火葬とは?流れやマナー、費用を解説
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お葬式の知識・マナー
- 新着 更新日:2025.08.19
- お葬式の知識・マナー
火葬とは?流れやマナー、費用を解説

火葬を行う必要があるけど、これまで経験がなくて何から始めていいか分からない。こんな不安を抱えている方も少なくないのではないでしょうか。
火葬を行う際は多くの手続きが必要になる上、費用面の不安もつきまとうことと思います。
そこで本記事では、火葬の準備や費用、注意すべきポイントなどを解説していきます。
火葬の準備段階から一連の流れを紹介しますので、今から火葬の準備を進めようとしている方もぜひ参考にしてみてください。
火葬とは
火葬は故人のご遺体を焼却する葬送方法です。日本では主要な葬送となっており、大半の方が火葬を選択しています。火葬は故人のご遺体を焼却するだけでなく、故人を偲び、尊厳をもってお見送りするための大切な儀式とされています。
斎場で通夜や告別式を行った後に火葬場に移動、火葬を行うという流れが伝統的な火葬の流れです。
しかし、近年では親族の負担を減らしたいという意向や価値観の変化によって、ほかの儀式は行わずに火葬だけを行う方も増えています。
地域や宗派、葬儀社のプランによってその形態は異なりますが、火葬が心を込めて故人を見送る大切な時間であることに変わりはありません。
火葬に際しての手続きの流れ

まずは、火葬に際しての手続きの流れを確認していきます。いざというときに焦らないように、必要な手続きや書類を把握しておきましょう。
死亡届・死亡診断書の準備
火葬を申し込む際には、まず死亡届と死亡診断書を準備しましょう。基本的には病院や故人の最期に立ち会った医師から用紙を受け取ります。
死亡届・死亡診断書は1枚の紙に印刷されていて、左半分が死亡届、右半分が死亡診断書となっています。
死亡届は遺族が故人の名前や住所、生年月日を記入。死亡診断書は立ち会った医師が死亡時刻や死因を記入します。
葬儀社に相談して火葬場を予約する
必須ではありませんが、死亡届の準備ができたタイミングで火葬の予約を葬儀社に相談することを推奨します。
火葬場は人口に対して施設数が少ない地域もあり、予約が取れないとなかなか火葬ができない状態になりかねません。
依頼をすれば葬儀社が火葬場の決定や予約を請け負ってくれるため、心を落ち着けて親族への連絡などに集中できます。
火葬場は個人で予約することもできますが、火葬場によっては個人での予約を受け付けていない場合もあり、また、手続きやスケジューリングに慣れていないとトラブルが生じる可能性も考えられます。
必要書類の提出
次に、火葬に必要な書類を役所に提出します。必要な書類は死亡届、死亡診断書、火葬許可申請書です。死亡届は、死亡を知った日から7日以内に提出する必要がある点に注意しましょう。
火葬許可申請書には、故人の本籍、現住所、予定している火葬場などを記入します。火葬許可申請書は役所の窓口もしくは役所Webサイトからダウンロードして取得可能です。
火葬許可申請書は火葬までに提出すればいい書類ではあるものの、基本的には死亡届と同時に提出するため、死亡届と同じく死亡を知った日から7日後までに提出することを推奨します。
各書類は故人の本籍地、故人の死亡地、届出人の住所がある土地のいずれかに該当する役所に提出しましょう。
火葬許可証を火葬場に提出する
書類を提出し、それが正しく受理された場合、役所で火葬許可証を受け取ります。
火葬許可証は火葬当日に火葬場で提出しますので、葬儀の日まで大切に保管しましょう。
日本においては、火葬許可証がないと火葬ができないことが法律で定められているので、紛失しないよう注意が必要です。
もし紛失してしまった場合は、すぐに役所に連絡して再発行の手続きを行いましょう。
火葬許可証を返却してもらう
火葬を終えたら、火葬執行済みの印を押してもらった後に、火葬許可証が返却されます。
押印された火葬許可証はお墓への納骨に際して霊園に提出する必要があります。紛失しないように大切に保管しておきましょう。
火葬当日の流れ

ここからは、火葬当日の流れを解説していきます。火葬当日や準備期間は心身ともに慌ただしくなりますので、事前に流れを把握しておくことが安心感につながります。
当日の持ち物
火葬当日は火葬許可証、位牌、遺影の3つを忘れずに持参しましょう。
