弔事とは?意味や読み方、慶事との違いや会社・葬式の参列マナーを解説
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葬儀では普段耳慣れない言葉が多く、
独自の作法や意味を持つものもあります
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お葬式・法要の知識・マナー
- 新着 更新日:2025.12.19
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弔事とは?意味や読み方、慶事との違いや会社・葬式の参列マナーを解説

社会人として生活を送る中で、訃報に接する機会は突然訪れます。
弔事とは、人の死に関わるお悔やみごとの全般を指す言葉であり、葬儀や告別式への参列には厳格なマナーが存在します。
いざという時に慌てず、故人を偲ぶ場にふさわしい振る舞いができるよう、基本的な知識を身につけておくことは重要です。
本記事では弔事について、言葉の定義から準備、参列時の作法まで詳しく解説します。
弔事に関する基本的な言葉の意味
弔事には普段聞き慣れない言葉や、似たような響きを持つ類語が数多く存在します。
それぞれの言葉が持つ本来の意味を正しく理解していなければ、予期せぬ場面で誤用してしまい、相手に失礼な印象を与える可能性があります。
社会人として恥ずかしくない対応をするためには、まず用語の正しい定義や使い分けを把握することから始まります。
ここでは、混同しやすい言葉との違いを含め、基本的な知識を整理します。
「弔事」の正しい読み方
弔事はちょうじと読みます。
弔という漢字には、人の死をいたみ、とむらうという意味が含まれており、死者に対する哀悼の意を表す場面で用いられます。
日常生活では頻繁に使用する言葉ではありませんが、ビジネスシーンや公的な場での会話、書面などで登場する機会は少なくありません。
正しい読み方を覚えておくことは、大人のマナーとして必須です。
読み間違いを防ぐためにも、漢字の意味とセットで記憶しておくと良いはずです。
「弔事」という言葉が示す意味
一般的に「弔事」はお悔やみごとの総称として使われます。
具体的には、通夜や葬儀、告別式といった故人を送り出す一連の儀式を指す場合が多く、人の死に関わる事柄全体を示す言葉です。
また、弔事には「とむらい」や「不幸」といったニュアンスがあり、厳粛な場であることを示唆しています。
訃報を受けた際に「弔事がありまして」と伝えることで、詳細を語らずとも事情を察してもらえる表現としても機能します。
広義には葬送儀礼だけでなく、それに伴う一連の対応や手続きを含む内容となる場合もあります。
お祝い事を表す「慶事」との違い
弔事の対義語として使われるのが「慶事」です。
慶事は結婚や出産、長寿の祝いなど、喜ばしい出来事全般を指します。
ビジネスや冠婚葬祭の場では、これらを合わせて「慶弔(けいちょう)」と表現することが一般的です。
慶事や弔事は、それぞれ服装や金封の選び方、挨拶の内容などが正反対のルールに基づいています。
慶事と混同してマナーを誤ると大変な失礼にあたるため、両者の違いを明確に区別し、場面に応じた適切な振る舞いを心がける必要があります。
葬儀で読み上げる「弔辞」との違い
「弔事」と全く同じ読み方をする言葉に「弔辞」がありますが、意味は大きく異なります。
弔辞は、葬儀や告別式の際、故人に向けて読み上げるお別れの言葉や手紙のことです。
故人との思い出を語り、生前の感謝や哀悼の意を伝えるために読まれます。
「弔事」は儀式や出来事そのものを指すのに対し、「弔辞」はその中で行われる特定の行為や読む文章を指します。
会話の中で「ちょうじ」と出た場合は、文脈からどちらを指しているのか判断しなければなりません。
葬儀後に行われる「法事」との違い
法事とは、故人の冥福を祈り供養するために行われる仏教行事の総称であり、主に葬儀後の追善供養を指します。
具体的には四十九日や一周忌、三回忌などの法要に加え、その後の会食なども含めた行事全体が法事と呼ばれます。
一方、弔事は通夜から葬儀・告別式までの一連の流れを指すことが多く、法事との違いは時期や目的にあります。
法事と弔事は連続性のあるものですが、言葉の使い分けとしては、葬送儀礼そのものか、その後の追悼儀礼かという点で区別されます。
弔事において遺族側が行う準備
身内に不幸があった際、遺族は深い悲しみの中にありながらも、葬儀に向けた様々な用事を進めなければなりません。
故人を滞りなく送り出すためには、関係各所への連絡や式場の手配など、短期間で多くの決定を下すことが求められます。
ここでは、遺族側が主に行うべき準備の流れについて解説します。
やるべきことを整理し、周囲の協力を仰ぎながら進めることが、安らかな見送りを実現するための鍵となります。
親族や関係者へ速やかに訃報を連絡する
家族が亡くなった際、最初に行うべきことの一つとして関係者への連絡が挙げられます。
