供養とは?その意味や種類、目的、正しいやり方をわかりやすく解説
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お葬式・法要の知識・マナー
- 新着 更新日:2025.11.21
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供養とは?その意味や種類、目的、正しいやり方をわかりやすく解説

供養とは、亡くなった人やご先祖様への弔いとして行われる大切な儀式です。
供養は故人の冥福を祈るとともに、残された人々の心を癒す意味も持ちます。
この記事では、供養の基本的な意味や目的、仏教における供養の種類、そして具体的なやり方をわかりやすく解説します。
日々行う供養から永代供養まで、様々な方法を理解することで、自分たちに合った弔いの形を見つけることができます。
伝統的な作法だけでなく、現代の多様な供養をすることも選択肢の一つです。
供養の基本的な意味と目的を解説
供養の根本には、故人を偲ぶという純粋な気持ちがあります。
この行為の必要性は、故人の冥福を祈るだけでなく、残された家族の心を癒し、生命のつながりを再確認する点にあります。
供養という用語は仏教に由来しますが、神道における儀式など、他の宗教でも故人を弔う文化は存在します。
供養の基本的な意味と目的を理解することは、故人への感謝と敬意を深める上で非常に重要です。
宗教的な側面に加え、故人との思い出を大切にするという精神的な側面も持ち合わせています。
供養という言葉の本来の意味と語源
「供養」という言葉の読み方は「くよう」であり、その語源は古代インドのサンスクリット語「プージャー」に由来します。
プージャーは、仏や菩薩など尊敬すべき対象に、供物を捧げて敬意を表す行為を意味していました。
この言葉が中国に伝わった際、「供給資養」と漢訳され、その二文字を略して「供養」となりました。
本来は仏教徒が仏道修行の一環として行うものでしたが、時代と共に意味合いが広がり、現在では仏教徒に限らず、亡くなった人やご先祖様、さらには動物や無機物など、様々な対象を弔い、冥福を祈る行為全般を指す言葉として広く用いられています。
供養を行う目的は故人の冥福を祈ること
供養を行う最も重要な目的は、故人の霊が安らかに眠り、穏やかな世界へ旅立てるように冥福を祈ることです。
仏教には「追善供養」という考え方があり、これは残された人々が善い行いを積み、その功徳を故人に振り向けることで、故人がより良い世界へ生まれ変わる手助けをするというものです。
故人が亡くなった後も、その存在を思い、安らかな状態を願う遺族の気持ちが、供養という行為に繋がっています。
また、供養は故人のためだけではなく、残された家族が悲しみを乗り越え、故人との精神的なつながりを再確認するための大切な機会でもあります。
定期的に供養を行うことで、遺族の心も癒されていきます。
仏教における3つの供養の種類
仏教における供養には、大きく分けて「利供養」「敬供養」「行供養」という3つの種類があります。
これらは、故人やご先祖様、そして仏様に対して感謝や尊敬の気持ちを伝えるための具体的な方法を示したものです。
お供え物をする、敬う心を持つ、善い行いをするといった、それぞれ異なるアプローチを通じて供養を実践します。
お経の読経など、これらの3つの方法を組み合わせることで、より心のこもった弔いを行うことができます。
利供養(りくよう):お供え物で感謝を伝える供養
利供養とは、仏様や故人に対して、食べ物やお花などのお供え物を通して感謝や敬意を伝える供養の方法です。
具体的には、仏壇の棚や経机に、ご飯(飯)やお水、お茶、そして故人が生前好んでいたお菓子や果物、酒などを供えます。
また、美しい花を飾り、ろうそくの灯をともし、線香をあげることも利供養に含まれます。
仏具のセットには、これらのお供え物を置くための仏飯器や茶湯器、高坏、三宝といった専用の器が用意されています。
供えた物は、しばらくしてから「お下がり」として家族で食べることで、故人とのつながりを感じ、その功徳をいただくという意味も持ち合わせています。
