中袋なしの香典袋の書き方とお札の入れ方-会社名や数字のマナー[お葬式]
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- 新着 更新日:2025.12.19
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中袋なしの香典袋の書き方とお札の入れ方-会社名や数字のマナー[お葬式]
![中袋なしの香典袋の書き方とお札の入れ方-会社名や数字のマナー[お葬式]](https://www.aeonlife.jp/storage/columns/403_1.jpg?1766024113)
葬式に参列する際、手元にある香典袋に中袋がついていないことで、どのように記入すればよいか迷うことがあるかもしれません。
中袋なしの香典袋の書き方には特有の作法が存在し、失礼のないよう正しく理解しておくことが求められます。
本記事では、中袋を用いない形式における御香典の表書きや裏書き、お香典を包む際のお札の向きなどについて解説します。
具体的な記入例を交えながら、マナーに沿った準備ができるよう順を追って説明していきます。
中袋がない香典袋を使用してもマナー違反にはならない
市販されている香典袋には封筒が二重になっているタイプとそうでないタイプがありますが、中袋がないものを使用したとしても、ただちに失礼にあたるわけではありません。
一般的に、中袋なしの袋は五千円から一万円程度の比較的少額を包む際に用いられることが多く、地域によっては二重の封筒を「不幸が重なる」として避ける風習も存在します。
そのため、お通夜や告別式の場面で中袋のない袋を使うこと自体は問題ありません。
ただし、金額に見合った袋を選ぶことが重要であり、高額を包む場合には中袋付きの水引が豪華なものを選ぶなど、状況に応じた使い分けが求められます。
四十九日などの法要でも同様に考えられています。
香典袋の表面における名前の書き方
香典袋の表書きは、受け取る遺族が誰からの供え物であるかを一目で確認するための重要な要素です。
中袋の有無にかかわらず、表面には贈り主の名前をはっきりと記入しなければなりません。
個人の場合や会社関係、あるいは複数人での連名など、それぞれの状況に応じて適切な書き方が異なります。
ここでは、どのような立場で香典を出すかによって変わる名前の記入位置やバランス、書式についての基本的なルールを確認していきます。
水引の下段中央に合わせてフルネームを記入する
個人で香典を出す場合の基本的な書き方は、水引の結び目の真下、中央部分に氏名をフルネームで記載することです。
文字の大きさは、上段に書かれている「御霊前」や「御香典」などの表書きよりもやや小さめにすると全体のバランスが整います。
苗字だけでなく名前までしっかりと書くことで、同姓の親戚や知人がいた場合でも遺族が混同することなく整理できます。
筆記用具は筆や筆ペンを使用し、崩しすぎない楷書体で丁寧に書くことが肝要です。
中心線がずれないように意識して配置することで、見た目にも整った美しい印象を与えられます。
会社名を記載する場合は氏名の右上に小さく添える
仕事関係の付き合いで香典を渡す際には、氏名だけでなく会社名を書き添えることで、故人との関係性が遺族に伝わりやすくなります。
この場合、中央に書く氏名の右側に、少し小さめの文字で会社名を記入します。
株式会社などを省略せずに正式名称で書くことがマナーとされており、文字数が多い場合は適度に行を分けるなどしてバランスを調整します。
会社名を入れることで、個人としての参列であっても、どの組織に所属している人物からの香典であるかが明確になり、後日のお礼や整理の際にも役立ちます。
3名までの連名であれば並列して氏名を記入する
職場の同僚や友人同士、あるいは夫婦で香典を出す場合など、複数人の連名にするケースがあります。
3名までであれば、水引の下にそれぞれの氏名を並列して記入します。
並び順には決まりがあり、目上の人を一番右側に書き、順に左へと続けていきます。
特に職位の差がない友人同士などの場合は、五十音順で右から記載すると角が立ちません。
夫婦で連名にする際は、夫の氏名を中央より右寄りにフルネームで書き、その左側に妻の名前のみを添える形式が一般的です。
全体の文字が中央に収まるよう配置を工夫します。
4名以上の連名になる場合は代表者の氏名のみを書く
