お通夜のマナーと流れ、参列時の服装・持ち物・数珠や言葉遣いを解説
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お葬式・法要の知識・マナー
- 新着 更新日:2025.12.19
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お通夜のマナーと流れ、参列時の服装・持ち物・数珠や言葉遣いを解説

お葬式に関する基本知識は、普段の生活ではあまり意識することがないため、いざ訃報を受けた際に戸惑うものです。
特に通夜は、故人との最後の夜を過ごす大切な儀式であり、正しいマナーで参列することが求められます。
葬式の流れやルールを事前に把握しておくことで、遺族に対しても失礼のない振る舞いが可能です。
本記事では、急な参列でも慌てないために必要な服装や持ち物、葬儀の場での言葉遣いについて詳しく解説します。
お通夜という儀式の意味と役割
通夜とは、葬儀や告別式の前夜に行われる儀式であり、遺族や親しい人々が故人と夜通し過ごし、別れを惜しむ場です。
本来は一晩中ろうそくや線香の火を絶やさずに見守るものでしたが、現代では夕方から1〜2時間程度で行われる「半通夜」が一般的になりました。
葬儀の流れと役割を理解し、故人の霊を慰めるという本質的な意味を忘れないことが重要です。
形式にとらわれすぎず、故人を偲ぶ気持ちを持って参列しましょう。
故人との別れを惜しむ通夜の目的
通夜の最大の目的は、故人のそばで過ごせる最後の時間を大切にすることです。
かつては家で執り行われることが多く、家族や親族、特に深い縁のあった身内だけで夜を明かしていました。
現代の斎場で行われる形式においても、この精神は受け継がれています。
遺族にとっては、慌ただしい葬儀の準備の中で、故人と静かに対面できる貴重な時間でもあります。
参列者はそのような遺族の心情を汲み取り、静粛な態度で故人を見送る姿勢が求められます。
葬儀や告別式との違い
通夜と葬儀・告別式は、それぞれ異なる意味を持っています。
葬儀は宗教的な儀式としての側面が強く、僧侶による読経や引導渡しが行われます。
一方、告別式は社会的なお別れの場として位置づけられており、友人や知人、会社関係者などが焼香や献花を行います。
通夜はもともと親族中心の集まりでしたが、日中に行われる告別式への参列が難しい人が、仕事帰りに通夜へ駆けつけるケースも増えました。
法要としての厳格さを保ちつつも、通夜は比較的参列しやすい場となっています。
参列すべきか迷ったときの判断基準
通夜に参列すべきか悩む場合は、故人との関係性を基準に判断します。
親族や親しい友人はもちろん、特にお世話になった恩人であれば駆けつけるのが礼儀です。
一方で、会社関係や知人程度の間柄であれば、通夜ではなく告別式のみに参加することもあります。
また、近年増えている家族葬の場合は、遺族の意向を最優先しなければなりません。
案内状に「参列辞退」の旨が記載されている場合は、無理に訪問せず、喪主や遺族の親族のみで見送る時間を尊重しましょう。
お通夜参列にふさわしい服装の選び方
通夜への参列では、急な訃報を受けて駆けつける場合もあるため、服装マナーには一定の柔軟性があります。
しかし、遺族への弔意を表すためには、場にふさわしい服装を心がけることが欠かせません。
基本的には準喪服と呼ばれるブラックスーツやブラックフォーマルを着用しますが、状況によっては平服(略喪服)での参列も許容されます。
ここでは、喪服や礼服の選び方、スーツの着こなしなど、参列の際に気をつけるべきポイントを解説します。
急なお通夜で平服を着用する際の注意点
訃報を受けて職場から直接会場へ向かう場合など、喪服の準備が間に合わないときは平服(略喪服)での参列も可能です。
「平服」といっても普段着ではなく、地味な色味のスーツやワンピースを指します。
男性ならダークグレーや濃紺のスーツ、女性なら黒や紺のアンサンブルなどが適しています。
派手な柄物や光沢のある服、露出の多い服装は避けなければなりません。
急いで駆けつけたという意味合いが含まれる通夜の服装であっても、故人を偲ぶ場にふさわしい落ち着いた装いを心がけましょう。
男性の準喪服におけるネクタイや靴の選び方
男性が準喪服を着用する場合、ブラックスーツに白無地のワイシャツを合わせるのが基本です。
ネクタイは黒無地を選び、結び目のくぼみ(ディンプル)を作らずに結びます。