敬供養(きょうくよう):故人を敬い偲ぶ気持ちを表す供養
敬供養は、仏様やご先祖様、故人に対して、尊敬し敬う気持ちそのものを捧げる供養の方法を指します。
物をお供えしたり、特別な儀式を行ったりすることだけが供養ではなく、心の中で故人を思い、感謝の念を抱く行為が敬供養にあたります。
例えば、仏壇の前で静かに手を合わせ、故人の生前の姿を偲ぶことや、家族で集まって故人の思い出話を語り合うことも、故人を敬う大切な供養の一つです。
形にとらわれることなく、故人を大切に思う純粋な気持ちが最も重要であり、他の利供養や行供養を行う際の基盤となる心構えともいえます。
行供養(ぎょうくよう):善い行いを積むことで故人を弔う供養
行供養とは、仏教の教えに基づいた善い行いを実践し、その功徳を故人のために振り向ける(回向する)ことで故人を弔う供養の方法です。
具体的には、お経を唱えたり、仏道を修行したり、善行を積むことなどが挙げられます。
また、親族が集まって執り行う法事や法要も行供養の一環であり、僧侶による読経や、お墓に塔婆を立てることなどが含まれます。
これらの行いは、故人の冥福を祈ることになるだけでなく、残された人々自身が徳を積む機会ともなります。
故人のために善い行いをすることが、巡り巡って自分自身の生き方を見つめ直すきっかけにもなるという考え方に基づいています。
誰を・何を供養する?主な対象を紹介
一般的に供養は亡くなった人に対して行うものと考えられていますが、その対象は非常に幅広く、人に限りません。
もちろん、主たる対象はご先祖様や亡くなった家族ですが、それ以外にも、大切なペットや、長年愛用してきた人形や遺品など、強い思い入れのある品物も供養の対象となる例があります。
ここでは、供養の対象となる主な例を挙げ、供養という行為が持つ多様性について紹介します。
ご先祖様や亡くなった家族
供養の最も中心的な対象は、ご先祖様や亡くなった家族です。
私たちは、多くの祖先から命のバトンを受け継いで今を生きています。
その命のつながりに感謝し、先祖を敬う気持ちを表すために供養を行います。
お盆やお彼岸、命日などにお墓参りをしたり、自宅の仏壇に手を合わせたりすることは、ご先祖様との対話の時間となります。
また、両親や配偶者、子供など、身近な家族を亡くした際には、その死を悼み、安らかな眠りを祈るために供養を営みます。
故人を偲ぶことは、残された家族の悲しみを癒し、心の平穏を取り戻すための重要な過程でもあります。
お墓や仏壇に祀られているご本尊や位牌
供養の対象には、故人の魂が宿るとされるお墓や、家庭内に祀られる仏壇のご本尊、そして故人の戒名が記された位牌も含まれます。
仏壇は「家庭の中のお寺」ともいわれ、ご本尊である仏様とご先祖様を祀る神聖な場所です。
日々のお参りを通じて、ご本尊や位牌に手を合わせることは、仏様への帰依とご先祖様への感謝を示す行為となります。
同様に、お墓もご先祖様が眠る大切な場所であり、定期的に掃除をして清め、花や線香をお供えすることで、故人やご先祖様への敬意を表します。
これらは、故人そのものではなくとも、故人を偲ぶための重要な拠り所として供養の対象となります。
家族同然だった大切なペット
現代では、犬や猫などのペットを家族の一員として捉える人が増え、亡くなった際に人間と同様に手厚く供養することが一般的になりました。
ペットの死は飼い主にとって計り知れない悲しみをもたらすため、その魂を慰め、感謝の気持ちを伝えるために供養が行われます。
ペット専門の葬儀社や火葬場、霊園なども数多く存在し、葬儀から火葬、納骨まで一貫して任せることができます。
また、自宅にペット用の小さな仏壇を設けたり、遺骨の一部をアクセサリーにして身につけたりする手元供養を選ぶ人もいます。
共に過ごした時間への感謝を込めて、大切な家族を弔う行為として定着しています。
人形や遺品など思い入れのある品物
供養の対象は、人や動物に限らず、長年大切にしてきた人形やぬいぐるみ、故人が愛用していた眼鏡などの遺品といった「もの」にまで及びます。