部署全体やサークル仲間など、4名以上で香典を包む場合には、全員の氏名を表面に書くとスペースが足りず見づらくなってしまいます。
このようなときは、代表者の氏名を中央に書き、その左下に「外一同」と書き添える形式をとります。
あるいは、団体名として「〇〇株式会社営業部一同」のように記すことも可能です。
実際に香典を出した全員の氏名や住所、個別の金額については、別紙の白い便箋などに詳細を記し、香典袋の中に同封します。
これにより、遺族は誰がお金を出したのかを正確に把握でき、返礼の準備もスムーズに進められます。
香典袋の裏面に記入する項目の書き方
中袋がない香典袋を使用する場合、通常は中袋に記載する住所や金額といった情報を、香典袋(上包み)の裏面に直接記入する必要があります。
裏面への記入は、遺族が後日香典返しや御礼状を送る際の手がかりとなるため、正確かつ読みやすく書くことが求められます。
記入欄が印刷されている場合はその枠に従いますが、無地の場合でも書くべき項目と配置には一定の作法があります。
ここでは裏書きに必要な要素とその配置について解説します。
裏面の左下スペースに住所を記入する
中袋なしの香典袋では、裏面の左下部分に贈り主の住所を記入します。
郵便番号も忘れずに記載し、都道府県名から建物名、部屋番号まで省略せずに正確に書くことが望ましいです。
遺族は葬儀後の多忙な中で香典の整理を行うため、住所が不完全だと連絡やお礼をする際に手間取らせてしまう可能性があります。
縦書きで記入するのが一般的であり、文字の大きさは表面の氏名より小さく、かつ読みやすさを損なわないサイズを意識します。
記入欄があらかじめ設けられている場合は、その枠内に収まるように丁寧に記載します。
住所の左側に氏名をフルネームで記入する
表面に氏名を書いている場合でも、裏面の住所の左側にあらためて氏名をフルネームで記入しておくと親切です。
葬儀の受付や経理処理の段階で、香典袋の表と裏を別々に確認するケースや、管理上の都合で情報が集約されている方が助かる場合があるためです。
特に中袋がない形式では、封筒一つにすべての情報が完結している状態が望ましいため、住所とセットで氏名も記載しておきます。
この際も、住所と同じく少し控えめな大きさで書き、全体のバランスを考慮して配置します。
金額の記入欄がない場合は住所の左側に書く
市販の香典袋には金額を記入する欄が設けられているものもありますが、欄がない場合は住所のさらに左側に金額を記入します。
あるいは、住所の右側に書くケースも見られますが、基本的には読み手が把握しやすい位置であれば問題ありません。
例えば、2万円や5万円といった金額を包む際、中袋がない形式であっても金額の記載は必須です。
金銭の授受に関わる重要な情報であるため、他の文字と重ならないように余白を十分に取り、明瞭に記すことが大切です。
縦書きの流れに沿って、住所等の並びに合わせて整然と記述します。
縦書きの金額には旧字体の漢数字を使用する
香典袋に金額を縦書きで記入する際は、改ざんを防ぐという目的から、画数の多い旧字体の漢数字を用いるのが正式なマナーです。
例えば、一万円は「壱萬」、二千円は「弐千」、五千円は「伍千」のように書きます。
普段使い慣れていない文字かもしれませんが、数字の書き換えを防止し、厳粛な儀式における礼儀を示すためにも用いられます。
「五千円」と書くべきところを「五」ではなく「伍」とすることで、丁寧な印象を与えることができます。
三万円であれば「参萬」となり、桁数や金額に関わらずこのルールを適用します。
金額の頭には「金」を付け末尾に「圓」と書く
金額を記入する際には、数字の前に「金」という文字を付け、数字の後に単位である「圓(円)」を書きます。
「金壱萬圓」といった形式になり、これによって金額の始まりと終わりを明確にします。
かつては末尾に「也」をつける慣習もありましたが、現在では必須ではありません。
付けても付けなくてもマナー違反にはなりませんが、「金」と「圓」は金額を正確に伝えるために欠かせない要素です。
書き終えた後は、数字や単位に誤りがないか再度確認し、遺族に対して失礼のないように配慮します。
横書きの記入欄がある場合は算用数字を使用する
香典袋の種類によっては、裏面に金額や住所を書くための横書きの記入欄が設けられていることがあります。
この場合は、無理に漢数字を使わず、アラビア数字(算用数字)を用いて記入しても構いません。
