相続税の基礎控除とは?計算方法と申告が必要になる額を解説
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相続税・相続税相談
- 新着 更新日:2026.05.20
- 相続税・相続税相談
相続税の基礎控除とは?計算方法と申告が必要になる額を解説

相続税の基礎控除とは、遺産を相続する際に一定額まで税金がかからない非課税枠のことです。
遺産の総額がこの基礎控除額を下回る場合、原則として相続税の申告や納税は必要ありません。
この記事では、基礎控除額の計算方法や、申告が必要になる具体的なケースについて詳しく解説します。
相続税の基礎控除とは?遺産が非課税になるボーダーライン
相続税の基礎控除とは、相続財産のうち、課税対象から差し引くことができる一定の金額を指します。
いわば、相続税が非課税になるボーダーラインであり、遺産の総額がこの金額以下であれば相続税はかかりません。
反対に、遺産総額が基礎控除額を上回った場合、その超えた部分に対して相続税が課されることになります。
この制度は、故人の遺族の生活保障や、少額의遺産にまで課税する煩雑さを避ける目的で設けられています。
【早見表つき】相続税の基礎控除額の計算方法
相続税の基礎控除額は、簡単な計算式で算出できます。
ご自身の状況に当てはめてシミュレーションすることで、相続税の申告が必要かどうかの目安を立てることが可能です。
ここでは、具体的な計算方法を解説するとともに、法定相続人の人数別に基礎控除額がひと目でわかる早見表も用意しました。
計算の手間を省きたい方は、ぜひこの早見表をご活用ください。
基礎控除の計算式:3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
相続税の基礎控除額を求める計算式は、「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」です。
この計算式は、3,000万円の固定額と、法定相続人1人あたり600万円の比例額を合計して算出する仕組みになっています。
したがって、法定相続人の数が多ければ多いほど、非課税となる基礎控除額も大きくなります。
この600万という金額は、2015年の税制改正で引き下げられた後の現在の基準です。
法定相続人の人数別|基礎控除額がわかる早見表
以下の表は、法定相続人の人数に応じた基礎控除額をまとめたものです。
ご自身のケースに当てはまる人数を確認し、おおよその金額を把握しましょう。
例えば、相続人が配偶者と子供2人の合計3人であれば、基礎控除額は4,800万円です。
法定相続人がいない場合、基礎控除額は3,000万円となります。
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円
5人6,000万円
基礎控除の計算に必須!法定相続人の数え方を解説
基礎控除の計算において、法定相続人の数を正確に把握することは極めて重要です。
誰が法定相続人にあたるのか、その考え方を間違えると基礎控除額に大きな違いが生じ、申告の要否判断を誤る可能性があります。
相続関係は家庭によって様々であるため、基本的なルールだけでなく、特殊なケースにおける数え方の考え方も理解しておく必要があります。
誰が法定相続人になる?範囲と優先順位を確認しよう
法定相続人になれる人の範囲と順位は民法で定められています。
被相続人の配偶者は、常に法定相続人となります。
配偶者以外の相続人には優先順位があり、第一順位は子供です。
子が既に亡くなっている場合は、その子である孫が代襲して相続人になります。
第一順位の相続人がいない場合、第二順位である父母が相続人となり、第二順位もいない場合は第三順位の兄弟姉妹が相続します。
兄弟姉妹が亡くなっている場合は、その子供である甥や姪が代襲相続します。
例えば、相続人が配偶者のみの場合や、妻と子2人といったケースが一般的です。
【ケース別】法定相続人の人数を数える際の4つの注意点
法定相続人の人数を数える際には、いくつか注意すべき点があります。
まず、相続放棄をした人がいても、基礎控除の計算上は法定相続人の数に含めます。
一方、相続欠格や廃除によって相続権を失った人は人数に含みません。
養子の扱いについては、被相続人に実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人まで法定相続人の数に含めることが可能です。
また、被相続人より先に子が死亡している場合は代襲相続が発生し、その子供(孫)が相続人としてカウントされます。
離婚した元配偶者や内縁関係の人など、法定相続人以外は人数に含めません。
遺産総額はいくら?相続税の申告が必要か判断する基準
相続税の申告が必要になるかどうかは、課税対象となる遺産総額が基礎控除額を超えるか否かで決まります。
したがって、まずは被相続人が残した財産が全体でいくらになるのかを正確に把握することが最初のステップです。
遺産額はいくらになるのか、プラスの財産とマイナスの財産をすべて洗い出して計算し、基礎控除額と比較します。
遺産総額が基礎控除額以下なら相続税の申告は原則不要
計算した遺産総額が、基礎控除額の範囲内であった場合、相続税は課税されません。
そのため、原則として税務署への相続税申告は不要です。
例えば、法定相続人が3人で基礎控除額が4,800万円の場合、遺産総額がこの金額以下であれば、特別な手続きは必要ありません。
多くの相続は、この基礎控除の範囲内に収まるため、申告が不要となるケースが多数を占めます。
遺産総額が基礎控除額を超えたら相続税の申告が必要
遺産総額が基礎控除額を1円でもオーバーした場合、相続税の申告手続きが必要です。
申告と納税には期限があり、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に行わなければなりません。
この期限内に手続きを完了しないと、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課される可能性があります。
したがって、遺産総額が基礎控除を超えたと分かった時点で、速やかに申告の準備を始めることが重要です。
【要注意】税金が0円でも申告が必要になる特例とは?