こうした品物には持ち主の魂や思いが宿ると考えられており、ゴミとして処分することに心理的な抵抗を感じる場合に、感謝を込めて供養が行われます。
具体的な方法としては、神社やお寺で執り行われる人形供養祭に参加したり、お焚き上げを依頼したりするのが一般的です。
また、中絶や流産などで生まれることのなかった水子(みずこ)も、親の深い悲しみと共に供養の対象とされます。
水子供養は、亡くなった子供の冥福を祈るとともに、親の心のケアという側面も持っています。
【時期別】具体的な供養のやり方とタイミング
供養には、日々の暮らしの中で行うものから、故人が亡くなってからの節目に営む儀式、そして年中行事の一環として行われるものまで、様々なやり方とタイミングがあります。
いつ、どのような供養を行えばよいのか、そのスケジュールや日程を知っておくことは大切です。
ここでは、具体的な供養のタイミングを「日常」「節目」「年中行事」に分け、それぞれの時期に何をするのかを解説します。
供養を営む際の早見表や一覧として参考にできます。
日々の暮らしの中で行う供養(仏壇・お墓参り)
日常生活における供養は、仏壇への礼拝とお墓参りが中心です。
仏壇がある家庭では、毎朝お水や炊きたてのご飯をお供えし、ろうそくと線香をあげて手を合わせることが日課となります。
これは故人やご先祖様への感謝を伝え、家族の平穏を願う大切な時間です。
お墓参りも重要な供養の一つで、故人の祥月命日や月命日、お盆やお彼岸といった節目に訪れるのが一般的です。
お墓に到着したら、まず周囲をきれいに掃除し、古い花を片付けて新しいものと交換します。
そして、お線香をあげ、故人が好きだった食べ物などをお供えして、静かに手を合わせ、近況報告などを心の中で語りかけます。
定期的なお参りは、故人を身近に感じる機会となります。
特定の節目に行う供養(葬儀・法事法要)
故人が亡くなってからの特定の節目には、親族や故人と親しかった人々が集まり、僧侶を招いて法事法要を営みます。
葬式の後、初七日から始まり七日ごとに法要を行い、特に重要なのが満中陰と呼ばれる四十九日(49日)法要です。
その後は、一周忌(満1年)、三回忌(満2年)と年忌法要が続きます。
法要の準備として、施主は日程を決め、参列者への案内状を送付します。
参列者は香典を持参し、服装は回忌が進むにつれて略式になりますが、基本的には礼服を着用します。
香典を入れるのし袋は、四十九日までは「御霊前」、それ以降は「御仏前」と書かれた袋を使用します。
施主は、法要後の挨拶や会食、手土産の準備も行います。
年中行事の際に行う供養(お盆・お彼岸)
日本には古くからご先祖様を供養する年中行事が根付いています。
その代表格が夏に行われるお盆です。
お盆はご先祖様の霊が自宅に帰ってくるとされる期間で、迎え火を焚いてお迎えし、精霊棚を設けてお供え物をします。
故人が亡くなって四十九日後に初めて迎えるお盆は、新盆(初盆)と呼ばれ、白木の提灯を飾るなど特に丁寧に供養します。
一方、お彼岸は春分の日と秋分の日を中日とした前後一週間を指し、この期間にお墓参りをしてご先祖様に感謝を捧げるのが慣わしです。
例えば2025年の春のお彼岸は3月17日から23日となります。
これらの行事は、家族が集まり、ご先祖様とのつながりを再確認する大切な機会です。
ライフスタイルに合わせた多様化する現代の供養方法
少子高齢化や核家族化といった社会構造の変化、そして価値観の多様化に伴い、供養の形態も大きく変化しています。
従来のように家のお墓を代々継承していくことが困難なケースが増え、永代供養や樹木葬、手元供養といった新しい選択肢が注目を集めています。
ここでは、現代のライフスタイルやニーズに合わせた多様な供養方法を紹介します。
それぞれの方法に必要なものや費用、進め方について理解し、どの方法が自分たちに合っているか相談する際の参考にしてください。
永代供養:お寺や霊園が永代にわたり管理を代行
永代供養とは、お墓を継承する人がいない、あるいは将来的に子孫に負担をかけたくないといった場合に、お寺や霊園が遺族に代わって永代にわたり遺骨の管理と供養を行ってくれる埋葬方法です。