ネクタイピンは不要です。
足元に関しては、金具のない黒の革靴を選び、内羽根式のストレートチップやプレーントゥが最も格式高いとされています。
エナメル素材や動物の型押しは殺生を連想させるため避けましょう。
靴下も黒無地で統一し、肌が見えない丈のものを用意するのが男の身だしなみです。
女性の準喪服におけるストッキングや靴の選び方
女性の準喪服では、黒のワンピースやアンサンブルを着用し、肌の露出を極力抑えます。
足元は薄手の黒いストッキング(30デニール以下)を着用するのがマナーで、厚手のタイツや柄物は不適切とされていますが、寒冷地や冬場の参列では例外的に許容されることもあります。
靴はシンプルな黒のパンプスを選び、ヒールの高さは3〜5cm程度が適切です。
また、夏であっても素足は厳禁であり、手袋に関しては、焼香の際には外すのが基本ルールとなっています。
子供や学生が参列する場合の服装ルール
子供や学生が参列する場合は、学校の制服が正式な礼装となります。
制服があれば、明るい色やチェック柄が含まれていても問題ありません。
制服がない幼児や小学生の場合は、黒や紺、グレーなどの落ち着いた色の服を選びます。
男の子ならブレザーにズボン、女の子ならワンピースなどが無難です。
キャラクターが大きくプリントされたものや、光る靴などは避けます。
子供であっても、場の雰囲気に合わせた節度ある装いをさせることが保護者の務めです。
メイクや髪型など身だしなみの注意点
服装だけでなく、メイクや髪型などの身だしなみも重要です。
メイクは「片化粧」と呼ばれる薄化粧を心がけ、口紅やチークは控えめな色にします。
髪型は清潔感を保ち、長い髪は耳より下の位置で一つにまとめます。
アクセサリーは結婚指輪以外外すのが基本ですが、一連のパールネックレスやイヤリングは着用可能です。
二連以上のものは「不幸が重なる」とされるためマナー違反となります。
冬場はコートやマフラーを着用しますが、会場に入る前に脱ぐのが礼儀です。
マスク着用時は白や黒を選びましょう。
お通夜参列に必要な持ち物の準備
通夜に参列する際は、心構えだけでなく物理的な準備も必要です。
香典や数珠など、葬儀特有のアイテムは日常的に使うものではないため、いざという時に見当たらないことがあります。
忘れ物をすると、受付や焼香の場面で焦ってしまい、落ち着いてお別れができません。
ここでは、一般的に参列者に求められる持ち物や、宗派によって異なるアイテムの扱いについて確認していきます。
数珠やハンカチなど必須の持ち物
参列時の必須アイテムとして、数珠とハンカチが挙げられます。
ハンカチは白または黒の無地を用意し、色柄物は避けます。
涙を拭うだけでなく、ひざ掛け代わりとしても使用可能です。
数珠は仏式の場合に必要となりますが、ろうそくや線香は通常会場に用意されているため、参列者が持参する必要はありません。
ただし、自身の宗派にこだわりがある場合や、手元供養のために特別なものを使いたい場合は例外ですが、基本的には会場のものを使います。
雨天時は傘も必要ですが、地味な色を選びましょう。
自分の宗派に合わせた数珠の選び方
数珠には「本式数珠」と「略式数珠」があります。
本式数珠は各宗派で定められた正式な形状をしており、信徒であれば自分の宗派のものを持参します。
一方、略式数珠は宗派を問わず使用できる片手用の数珠で、一般の参列者が持つにはこちらが便利です。
素材は木製や水晶、オニキスなど様々ですが、男性用は大玉、女性用は小玉で作られていることが一般的です。
初めて購入する場合は、どの宗派の葬儀でも使える略式数珠を選んでおくと安心です。
宗派ごとに異なる数珠の持ち方や扱い
数珠の持ち方は宗派やお寺によって作法が異なります。
基本的には、移動中は左手の親指と人差し指の間にかけて持ち、房を下に垂らします。
合掌する際は、両手の親指以外の指に通して手を合わせるか、親指と人差し指の間にかけて挟むようにします。
浄土真宗や日蓮宗など、特定の宗派では数珠の巻き方や持ち方に厳密な決まりがありますが、一般参列者の場合は、自身の宗派の持ち方か、周囲に合わせた持ち方で失礼にはなりません。
大切に扱い、畳や椅子の上に直接置かないように注意します。
香典を包む袱紗(ふくさ)の色や包み方
香典袋はそのまま持参せず、必ず袱紗(ふくさ)に包んで持ち運びます。
弔事では、紺、深緑、灰青、紫などの寒色系の袱紗を使用します。
紫色は慶弔両用として使えるため、一つ持っておくと便利です。