相続税には、基礎控除以外にも税負担を軽減するための特例が設けられています。
これらの特例を適用した結果、計算上の納税額が0円になることがあります。
しかし、税金が0円になるからといって、申告が不要になるわけではありません。
むしろ、これらの特例の適用を受けるためには、期限内に相続税申告書を提出することが要件となっているため、注意が必要です。
「配偶者の税額軽減」を適用して納税額が0円になる場合
「配偶者の税額軽減」とは、配偶者が相続した遺産のうち、法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い金額までは相続税がかからないという制度です。
この特例は非常に強力で、多くの場合、配偶者の納税額は0円になります。
ただし、この軽減措置の適用を受けるためには、たとえ納税額が0円になったとしても、必ず相続税の申告書を税務署に提出しなければなりません。
「小規模宅地等の特例」を適用して納税額が0円になる場合
「小規模宅地等の特例」は、被相続人が居住していた自宅の土地や、事業用に使っていた土地の評価額を最大で80%減額できる制度です。
この特例を適用することで、課税対象となる遺産総額が大幅に圧縮され、結果として基礎控除額を下回り、納税額が0円になるケースがあります。
この場合も「配偶者の税額軽減」と同様に、特例を適用する旨を記載した相続税申告書の提出が必須です。
申告要否の判断前に知っておきたい相続財産の正しい計算方法
相続税の申告が必要かどうかを判断するための遺産総額の計算は、相続人同士の財産の分け方とは切り離して考えます。
遺言書がある場合でも、まずは遺産分割前の財産全体を評価し、そこから基礎控除を差し引いて課税対象額を算出します。
遺言による遺贈や、法定相続分と異なる按分での遺産分割協議、遺留分の請求などは、その後の各相続人の納税額の計算には影響しますが、申告要否の判断基準となる遺産総額の計算段階では考慮しません。
プラスの財産:預貯金・不動産・有価証券などを合算する
相続財産として計上すべきプラスの財産には、現金や預貯金(預金)はもちろん、土地や家、建物といった不動産、上場企業の株などの株式、投資信託といった有価証券が含まれます。
その他にも、自動車、ゴルフ会員権、書画骨董など、金銭的価値のあるものはすべて評価して合算する必要があります。
これらの財産を一つひとつ評価し、合計額を算出することが遺産総額を確定させる第一歩です。
マイナスの財産:借入金や葬儀費用は差し引ける
被相続人が残した財産はプラスのものだけとは限りません。
住宅ローンなどの借金や、未払いの医療費といった債務も相続の対象となります。
これらのマイナスの財産は、プラスの財産の総額から差し引くことが可能です。
また、被相続人の葬儀にかかった費用も、相続財産から控除できます。
これらを正確に把握し差し引くことで、課税対象となる遺産総額を正しく計算できます。
みなし相続財産:生命保険金と死亡退職金の非課税枠
被相続人の死亡によって支払われる生命保険金や死亡退職金は、民法上の相続財産ではありませんが、税法上は「みなし相続財産」として相続税の課税対象になります。
ただし、これらの財産には「500万円×法定相続人の数」で計算される非課税枠が設けられています。
例えば、法定相続人が3人なら1,500万円まで非課税となります。
この非課税枠を超える部分の保険金や退職金が、他の相続財産と合算して課税対象となります。
基礎控除以外に利用できる相続税の6つの控除・特例
相続税の計算では、基礎控除の他にも税負担を軽減できる様々な控除や特例が用意されています。
これらの制度を適切に利用することは、有効な相続税対策となります。
要件を満たすことで、納税額を最大でゼロにすることも可能です。
ここでは、代表的な6つの特別控除や特例について、その概要を紹介します。
配偶者の税額軽減
配偶者が相続した財産が、法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い金額までであれば、相続税がかからない制度です。
一次相続(例:父から母への相続)では非常に効果的ですが、次の二次相続(例:母から子への相続)で子供の税負担が増える可能性があるため、長期的な視点での検討が求められます。