まずは深夜や早朝であっても、近親者や特に親しい友人には直ちに知らせます。
その後、葬儀の日程や場所が決まり次第、親族、知人、会社関係、近隣住民などへ正式な訃報を伝えます。
連絡手段は電話が確実ですが、相手との関係性や状況によってはメールやSNS、メッセージアプリを活用する場合も見られます。
伝えるべき内容は、故人の名前、死亡日時、通夜・告別式の日程と場所、喪主の連絡先などです。
葬儀社と打ち合わせて式の手配を進める
葬儀を円滑に行うためには、信頼できる葬儀社を選定し、具体的な内容を打ち合わせる必要があります。
お葬式の種類には、一般葬、家族葬、一日葬などがあり、規模や予算に応じて選択します。
打ち合わせでは、通夜および告別式の日程調整、祭壇のデザイン、供花の手配、予想される参列者数に応じた会場の広さなどを決定します。
また、葬儀にかかる費用はプランによって大きく異なるため、見積もりを詳細に確認し、納得のいく形で通夜や本葬を執り行えるよう準備を進めます。
参列者へ渡す返礼品や食事を用意する
通夜や告別式に足を運んでくれた方々への感謝を示すため、返礼品や食事の準備を行います。
香典をいただいた方へのお返しである香典返し(即日返し)や、会葬御礼の品を用意するのが通例です。
品物は、お茶や海苔、お菓子などの「消えもの」を選ぶのがマナーであり、掛け紙には「志」などの表書きをし、白黒や双銀の結び切りの熨斗を用いない水引を選びます。
また、通夜振る舞いや精進落としとして、参列者に食事を振る舞う場合は、供物やお供え物も含め、人数や予算を考慮して手配します。
火葬の手続きや法要の準備を行う
葬儀と並行して、役所への死亡届の提出や火葬許可証の取得といった行政手続きを行う必要があります。
これらの手続きは葬儀社が代行してくれるケースも多いですが、流れを把握しておくことは大切です。
火葬が無事に終わった後は、初七日法要を同日に行う「繰り上げ法要」が一般的になっています。
その後、四十九日などの忌明けに向けた法要の準備やお墓の手配、位牌の作成なども順次進めていきます。
期限のある手続きも多いため、リスト化して管理するとスムーズです。
弔事の参列者に求められる準備
弔事に参列する側にとっても、事前の準備は欠かせません。
突然の知らせに動揺することもありますが、故人を悼む気持ちを表すためには、失礼のない身なりや持ち物を整えることが礼儀です。
服装や香典の用意はもちろん、参列の可否を伝える際の配慮など、社会人として押さえておくべきポイントは多岐にわたります。
ここでは、参列者が当日までに整えておくべき事柄について具体的に解説します。
訃報を受けたら参列できるか返答する
訃報を受けた際は、まず通夜や葬儀に参列できるかどうかを速やかに返答します。
電話で連絡を受けた場合はその場で伝えるか、スケジュールを確認してすぐに折り返します。
どうしても都合がつかず欠席する場合は、簡潔に「やむを得ない事情」があることを伝え、長々と理由を説明することは避けます。
弔電を打つ、後日香典を郵送する、あるいは日を改めて弔問に伺うなど、欠席する場合でも故人と遺族への配慮を示す方法を選ぶことが望ましい対応です。
弔事の場にふさわしい喪服を用意する
参列時の服装は、故人への敬意を表すために喪服を着用するのが基本です。
男性はブラックスーツ、女性は黒のワンピースやアンサンブルなど、光沢のない漆黒の素材を選びます。
ワイシャツやブラウスなどのインナーも白や黒を選び、派手な色や柄は避けるのが鉄則です。
急な訃報で通夜に駆けつける場合は、地味な平服(ダークスーツなど)でも許容されることがありますが、告別式では正喪服や準喪服を着用します。
黒白の装いを基本とし、華美にならないよう全体を整えます。
故人との関係性に応じた香典を包む
香典は故人との関係性や地域の慣習によって包む金額が異なります。
現金を包む際は、新札ではなく使い古した紙幣を用いるか、新札に折り目をつけてから不祝儀袋(香典袋)に入れます。
袋の表書きは、四十九日前なら「御霊前」、後は「御仏前」とし、薄墨の筆ペンを使って書きます。
水引は黒白や双銀の結び切りを選び、関西など一部地域では黄白を使うこともあります。
慶事用の祝儀袋と間違えないよう注意し、袱紗(ふくさ)に包んで持参します。
受付では袱紗から取り出し、相手に正面を向けて渡すのが正しい使い方です。
神式の場合は玉串料として包むなど、宗教による違いも確認します。
遺族にかけるお悔やみの挨拶を考える
受付や遺族に対面した際、どのような言葉をかけるべきか迷うことがありますが、短く心のこもった挨拶を心がけます。
「この度はご愁傷様です」「心よりお悔やみ申し上げます」といった定型的な挨拶に加え、余計なことは聞きすぎない配慮が必要です。
また、死を連想させる直接的な表現や、「重ね重ね」「たびたび」といった重ね言葉は「不幸が重なる」ことを連想させる忌み言葉となるため使用を避けます。
「頑張ってください」などの励ましも負担になる場合があるため、言葉選びの例を参考に慎重に行います。
