意味する言葉ではないため、喪中に使っても問題ありません。
これは、相手が素晴らしい新年を迎えられるようにという願いを込めた表現であり、おめでたい意味合いは含んでいないと解釈されています。
もし相手から言われた場合も、同様に返して差し支えありません。
気になるようであれば、「今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします」のように、年末の感謝と来年への挨拶を述べる形でも良いでしょう。
お正月飾りやおせち料理など新年の祝い事は避けるべき?
喪中の期間は、お祝い事を避けるという考えから、門松やしめ縄、鏡餅といったお正月飾りは飾らないのが一般的です。
おせち料理も本来はお祝いの食事であるため、控えるべきとされています。
ただし、近年では家族で静かに食事をする分には問題ないという柔軟な考え方も広がっています。
子供へのお年玉も、「おめでとう」という気持ちを表すものなので、「お年玉」という名目は避け、「おこづかい」や「書籍代」として渡すのが良いとされています。
各家庭の考え方や状況に合わせて対応を決めます。
まとめ
喪中における新年の挨拶は、お祝いの言葉を避け、故人を偲ぶ気持ちを尊重することが基本です。
年賀状は出さず、事前に喪中はがきで知らせるか、年明けに寒中見舞いで対応します。
LINEやメールでの挨拶には、相手への感謝を伝えつつ、お祝いの言葉を控えて返信するのがマナーです。
職場での挨拶や年末の挨拶など、状況に応じて柔軟な対応が求められます。
マナーは相手への配慮の表れであり、形式に縛られすぎる必要はありません。
挨拶を過度に遠慮することなく、穏やかな気持ちで新年を迎えることが望まれます。
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