火葬許可証
前述のとおり、火葬許可証がないと法律上火葬を行うことができません。当日は忘れないように、参列者間で念入りに確認することをおすすめします。
位牌
位牌は故人の霊魂が宿る場所とされるもので、故人の象徴となる大切なものです。故人の戒名、没年月日、享年、生前の名前(俗名)を記した位牌を用意して持参しましょう。
遺影
遺影は葬儀に際して祭壇に飾ることになる故人の写真です。位牌と遺影については、斎場で行う通夜・告別式でも使用するため、火葬場に移動する際に忘れずに持参します。
葬儀および火葬場への移動
近年では、葬儀と火葬が同日に行われるケースが増加しています。斎場で葬儀を執り行った後、近くの火葬場に移動する流れが一般的です。
故人のご遺体は霊柩車、参列者はマイクロバスなどで火葬場に移動します。斎場と火葬場が一体となっている施設も存在し、移動の手間を省きたい場合にはおすすめです。
納めの式
火葬場に到着したら、納めの式を行います。納めの式は棺を火葬炉の前に置いて行われる、故人との最後の別れの式です。故人が安らかに旅立てるよう、僧侶の読経、遺族や友人が焼香をして最後の挨拶が行われます。
火葬
納めの式を終えたら、棺を火葬炉に入れ、火葬を行います。火葬は1~2時間程度かかるため、遺族は控え室で待機となります。
この時間は遺族や近親者で軽食を取りつつ、故人との思い出を語り合う時間に充てることができます。
お骨上げ
火葬が終わったら、故人の遺骨を骨壺に移すお骨上げを行います。二人一組で竹箸を使って骨を拾い上げ、骨壺に納めていきます。
お骨上げを終えると骨壺と火葬済みの証明印が押された火葬証明書が渡されますので、納骨までしっかり保管しましょう。
精進落とし
ひととおりの火葬の流れを終えたら、精進落としを行います。精進落としは遺族や参列者が集まって開催される食事で、故人への供養の気持ち、参列者への感謝の気持ちを込めて振る舞われます。
精進落としは本来、四十九日法要の後に行うものですが、近年は親族の負担を考慮して火葬と同日に行われるケースが一般的です。火葬中の1~2時間を利用して精進落としが振る舞われるケースも増えています。
火葬におけるマナー

火葬は故人を弔う大切な儀式ですので、立ち合いに際してはマナーを守って立ち会う必要があります。ここでは、火葬におけるマナーをご紹介しますので、参列する前にぜひご確認ください。
火葬での服装
火葬には、ふさわしい服装で参列しましょう。基本的に葬儀・告別式と同じく準喪服(一般的な喪服)を着用するのがマナーです。
男性は黒や濃紺などの落ち着いた色のスーツに白いシャツ、靴下やネクタイなども黒のものを選びます。女性は黒のワンピースやアンサンブルを着用し、ストッキングや靴、バッグ等の小物も黒でそろえましょう。
ただし家族葬や直葬など、小規模で近親者のみで行われる火葬の場合は、略喪服(地味な色の平服)でも問題ありません。ただし、シンプルで落ち着いたデザインを選び、派手な柄や光沢のある素材は避けましょう。
心づけについての考え方
かつて、葬儀でお世話になった方へ「心づけ」として金銭をお渡しする慣習がありましたが、現在では多くの葬儀社や火葬場で心づけを辞退しています。
特に公営斎場の職員は公務員にあたるため、金品の受け取りは固く禁じられています。無理にお渡しすることはかえって相手を困らせてしまうため、金銭ではなく、丁寧な言葉で感謝の気持ちを伝えるのが最も良い方法です。
ご葬儀をお手伝いした親族などへどうしても謝礼をしたい場合は、後日、菓子折りなどをお渡しするのがよいでしょう。
ドライバー
霊柩車やマイクロバスのドライバーには、目的地に到着したときに渡すのが一般的です。
葬儀を支援してくれた方々
葬儀を手伝ってくれた親族には、葬儀が始まる前、もしくは終わった後のどちらかで渡すようにしましょう。
斎場・火葬場のスタッフ
斎場・火葬場のスタッフに心づけを渡す場合は、最初の挨拶もしくは葬儀をひととおり終えてお礼を言うタイミングで渡すのがおすすめです。
また、公営の火葬場の場合は心づけを渡してはいけません。公営の火葬場スタッフは公務員であり、お金を受け取ることが罪に問われ、懲戒処分の対象となってしまうため注意が必要です。
葬儀社の担当者
葬儀社の担当者には葬儀がひととおり終わり、最後の挨拶をする際に渡すのが一般的です。
火葬の種類
火葬は通夜や告別式の有無、参列者の人数などでいくつかの種類に分類されます。