未成年者控除
相続人が18歳未満の未成年者である場合に適用される控除です。
対象者が満18歳になるまでの年数1年につき10万円が相続税額から控除されます。
この制度は、扶養が必要な未成年者の生活を保障する目的で設けられています。
計算期間に1年未満の端数がある場合は、1年として切り上げて計算します。
障害者控除
相続人が法律上の障害者である場合に受けられる控除です。
その人が満85歳になるまでの年数1年につき10万円(特別障害者の場合は20万円)が相続税額から差し引かれます。
この制度は、障害を持つ相続人の生活を支援し、税負担を軽減することを目的としています。
相次相続控除
最初の相続(一次相続)から10年という短い期間内に、次の相続(二次相続)が発生した場合に適用できる控除です。
一次相続の際に課された相続税額の一部を、二次相続の相続税額から差し引くことができます。
短期間に相続が続いたことによる過重な税負担を軽減するための制度で、一次相続の後、年数が経つほど控除額は少なくなります。
暦年課税分の贈与税額控除
相続開始前の一定期間内に行われた生前贈与は、相続財産に加算して相続税を計算する必要があります。
この期間は、2024年1月1日以降の贈与から、従来の3年以内から段階的に7年以内に延長されます。
その際、贈与時に納付した贈与税額を、算出された相続税額から控除できます。
年間110万円の基礎控除内の贈与も加算の対象です。
なお、相続時精算課税制度を利用した贈与は、時期にかかわらず全て相続財産に加算されます。
小規模宅地等の特例
被相続人の自宅や事業用の敷地など、特定の土地の評価額を最大で80%減額できる制度です。
適用できれば相続財産を大幅に圧縮できるため、節税効果が非常に大きい特例といえます。
なお、相続人が被相続人の配偶者や一親等の血族(子や親)以外の場合、相続税額が2割加算される規定がありますが、この特例の適用自体は可能です。
相続税の基礎控除に関するよくある質問
ここでは、相続税の基礎控除について多くの方が抱く疑問点や、具体的な計算例などをQ&A形式で解説します。
ご自身の状況と照らし合わせながら、理解を深めるための参考にしてください。
Q. 遺産総額がいくらまでなら相続税の申告は不要ですか?
遺産総額が基礎控除額以内であれば、原則として相続税の申告は不要です。
「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算した金額の範囲内に遺産が収まるか確認してください。
ただし、特例を適用して納税額が0円になる場合は申告が必要です。
Q. 夫が亡くなり、相続人が妻と子供2人の場合、基礎控除はいくらになりますか?
4,800万円です。
この計算例では、法定相続人が妻と子供2人の合計3人になるため、計算式は「3,000万円+(600万円×3人)」となります。
遺産総額がこの金額を超えなければ、原則として相続税はかかりません。
Q. 故人の借金や葬儀費用も遺産総額から差し引けますか?
はい、差し引けます。
故人が残した借金や未払金などの債務、そして葬儀にかかった費用は、預貯金や不動産などのプラスの財産から控除できます。
これらには、非課税財産や墓地・仏具の購入費用など一部対象外のものもあります。
まとめ
相続税の基礎控除は、2015年の税制改正によって大幅に引き下げられました。
2014年以前は「5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)」でしたが、この基準が変わったことで、課税対象となる人の割合が増加したという推移があります。
日本の税制は財務省や国税庁が管轄しており、相続税の申告は故人の住所地を管轄する税務署に行います。
2024年以降は生前贈与加算の期間が変更されるなど、税制は変わる可能性があります。
2025年以降の動向も注視が必要です。
申告要否の判断に迷う場合は、税理士などの第三者に相談することをお勧めします。
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