包み方は「左包み」が基本で、袱紗の中央に香典袋を表向きに置き、右、下、上、左の順に畳みます。
最後に左側が一番上にくるようにすることで、悲しみの意を表します。
受付で渡す直前に袱紗から取り出し、相手が文字を読める向きにして差し出します。
香典の準備における相場や書き方のマナー
香典は故人への供養の気持ちを表すとともに、遺族の経済的負担を助ける相互扶助の意味合いも持ちます。
金額が少なすぎると失礼にあたりますが、多すぎても遺族に気を遣わせてしまうため、適切な相場を知ることが大切です。
また、香典袋の書き方やお金の入れ方にも厳格な礼儀が存在します。
ここでは、故人との関係性に応じた金額の目安や、宗教に合わせた袋の選び方について解説します。
故人との関係性による香典の金額相場
香典の金額は、故人との血縁関係や親密度、自身の年齢によって変動します。
一般的な目安として、両親の場合は5万円〜10万円、兄弟姉妹は3万円〜5万円、祖父母は1万円〜3万円程度です。
親族以外の知人や友人の場合は5千円〜1万円、職場関係や近所の方の香典であれば3千円〜5千円が相場とされています。
また、偶数は「割り切れる=縁が切れる」と連想されるため避け、奇数の金額(1万円、3万円など)を包むのがマナーです。
「4」や「9」のつく金額も忌み数として避けます。
宗教に合わせた不祝儀袋の選び方と表書き
香典を入れる不祝儀袋は故人の宗教や宗派に合わせて選びます。
仏式では四十九日までは「御霊前」、四十九日以降は「御仏前」とするのが一般的ですが、浄土真宗では即身成仏の教えから通夜・葬儀の段階でも「御仏前」を使用します。
宗派が不明な場合は「御霊前」を用いるのが無難です。
神道では「御玉串料」や「御榊料」、キリスト教では「御花料」と書きます。
水引は黒白または双銀の結び切りを選び、二度と繰り返さないという意味を込めます。
中袋への住所氏名の書き方とお札の入れ方
香典袋の中袋には、遺族が後で整理しやすいように、住所、氏名、金額を正確に記入します。
表側の中央に金額を「金壱萬圓」のように旧字体の漢数字で書き、裏側の左下に住所と氏名を書きます。
筆ペンや毛筆を使い、薄墨で書くのが正式なマナーです。
お札を入れる際は、お札の肖像画が裏側(袋の裏面)を向き、かつ下側に来るように入れます。
これは「顔を伏せて悲しみを表す」という意味があります。
新札は避け、適度に使用感のあるお札を用意するか、新札に折り目をつけて入れます。
受付でお悔やみを述べて香典を渡す手順
会場に到着したら、まずは受付に向かいます。
帽子やコートは事前に脱ぎ、一礼してから係員にお悔やみの言葉を述べます。
言葉は「この度はご愁傷様です」と手短に伝えましょう。
次に袱紗から香典袋を取り出し、袱紗を畳んで受付台の上に置きます。
その上に香典袋を乗せ、相手が文字を読める向き(反時計回りに回す)にして「御霊前にお供えください」と一言添えて両手で渡します。
その後、芳名帳への記帳を行いますが、代理参列の場合は本人の名前を書き、下に「(代)」と添えるのが正しい方法です。
参列当日の受付から退場までの流れ
通夜当日は、受付から焼香、退場まで一連の流れが決まっています。
特に遠方から参列する場合や、東京などの大規模な斎場で行われる場合は、人の多さや会場の広さに圧倒されるかもしれません。
ホテルでお別れの会として催される場合も、基本的な振る舞いは同様です。
無事に参列を終えるためには、各場面での動きを予習しておくことが助けになります。
ここでは、会場到着から通夜振る舞いまでの具体的な行動指針を紹介します。
会場到着から受付を済ませるまでの手順
会場には開式の30分前を目安に到着するようにします。
早すぎると準備中の遺族や受付係の負担になる可能性がありますが、親族としてお手伝いを頼まれている場合は、指定された時間(例えば1時間前など)に集合します。
到着後は速やかに受付を済ませ、携帯電話の電源を切るかマナーモードに設定します。
冬場はコート類をクロークに預けるか、手元に持つ場合は邪魔にならないように畳んでおきます。
トイレなどもこのタイミングで済ませておくと安心です。
会場への入室から着席までの振る舞い
受付を済ませたら、係員の案内に従って式場内に入室します。
祭壇に近い前方の席は遺族や親族が座るため、一般参列者は後方の席から順に詰めて座ります。
知人と会っても大声で話しかけたり、挨拶回りをしたりするのは控え、目礼程度に留めます。