ここでは、主な火葬の種類について解説していきます。
一般葬
一般葬は伝統的な葬儀の形式です。故人の近親者だけでなく、友人や仕事の関係者なども呼び、多くの方が集まってお見送りをします。
多くの関係者に参列してもらって感謝を伝えたい場合には、一般葬を選ぶのがよいでしょう。参列者数は30名以上を目安にされることが多いようです。
一般葬では1日目の夜に通夜、2日目に告別式と火葬を行う流れが主流です。
注意点としては費用が高くなりやすい点、準備や進行の負担が大きい点が挙げられます。
規模が大きい分、演出や時間配分など柔軟な対応がしづらい点にも注意しましょう。
家族葬
家族葬は近親者のみで小規模に行われる葬儀の形式です。故人の家族を中心に、少人数で行う形式の葬儀となっています。
参列者への対応や準備が少なく、葬儀に集中する時間を⾧く取れるため、家族や近親者でゆっくり故人を見送りたい場合におすすめの形式となっています。参列者数は5~30名ほどが一般的です。
また、会場や準備の規模も小さめに済ませることができるため、全体の費用が抑えられる点もメリットです。
注意点としては、近親者のどの範囲まで声をかけるか悩ましいことが挙げられます。
誰に声をかけてよいか分からない、参列してほしい知人がたくさんいる、といった場合には一般葬のような大規模の葬儀を検討するのがよいでしょう。
一日葬
一日葬は通夜を行わず一日で葬儀を完結させる形式で、参列者数は5~30名ほどが一般的です。葬儀を告別式と火葬に絞ることで日数を短縮できるため、日程調整のしやすさから近年人気が高まってきています。
注意点としては一日限りの葬儀になるため、前日の通夜であれば参加できる、という方の参列の機会が失われてしまう点が挙げられます。
直葬・火葬式(火葬のみ)
通夜・葬儀・告別式などを行わず、火葬だけを行うプランを直葬もしくは火葬式と呼びます。参列者数は10名程度と小規模かつ短時間で終了するため、一日葬と同じく近年利用者が増えているプランです。
注意点として、一般葬とはかなり異なるプランとなるため、事前に近親者に説明を行い、理解を得てから決定を行いましょう。
火葬場の費用について
火葬場を利用する際には、会場によって異なる利用料が発生します。ここでは、火葬場の利用料について、公営・民営の違いに触れつつ紹介します。
公営火葬場
公営火葬場は市区町村や都道府県といった自治体が運営する火葬場で、利用料が比較的安く設定されている点が魅力です。自治体の住民の使用を前提としているため、地域住民の場合はさらに安価で利用できる場合が多くなっています。
自治体の住民でなくても使用できる火葬場が多いですが、料金は割高になるため注意しましょう。費用は、例えば自治体が運営する公営火葬場の場合、その地域の住民であれば無料または数万円程度で利用できることがあります。一方で、住民以外の方が利用する場合は5万円~10万円程度の費用がかかることもあります。ただし、これらはあくまで一例であり、料金は施設ごとに大きく異なるため、必ず事前に確認が必要です。
民営火葬場
民営火葬場は寺院や民間企業などが運営している火葬場で、公営火葬場よりも設備や内装が充実していることが特徴です。ただし公営火葬場よりも料金が高くなる傾向があり、目安として5万円~15万円程度の費用がかかることがあります。
また、民営の火葬場は火葬炉のランクによっても料金が変動するため、事前に火葬場のホームページなどで確認しておきましょう。斎場と火葬場が併設されている施設も多く、斎場から火葬場に移動する手間がかからないことが多いのも魅力です。
直葬・火葬式の特徴
近年は葬儀にかかる負担を大きく軽減できる、直葬・火葬式を選択される方がますます増加しています。しかし、火葬式は従来の葬儀のイメージと異なる点も多く、メリット・デメリットをしっかり把握しておくべき葬儀形態ということも忘れてはいけません。
ここでは、直葬・火葬式の特徴と人気が増した理由、メリットやデメリットをより詳細に解説します。
直葬・火葬式の特徴と選択する人が増えた理由
あらためて火葬式の特徴を確認すると、低価格・短時間・少人数という点が際立った特徴といえるでしょう。
火葬式を選択する人が増えた理由としては、経済的な不安、価値観の変化、社会情勢によるニーズの変化に火葬式の特徴が合致したからといわれています。