例えば「1万円」や「5千円」のように、「10,000」や「5,000」と記入するのが一般的です。
横書きの枠に対して縦書きの漢数字を入れると読みにくくなるため、枠の形式に合わせた書き方を選択します。
記入欄の指示に従い、読み手が瞬時に金額を把握できるような配慮を優先することが大切です。
香典袋に中袋がない場合のお札の入れ方
中袋がない香典袋では、お札を直接上包みに入れることになります。
この際、単にお金を入れるだけでなく、お札の向きや裏表にも弔事ならではのマナーがあります。
適当に入れてしまうと、取り出したときに相手に不快な思いをさせたり、礼儀を知らないと思われたりする恐れがあります。
ここでは、中袋を使用しない場合の正しい包み方や、お札を入れる際の具体的な手順について解説します。
肖像画が裏側を向くようにお札を入れる
香典にお金を入れる際は、お札の表面(肖像画が描かれている面)が、香典袋の裏側を向くように入れるのがマナーです。
これは「顔を伏せる」という意味合いがあり、故人に対する哀悼の意や、悲しみで顔を上げられない様子を表現しているとされます。
封筒の表側から見てお札が裏向きになっていれば正解です。
お札の向きは慶事と弔事で逆になるため、祝儀袋の入れ方と混同しないように注意が必要です。
受け取った側が封を開けたとき、最初にお札の裏面が見えるように配慮します。
肖像画が下側に来るようにお札の上下を調整する
お札を裏向きにするだけでなく、肖像画が描かれている部分が封筒の底側に来るように入れることも重要なポイントです。
つまり、封を開けてお札を取り出した際、肖像画がすぐに見えないように逆さまに入れる形になります。
これも悲しみの表現の一つとされており、不祝儀における一般的な作法です。
お札の上下を意識することは普段の生活ではあまりないかもしれませんが、葬儀の場ではこうした細かな部分にまで故人を悼む気持ちを込めることが大切とされています。
お札が複数枚ある場合はすべての向きを揃える
五千円や一万円、あるいはそれ以上の金額を包むために複数枚のお札を入れる場合は、すべてのお札の向きをきれいに揃えてから封入します。
表裏や上下がバラバラになっていると、遺族が金額を確認する際に数えにくく、雑な印象を与えてしまいます。
お札を重ねてみて、角が揃っているか、肖像画の位置が同じになっているかを確認します。
丁寧にお札を整える行為は、故人や遺族に対する敬意の表れでもあります。
中袋がないからこそ、取り出したときの美しさや扱いやすさに配慮することが求められます。
香典には新札ではなく使用感のあるお札を用いる
結婚式などの慶事では新札を使うのがマナーですが、香典においては新札を避けるのが通例です。
新札は「あらかじめ用意して待っていた」という印象を与えるため、不幸を予期していたと思われないように古札を使用します。
もし手元に新札しかない場合は、お札に一度折り目を付けてから包むようにします。
ただし、あまりに汚れているお札や破れているお札は失礼にあたるため、適度に使用感がありつつも清潔なものを選びます。
最近では新札でも気にしない傾向もありますが、伝統的な配慮として覚えておくと無難です。
香典袋の書き方で注意すべき筆記用具の選び方
香典袋に文字を記入する際、どのようなペンを使うかという点も非常に重要です。
日常的に使っている筆記用具が、必ずしも弔事の場に適しているとは限りません。
道具選びを間違えると、文字の内容が正しくてもマナー違反と見なされることがあります。
ここでは、悲しみの席にふさわしい筆記用具の選び方と、避けるべき道具について説明します。
お悔やみの気持ちを表すために薄墨を使用する
お通夜や葬儀の際に香典袋を書く筆記用具は、「薄墨(うすずみ)」の筆ペンや毛筆を使用するのが正式なマナーです。
薄墨には「涙で墨が薄まってしまった」「突然のことで墨を磨る時間も惜しんで駆けつけた」という意味が込められており、深い悲しみを表現しています。
文具店やコンビニエンスストアなどで弔事用の薄墨筆ペンが販売されているため、一本用意しておくと安心です。
ただし、中袋や裏面の住所・金額などの事務的な項目については、読みやすさを重視して濃い黒のペンを使用しても問題ないとする考え方もあります。
中袋なしの略式であってもボールペンは避ける
中袋がない香典袋は略式のものとして扱われることがありますが、外袋の表書きには薄墨の毛筆や筆ペンを使用するのがマナーです。ボールペンや鉛筆は事務的な筆記具とみなされ、儀礼的な場にはふさわしくないとされています。