弔事の場に適した身だしなみのマナー
服装だけでなく髪型や小物などの細部に至るまで弔事の場に適したマナーが求められます。
身だしなみの乱れは故人や遺族に対する敬意を欠く行為と受け取られかねません。
派手さを消し悲しみの場にふさわしい慎ましさを表現することが重要です。
ここでは男性女性子供それぞれの視点から見落としがちなポイントや注意すべき点について詳しく解説します。
男性の参列者が注意すべき服装のポイント
男性の場合、黒のスーツに合わせるネクタイや靴下にも注意が必要です。
ネクタイは黒無地で光沢のないものを選び、ディンプル(くぼみ)を作らずに結びます。
ネクタイピンは付けないのが原則です。
靴下も黒無地を選び、座敷に上がる可能性を考慮して穴が開いていないか確認しておきます。
靴は内羽根式のストレートチップなど、シンプルな黒の革靴が適しています。
金具がついたものや、殺生を連想させる動物の型押し革製品は避けるべきです。
清潔感を保ちつつ、装飾性を極力排除したスタイルを心がけます。
女性の参列者が意識すべき服装やメイク
女性は、肌の露出を極力控えることがマナーです。
黒のワンピースやスーツのスカート丈は、座った時に膝が見えない程度の長さを選びます。
ストッキングは黒色が基本で、厚すぎない30デニール以下の透け感があるものが一般的です。
メイクは「片化粧」と呼ばれる薄化粧を心がけ、派手な色の口紅やアイシャドウ、チークは避けます。
髪が長い場合は、黒のゴムやバレッタで低い位置にまとめ、お辞儀をした際に邪魔にならないよう整えます。
ネイルも基本的には落とすか、地味なベージュの手袋で隠すなどの配慮をします。
子供が参列する場合に推奨される服装
子供が参列する場合、学校の制服があるならそれが正装とみなされるため、最も適した服装となります。
制服がない幼児や小学生の場合は、黒や紺、グレーなどの落ち着いた色味の洋服を選びます。
白いシャツやブラウスに、ダークカラーのズボンやスカートを合わせると良いでしょう。
キャラクターが大きくプリントされた服や、音が鳴る靴、光る素材のものは避けるのがルールです。
子供であっても、場の雰囲気に合わせた節度ある服装を心がけることが、遺族への敬意につながります。
靴やバッグなどの小物に関する注意点
靴やバッグなどの小物は、布製で光沢のない黒色が基本です。
革製品を使用する場合も、エナメルのような光る素材や、ヘビ・ワニ革などの殺生を想起させる型押しデザインはNGです。
バッグは小型のものを選び、荷物が多い場合は黒のサブバッグを併用します。
アクセサリーに関しては、結婚指輪以外は外すのが原則ですが、女性の一連のパールネックレス(真珠)は「涙の象徴」として着用が認められています。
ただし、二連以上のネックレスは「不幸が重なる」という意味になるため厳禁です。
その他知っておきたい弔事のマナー
弔事には宗教や宗派、地域によって異なる作法が存在します。
基本的なマナーを押さえていても、特定の慣習を知らなければ戸惑う場面が出てくるかもしれません。
焼香の回数や手順、神式やキリスト教式での振る舞いなど、事前に知識を持っておくことで落ち着いて対応できます。
また、仕事やプライベートの予定との兼ね合いなど、社会人ならではの悩みもつきものです。
ここでは、知っておくと役立つその他のマナーについて解説します。
慶事と日程が重なった場合の優先順位
結婚式などの慶事と、葬儀などの弔事の日程が重なってしまった場合、基本的には弔事を優先するのがマナーとされています。
お祝い事は後からでもお祝いを伝えることができますが、お別れの場はその時限りであるためです。
ただし、自身の結婚式や非常に近い親族の慶事である場合は、その限りではありません。
欠席する側には正直に理由を告げず、「やむを得ない事情」として断りを入れるのが配慮です。
両方に配慮が必要な難しい局面ですが、故人との関係性を考慮し、最終的な判断を下します。
会社を休むための忌引き休暇の申請方法
親族の不幸で会社を休む場合、多くの企業では「忌引き休暇」の制度が設けられています。
申請にあたっては、まず就業規則を確認し、取得可能な日数や範囲を把握します。
直属の上司に速やかに口頭または電話で連絡し、故人との関係、通夜・葬儀の日程、忌引き期間を伝えます。
急ぎの業務がある場合は引き継ぎを行い、周囲への迷惑を最小限に抑える配慮も必要です。
会社によっては、後日、葬儀の礼状や死亡診断書のコピーなど、証明書類の提出を求められる場合もあるため、事前に確認しておきます。
まとめ
弔事は故人を偲び遺族の悲しみに寄り添うための大切な儀式です
言葉の意味を正しく理解し服装や持ち物挨拶などのマナーを遵守することは社会人としての常識であると同時に故人への敬意を表す行為でもあります
急な訃報にも動じず相手を思いやる心を持って行動できるよう日頃から基本的な知識を備えておくことが望まれます
今回解説した内容を参考に適切な振る舞いを心がけてください
ちょっとした疑問やお悩みも多数
ご相談いただいております