開式までの間は、静かに故人を偲びながら待ちます。
読経が始まる直前になると僧侶が入場するため、参列者は着席したまま、または軽く会釈をして迎えることが一般的です。
読経中の姿勢や焼香へ進むタイミング
読経中は、背筋を伸ばして静聴し、私語や物音を立てないように注意します。
数珠は左手に持ち、いつでも合掌できるように準備しておきます。
焼香は、喪主、遺族、親族の順に行われ、その後一般参列者へと回ってきます。
係員から案内があったら、席を立ち焼香台へと進みます。
自分の番が来るまでは席を立たず、静かに待つのがマナーです。
焼香が終わった後は、係員の誘導に従って元の席に戻るか、そのまま退場して通夜振る舞いの席へ移動します。
通夜振る舞いに案内された際の対応
通夜の閉式後、別室で食事や飲み物が振る舞われることがあります。これを「通夜振る舞い」と呼び、故人への供養とともに、参列者への接待の意味も兼ねています。案内された場合は、一口でも箸をつけるのが供養となるとされているため、できるだけ参加しましょう。
ただし、遺族は疲れが溜まっているため、長居は避けるのが良いとされています。退席する際はお見送りの遺族に一礼して静かに会場を後にします。辞退する場合も、丁寧に挨拶をしてから帰ります。
宗派や形式に応じた焼香の作法
焼香はお香を焚いてその香りで自らを清め故人に供える儀式です
仏式葬儀では最も重要な作法の一つですが会場の設備や宗派によって手順が異なります
正しいお焼香のやり方を知っておくことで慌てることなく心を込めてお祈りできます
ここでは立って行う形式座って行う形式席で回す形式のそれぞれの基本動作とキリスト教や神式の場合の違いについて解説します
参列時の焼香の不安を解消しましょう
立ったまま行う立礼焼香の基本手順
斎場やホールで行われる葬儀の多くは、椅子席で立って行う「立礼焼香」です。
順番が来たら焼香台の少し手前まで進み、遺族と僧侶に一礼します。
その後、焼香台の前に進み、遺影に一礼してから焼香を行います。
右手の親指、人差し指、中指で抹香をつまみ、額の高さまで持ち上げて(押しいただく)香炉にくべます。
回数は宗派によりますが、1〜3回が一般的です。
最後に合掌し、遺影に一礼した後、数歩下がってから遺族に再度一礼して席に戻ります。
畳の上で行う座礼焼香の基本手順
寺院や自宅などの畳敷きの会場では、座って行う「座礼焼香」が行われます。
焼香台までは中腰で移動するか、膝行(しっこう:膝をついたまま進む動作)で進みます。
焼香台の手前で座り、遺族と僧侶に一礼した後、膝を使って台の正前に進みます。
焼香の手順自体は立礼と同じですが、全ての動作を正座した状態で行います。
終わったら膝行で少し下がり、遺族に一礼してから立ち上がり、席に戻ります。
立ち上がる際も、中腰で静かに移動することを意識します。
席で行う回し焼香の受け渡し方法
会場が狭い場合や参列者が多い場合、香炉と抹香が載ったお盆を隣の人へ回していく「回し焼香」が行われることがあります。
お盆が回ってきたら、まず前の人から軽く一礼して受け取ります。
自分の膝の前(椅子席なら膝の上)に置き、遺影に向かって一礼してから焼香を行います。
焼香手順は通常と同じです。
終わったら合掌し、次の人に回します。
その際も軽く会釈をして渡すのがマナーです。
お盆は丁寧に扱い、こぼさないように注意しましょう。
焼香の回数や作法における宗派別の違い
焼香の回数や作法は宗派によって異なります。
例えば、真言宗は3回、曹洞宗は2回(1回目は押しいただき、2回目はそのまま)、浄土真宗本願寺派は押しいただかずに1回とされています。
しかし、参列者が多い場合は「1回焼香」と案内されることもあり、その際は案内に従います。
また、仏式以外では作法が全く異なります。
神式では「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」を行い、二礼二拍手一礼(音は立てない忍び手)をします。
キリスト教(カトリックやプロテスタント)では「献花」が行われ、白い花を祭壇に捧げます。
遺族に対するお悔やみの言葉遣い
通夜の席で遺族と言葉を交わす際、どのような挨拶をすべきか悩むものです。
悲しみの中にいる遺族に対しては、励ましよりも共感と労わりの気持ちを伝えることが大切です。
また、葬儀の場には特有の「忌み言葉」があり、普段何気なく使っている言葉でもマナー違反になることがあります。