経済的な問題で葬儀にお金をかけられないという声も多く、価値観の変化によって小規模な葬儀に抵抗を感じない方も増えていることが人気の要因となっています。
その風潮はコロナ禍という社会情勢でさらに拡大し、感染リスクを抑えるために少人数かつ手短に完結できる火葬式が人気を博した格好です。
直葬・火葬式のメリット
火葬式最大のメリットは、やはりその費用の安さでしょう。具体的には、一般葬と比較すると半額以下、さらには3分の1以下に費用を抑えられることもあります。
所要時間が短いこともメリットですが、こちらは後述するデメリットになることもあるので注意が必要です。
しかし、上記の特徴から心身ともに遺族の負担を抑えられるのは大きな魅力。また、故人がつつましいお葬式をしたいという遺志をのこしていた場合も、火葬式は最適な選択肢といえるでしょう。
直葬・火葬式のデメリット
火葬式の主なデメリットとして挙げられるのは、必然的に故人をお見送りする時間が短くなるということです。
遺族の負担が減る一方、時間が短くて心の整理がつかないまま式が終わってしまう、ということもあるでしょう。
また、親族の理解を得られず、火葬式を選択できないケースも少なくありません。地域の風習や葬儀形態へのこだわりがある方にとって、火葬式はあまりに簡易的なものに映ってしまう可能性があります。
加えて、火葬式では極めて故人と関係の近い方しか出席できないため、後日の弔問が多くなる可能性が高い点にも注意が必要です。知人が多い場合には、弔問への対応が増えてしまう点も、火葬式のデメリットとして認識しておくとよいでしょう。
火葬に際して注意すべきポイント

ここでは、火葬に際して注意すべきポイントを解説します。特に覚えておきたいポイント、失念しやすいポイントを中心に挙げていますので、火葬を控えている方はぜひ事前にチェックしてみてください。
火葬で棺に入れられるものは限られる
火葬では、棺に故人の大切にしていた写真や衣服、手紙といった物品を副葬品として入れることができます。その際、棺に入れてはいけない物品もあるということに注意しましょう。
棺に入れられない物品の一例として、腕時計やメガネといった金属類が挙げられます。これらは燃え残るだけでなく、ご遺骨を傷つける原因となるためです。
また、プラスチック・ビニール・革製品は、燃焼時に有害ガスが発生したり、設備の故障につながったりする恐れがあるため、入れることができない場合があります。
大型で燃え残りやすいものも同様です。副葬品に関する規則は火葬場によって異なりますので、希望する物品がある場合は、トラブルを避けるためにも、必ず事前に葬儀社の担当者に相談しましょう。
火葬場に同行する人は基本的に近親者のみ
火葬場に同行できるのは、一般的に遺族や親族といった近親者に限られる点に注意が必要です。これは火葬場の収容人数が限られることだけでなく、火葬場で故人を静かに見送るための環境を用意するためでもあります。
ただし、必ずしも血縁のある親族でなければ同行できないわけではなく、最終的には喪主の意向によって判断されます。同行できる人数にも制限があるため、火葬場への同行を希望する場合には早めに喪主に相談するようにしましょう。
骨壺の保管方法に注意する
火葬を終えた後、故人の遺骨は骨壺と呼ばれるツボに収納され、遺族に渡ります。骨壺は四十九日法要が終わった後にお墓に納めることが多いのですが、それまで遺骨を自宅で保管する場合もあり、保管方法には細心の注意が必要です。
重要なことは直射日光を避け、気温差が少ない風通しのよい場所に置くこと。特に、カビが発生しやすい湿気のある場所に置くのは避けましょう。特に仏壇の中やその付近は湿気や直射日光を避けやすく、故人をしのぶ場所としてもふさわしいため、遺骨を保管する場所としておすすめです。
不明点を解消して後悔のない火葬を行おう
今回は火葬の内容や実際に火葬を行う際の流れについて解説しました。自分に合った火葬を行うためには、事前の相談や見積もりをしっかり行うことが重要です。不安や不明点があれば、葬儀の専門家である葬儀社に相談することを強くおすすめします。
イオンのお葬式では、お客様のニーズを満たすために、一般葬、一日葬、火葬式、家族葬のすべてに対応できる葬儀プランをご用意しています。火葬や葬儀でお悩みの場合は、まずお気軽にご相談ください。24時間365日、専門のスタッフが相談を受け付けております。
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