一方、香典袋に中袋がある場合、中袋にはサインペンやボールペンを使用しても問題ないとされています。 中袋に記載する氏名、住所、金額は、遺族が香典返しや帳簿の管理に利用するため、読みやすく正確な情報であることが重要です。 万年筆も同様の理由であまり推奨されません。
たとえ金額が少額であっても、故人を送る大切な儀式であることに変わりはないため、外袋には筆ペンか、どうしても用意できない場合は黒のサインペンやフェルトペンを使用します。 文字の太さや濃淡によって受ける印象が大きく変わることを意識して選びましょう。
なお、四十九日以降の法要で持参する香典には濃墨を使用することが一般的です。
香典袋の裏側を折って封をする際の手順
お札を入れ終わった後、香典袋の裏側の折り返しをどのように重ねるかにも決まりがあります。
何気なく封をしていると、慶事の折り方と逆になってしまい、「逆の意味」を持ってしまう恐れがあります。
ここでは、不祝儀における正しい封の仕方と、糊付けに関する判断基準について解説します。
悲しみが流れるように裏側の上部を最後に被せる
香典袋の裏面には上下に折り返しがありますが、下側の折り返しを先に折ってから、上側の折り返しを上から被せるように折ります。
これにより、折り重なった部分が下を向く形になります。
これは「悲しみが下へ流れ落ちるように」「不幸がたまらないように」という願いが込められた作法です。
慶事では「幸せを受け止める」ために下側を上にしますが、弔事ではその逆になります。
最後に水引をかける際も、この折り方が崩れないように注意しながら整えます。
金額が少額であれば糊付けを省略することもある
香典袋の封筒部分について、糊付けをするかどうかは状況によります。
市販の袋にシールが付いている場合はそれを利用して封をしますが、一般的に金額がそれほど多くない場合や、中袋がないタイプを使用する場合は、糊付けをせずに折りたたむだけで済ませることも珍しくありません。
糊付けをしないことで、遺族が開封する際の手間を省くという配慮にもなります。
ただし、郵送で香典を送る場合や、金額が大きく紛失のリスクを懸念する場合は、しっかりと糊付けをして「〆」などの封字を書くことが推奨されます。
葬儀の受付における香典の渡し方
香典袋の準備が整ったら、当日の受付での渡し方についても確認しておきます。
そのまま手持ちで持参するのではなく、袱紗(ふくさ)と呼ばれる布に包んで持っていくのが大人のマナーです。
受付での所作一つで、参列者の品格が伝わります。
ここでは、受付でスムーズかつ丁寧に香典を渡すための手順を紹介します。
袱紗の上に香典袋を乗せて相手へ差し出す
受付の順番が回ってきたら、まず袱紗から香典袋を取り出します。
取り出した香典袋は直接手渡すのではなく、たたんだ袱紗を台のようにして、その上に香典袋を乗せます。
このとき、袱紗は寒色系の弔事用を使用するのが基本です。
雨などで袋が濡れたり汚れたりするのを防ぐとともに、礼を尽くして持参したことを示すために袱紗を用います。
バッグやポケットからむき出しの香典袋を取り出すのはマナー違反となるため、必ず袱紗に包んで持参するようにします。
相手が文字を読める向きにして両手で渡す
受付係の方に渡す際は、袱紗の上に乗せた香典袋を、相手が文字を読める向き(自分から見て逆向き)になるように反時計回りに回して整えます。
そして、「この度はご愁傷様です」といったお悔やみの言葉を添えながら、両手を添えて差し出します。
片手で渡すのは失礼にあたるため、必ず両手を用いることが大切です。
受付がない場合や、御霊前に直接供える場合は、文字が自分の方を向くように置きますが、受付で人に渡す場合は相手目線に合わせるのが基本のマナーです。
まとめ
中袋なしの香典袋であっても、書き方やお札の入れ方にはきちんとしたマナーが存在します。
表書きには氏名をバランスよく記入し、裏面には住所や金額を正確に記すことで、遺族の負担を減らす配慮が求められます。
お札は顔を伏せるように裏向きに入れ、新札を避けるか折り目を付けるといった心遣いも大切です。
また、筆記用具には薄墨を選び、渡す際にも袱紗を用いるなど、細部にまで礼儀を尽くすことで、故人への哀悼の意とお悔やみの気持ちをより深く伝えることができるでしょう。
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