ここでは、受付や対面時にかける適切なお悔やみの言葉と、避けるべき表現について具体的に解説します。
受付や遺族へ伝えるお悔やみの言葉
受付や遺族に対しては、短く心のこもった言葉を伝えます。
定番の「この度はご愁傷様です」や「お悔やみ申し上げます」が最も無難で適切です。
「突然のことで言葉もありません」や「心より哀悼の意を表します」なども使えます。
大切なのは、長々と話し込まないことです。
遺族は多くの対応に追われ、心身ともに疲弊しています。
挨拶は簡潔に済ませ、目礼や会釈で気持ちを伝えるだけでも十分な配慮となります。
葬儀の場で避けるべき忌み言葉の例
葬儀の場では、不幸が続くことを連想させる「忌み言葉」を避けるのがマナーです。
「たびたび」「ますます」「重ね重ね」「次々」といった重ね言葉は、不幸が繰り返されるという意味につながるため厳禁です。
また、「死ぬ」「生きる」といった直接的な表現も避け、「ご逝去」「生前」などの言葉に言い換えます。
「頑張ってください」といった励ましの言葉も、すでに気丈に振る舞っている遺族にとっては負担になることがあるため、控えるべきです。
宗教や宗派によって異なる挨拶表現
宗教によっても適切な挨拶が変わります。
仏教では「成仏」「供養」「冥福」といった言葉が使われますが、浄土真宗では「冥福を祈る」とは言わず「哀悼の意を表します」とします。
神道やキリスト教では、そもそも「成仏」や「供養」という概念がありません。
神道では「御霊のご平安をお祈りします」、キリスト教では「安らかな眠りをお祈りします」や「神の御許に召されました」といった表現を用います。
相手の宗教がわからない場合は、「哀悼の意を表します」や「お寂しくなりますね」といった宗教色のない言葉を選ぶのが賢明です。
遅刻や欠席をする場合の対応方法
仕事や遠方からの移動など、やむを得ない事情で通夜の開始時間に間に合わない、あるいは欠席せざるを得ないこともあります。
遅刻や欠席がマナー違反にならないためには、事前の連絡や代替手段の手配が重要です。
ここでは、遅れて到着した場合の会場への入り方や、参列できない場合の弔意の伝え方、後日改めて弔問に伺う際のマナーについて解説します。
お通夜に遅刻した際の会場への入り方
通夜は一般的に18時〜19時頃から始まりますが、仕事などで開始時刻に間に合わない場合でも、1時間程度の遅れなら参列可能なことが多いです。
例えば18時開式で19時頃に到着する場合、まだ焼香を受け付けている可能性があります。
到着したら係員に遅刻した旨を伝え、静かに入場して焼香だけさせてもらいます。
ただし、20時や21時を過ぎるような大幅な遅刻になる場合は、遺族が控室に戻っている可能性が高いため、無理に参列せず翌日の葬儀・告別式への参列を検討するか、会場へ事前の確認を入れましょう。
参列できない場合の弔電や供花の手配
どうしても通夜や葬儀に参列できない場合は、弔電を送って弔意を伝えます。
弔電は通夜の前までに届くように手配するのが基本です。
また、供花やお供え物を送る方法もあります。
供花の手配は葬儀社に依頼するのが確実で、会場の統一感を損なわないように配慮されます。
「花」を送る際は、故人の宗教に合わせた種類を選ぶことが大切です。
これら手配をする際は、宛名を喪主名にし、差出人を明確に記載します。
後日改めて弔問に伺う際のマナー
葬儀が終わった後、日を改めて自宅へ弔問に伺うのも丁寧な対応です。
ただし、葬儀直後は遺族が疲れているため、四十九日までの間など、少し落ち着いた時期を見計らって訪問します。
訪問前には必ず連絡を入れ、遺族の都合を確認します。
服装は喪服ではなく、地味な平服で構いません。
手土産として、日持ちするお菓子や線香、故人が好きだったものなどを持参し、仏前にお参りさせてもらいます。
長居は避け、遺族を労わる言葉をかけて短時間で失礼するのがマナーです。
まとめ
お通夜への参列は、故人との別れを惜しみ、遺族に寄り添う大切な儀式です。
服装や持ち物、焼香の手順など、守るべきマナーは多岐にわたりますが、最も重要なのは故人を悼む心です。
形式的なルールに囚われすぎて緊張するよりも、基本的な流れを理解した上で、心からの感謝やお悔やみの気持ちを伝えることが何よりの供養となります。
急な訃報にも落ち着いて対応できるよう、本記事で紹介したポイントを参考に準備を整え、失礼のない振る舞いで参列してください。
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