遺骨は、他の人々の遺骨と共に大きな供養塔などに合祀されるのが一般的ですが、契約によっては一定期間、個別の納骨壇で安置されるプランもあります。
費用は埋葬の形式によって大きく異なり、合祀の場合は比較的安価ですが、個別安置の場合はその分費用が高くなります。
契約の流れとしては、まず希望する寺院や霊園に相談し、契約内容や供養料を確認した上で手続きを進めます。
「永代」という言葉が使われますが、個別の供養期間が定められている場合もあるため、契約前の確認が重要です。
手元供養:遺骨の一部を身近な場所に保管して偲ぶ
手元供養は、故人の遺骨の全部または一部を、お墓に納骨せずに自宅などの身近な場所に置いて供養する新しいスタイルです。
故人をいつもそばに感じていたい、お墓が遠くてなかなかお参りに行けないといった理由から選ばれています。
遺骨は、デザイン性の高い小さな骨壷や、ペンダント、ブレスレットといったメモリアルアクセサリーに加工して納めるのが一般的です。
また、リビングなどに故人の遺影や思い出の品と共にミニ骨壷を置くためのメモリアルステージを設け、自分らしい祈りの空間を作ることもできます。
特定の宗教や形式にとらわれず、故人との新しい絆を築く方法として広がりを見せています。
樹木葬:墓石の代わりに樹木を墓標とする
樹木葬は、従来の墓石の代わりに、桜やハナミズキなどの樹木を墓標として、その根元に遺骨を埋葬する自然志向の供養方法です。
「最後は自然に還りたい」という故人の思いを叶える形として、近年人気が高まっています。
運営形態は様々で、広大な里山や山林を利用するものから、霊園の敷地内に設けられたガーデン風の区画にシンボルツリーが植えられているものまであります。
多くの場合、永代供養が含まれているため、お墓の継承者を必要としない点が大きな特徴です。
墓石を建立するよりも費用を抑えられる傾向にあり、宗教や宗派を問わない施設が多いことも選ばれる理由の一つです。
納骨堂:屋内の施設に遺骨を安置する
納骨堂は、建物の中に設けられた納骨スペースに遺骨を安置する施設のことです。
天候に左右されず快適にお参りができる利便性や、駅からのアクセスが良い都市部に多いことなどから、現代のニーズに合った供養の形として注目されています。
納骨堂には、コインロッカーのように個別のスペースが並ぶロッカー式、仏壇と納骨スペースがセットになった仏壇式、参拝ブースでお参りするとバックヤードから遺骨が自動で運ばれてくる自動搬送式など、多様なタイプがあります。
一般的に、屋外にお墓を建てるよりも費用を抑えることができ、清掃などの管理も不要です。
納骨先の選択肢として、お墓の承継に不安がある人々に選ばれています。
散骨:海や山に遺骨を撒いて自然に還す
散骨は、火葬した後の遺骨を細かく砕いて粉末状にし、海や山などの自然環境に還す埋葬方法です。
自然の一部となって安らかに眠りたいという願いや、お墓を持たずに次世代に負担を残したくないという考えから選択されます。
特に海洋散骨がポピュラーで、専門の業者に依頼して船で沖合まで行き、セレモニーと共に遺骨を海に撒きます。
散骨を行う際は、遺骨を2mm以下のパウダー状に粉骨する必要があり、また、他人の土地や漁業区域、海水浴場などを避け、節度を守って行うことが求められます。
特定のお墓を持たないため、その後の管理費や維持費はかかりませんが、お参りの対象がなくなる点も考慮する必要があります。
まとめ
供養は故人を弔い冥福を祈るための大切な行為です。
その対象はご先祖様や家族だけでなく、ペットや愛用してきた人形など多岐にわたり、お焚き上げといった方法も存在します。
供養には仏具店で仏壇を購入する費用やお寺への御布施など、様々な場面で費用が発生し、その相場は供養の形態によって大きく異なります。
古くから続く供養は、先祖を敬う祭りとしての側面も持ち合わせています。
近年はライフスタイルの変化により、永代供養や樹木葬といった新しい選択肢も増えており、従来の形式にとらわれず、それぞれの事情に合った供養の方法を選ぶことが可能です。
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