弔慰金とは?相続税は非課税?香典との違いや相場・渡し方を解説
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- 新着 更新日:2026.03.17
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弔慰金とは?相続税は非課税?香典との違いや相場・渡し方を解説

弔慰金とは、従業員やその家族が死亡した際に会社から遺族へ渡されるお金です。
この制度について、遺族の立場では相続税が非課税になるのか、金額の相場はいくらか、香典とはどう違うのかといった疑問が生じます。
一方、会社側としては失礼のない渡し方やマナー、社内での手続きが重要です。
この記事では、弔慰金の基本的な意味から、非課税限度額の計算方法、香典との違い、立場別の金額の相場、そして具体的な渡し方や手続き、お返しの要否までを網羅的に解説します。
弔慰金とは?会社から遺族へのお悔やみの気持ちを表すお金
弔慰金とは、会社の役員や従業員が亡くなった際に、企業が福利厚生の一環としてその遺族に支給するお金のことです。
これは慶弔金や見舞金の一種であり、故人への弔意と遺族への慰めの意味を持っています。
また、故人が生前に会社へ貢献したことに対する慰労や功労に報いるという意味合いも含まれます。
この慶弔見舞金の制度は法律で定められたものではなく、各企業が任意で設ける福利厚生制度です。
そのため、支給の有無や金額は、会社の慶弔規程によって定められています。
弔慰金と香典の明確な違いを4つのポイントで比較
弔慰金と香典は、どちらも故人を悼む気持ちを表すために渡される金銭ですが、その性質は大きく異なります。
両者はしばしば混同されがちですが、支給元や目的、金額の相場、お返しの必要性といった点で明確な違いがあります。
これらの違いを理解することは、遺族としても会社側としても適切な対応をとるために重要です。
ここでは、弔慰金と、その類語とも捉えられがちな香典との違いを4つの具体的なポイントに分けて比較し解説します。
違い①:誰が誰に渡すか(支給元・受取人)
弔慰金と香典の最も大きな違いは、誰が誰に渡すかという点にあります。
弔慰金の支給元は、故人が所属していた会社や団体などの法人です。
受取人は、亡くなった社員の配偶者や子といった遺族になります。
一方、香典は、故人の友人、知人、同僚といった個人から、故人の遺族に対して渡されます。
会社が社員の家族が亡くなった際に金銭を渡す場合は、弔慰金ではなく「香典」や「見舞金」として会社の経費から支出されることが一般的で、対象者や支給の目的が異なります。
違い②:渡す目的
渡す目的にも明確な違いがあります。
弔慰金は、会社の福利厚生制度の一環として、故人の生前の功労に報い、遺された家族の生活を支えるといった慰めの目的で支給されます。
これは会社から遺族への弔意を示すものです。
対照的に、香典は故人への供養の気持ちを表すと同時に、突然の不幸に見舞われた遺族の金銭的負担、特に葬儀費用などを少しでも助け合うという相互扶助の目的を持っています。
したがって、弔慰金は生命保険や保険金とは性質が異なる会社の制度です。
違い③:金額の相場観
金額の相場も大きく異なります。
弔慰金の金額は、会社の慶弔規程によって定められており、故人の役職や勤続年数に応じて算出されるのが一般的です。
そのため、数万円から、役員などでは100万円を超えるような高額になるケースもあります。
中小企業でも、規程に基づいて一定の金額が支払われます。
一方、香典の金額は、渡す側と故人との関係性の深さによって決まり、一般的には友人なら5,000円から1万円、親族なら1万円から10万円程度が相場とされています。
違い④:お返し(香典返し)の必要性
お返しの必要性についても違いがあります。
弔慰金は会社の福利厚生制度に基づく支給であり、故人への慰労の意味合いが強いことから、遺族から会社へのお返しは原則として必要ありません。
つまり、お返しはなし、というのが基本的な考え方です。
これに対して、個人からいただく香典については、四十九日の法要後などに香典返しとして返礼品を贈るのが日本の一般的な習慣となっています。
この点も、両者を区別する重要なポイントです。
弔慰金に相続税はかかる?非課税限度額の計算方法
弔慰金の受け取りに関して、遺族が最も気になる点の一つが税金の問題です。
特に高額な弔慰金の場合、相続税の課税対象になるのか不安に感じるかもしれません。
国税庁の指針により、弔慰金には一定の非課税限度額が定められており、この額を超えなければ相続税はかかりません。
非課税となる金額は、故人の死亡が業務上のものか、業務外のものかによって計算方法が異なります。
限度額を超えた支払額は「死亡退職金(退職金)」として扱われ、みなし相続財産として課税対象に含まれるため、正しい知識が必要です。
弔慰金の受け取りに相続税は原則かからない
結論として、故人の死亡に対して会社から受取人である遺族へ支払われる弔慰金は、社会通念上相当と認められる金額であれば、原則として相続税はかかりません。
これは、弔慰金が故人への弔意や遺族の生活保障といった意味合いを持つため、相続財産とは性質が異なると考えられているからです。
ただし、非課税とされる金額には上限が設けられており、その限度額を超えた部分については課税対象となる可能性があるため注意が必要です。
【業務外の死亡】非課税限度額の計算式
業務外の事由、例えば病気や私的な事故などで死亡した場合、弔慰金の非課税限度額は以下の計算式で算出されます。
「死亡時における故人の普通給与の6ヶ月分」が非課税となる金額です。
ここでの「普通給与」とは、給料、俸給、賃金、賞与などを指しますが、基本給や役職手当など、毎月固定的に支払われる給与を基準とするのが一般的です。
この計算によって算出された額までの弔慰金であれば、相続税の対象にはなりません。
【業務上の死亡】非課税限度額の計算式
業務上の死亡、いわゆる労災で亡くなった場合、遺族への経済的な影響が大きいことから、非課税限度額は手厚く設定されています。
この場合の非課税限度額の計算式は、「死亡時における故人の普通給与の3年分(36ヶ月分)」です。
業務外の死亡と比較して、非課税枠が大幅に大きくなっているのが特徴です。
なお、この弔慰金とは別に会社から死亡退職金(退職手当金)が支払われる場合、そちらは別の非課税枠が適用されることになります。
非課税限度額を超えた金額は「死亡退職金」として扱われる
弔慰金として受け取った金額が、前述の非課税限度額を超えた場合、その超過分は「死亡退職金」として扱われます。
死亡退職金は「みなし相続財産」とされ、相続税の課税対象です。
ただし、死亡退職金にも「500万円×法定相続人の数」という非課税枠が存在します。
したがって、弔慰金の非課税枠を超えた金額を、この死亡退職金の非課税枠に含めて計算することになります。
退職所得として所得税がかかるわけではなく、あくまで相続税の枠組みで処理されます。
【立場別】弔慰金の金額相場はいくらが目安?
弔慰金の金額はいくらが適切か、一概に決めるのは難しい問題です。
一般的には、支給元が企業なのか国なのかといった立場の違いや、故人の状況によって相場が異なります。
企業が支給する弔慰金は、社内規程に基づいて決定されるため金額に幅があり、数万円から時には100万円を超えるケースも見られます。
例えば、勤続年数が長い社員であれば5万円から10万円、役員であればそれ以上といったように変動するのが通常です。
ここでは、立場別の弔慰金の相場について解説します。
企業の弔慰金は故人の役職や勤続年数で決まる
多くの企業では、弔慰金の支給に関する基準を慶弔見舞規程などで定めています。
その金額は、故人の生前の役職や勤続年数に応じて変動するのが一般的です。
例えば、役員であれば50万円~100万円以上、勤続20年以上の部長クラスで10万円~30万円、勤続5年未満の一般社員で3万円~5万円といった基準が設けられていることがあります。
非常勤役員や顧問など、雇用形態によっても基準が異なる場合があります。
国や地方公共団体から支給される災害弔慰金
弔慰金は企業だけでなく、国や地方公共団体から支給される場合もあります。
代表的なものが「災害弔慰金」で、これは自然災害により死亡した方の遺族に対して市町村から支給されるものです。
金額は、生計維持者が死亡した場合は500万円、その他の家族が死亡した場合は250万円が基準となっています。
また、先の大戦で公務などのため国に殉じた戦没者などの遺族に対しては、精神的痛苦を慰めるため「特別弔慰金」が国から支給される制度もあり、厚生労働省が所管しています。
【会社担当者向け】弔慰金を渡す際のマナーと手続き
従業員の訃報に際し、会社として弔慰金を支給する場合、総務・人事担当者はマナーを守りつつ、事務手続きを滞りなく進める必要があります。
弔慰金の支払いは、会社の慶弔規程に基づく福利厚生の一環であり、会計上は福利厚生費として経費(損金)に算入できます。
規程に定められた支払い手続きを遵守することは、法人として当然の義務です。
ここでは、不祝儀袋の選び方から渡し方、社内での一連の事務手続きの流れまで、会社担当者が押さえておくべきポイントを解説します。
不祝儀袋の選び方と表書きの書き方
弔慰金を包む際は、適切な不祝儀袋を選ぶことがマナーです。水引は白黒または双銀の「結び切り」を選びます。蓮の花が描かれているものは仏式専用なので、宗教が不明な場合は避けるのが無難です。
無地の白い封筒でも問題ありません。表書きの書き方としては、水引の上の中央に「弔慰金」または「御弔慰金」と記載します。水引の下には、会社名をフルネームで、代表者名と役職を併記するのが一般的です。筆か筆ペンを使い、表書きは薄墨で、中袋は濃い墨で書くことが一般的です。慶事で使う「のし」は付けません。
遺族へ弔慰金を渡す適切なタイミングと言葉
弔慰金を渡すタイミングは、葬儀が終わり、遺族が落ち着いた頃合いを見計らって渡すのが一般的です。これは、通夜や葬儀当日は遺族が対応に追われていることが多いため、後日改めて弔問に伺うか、遺族が会社を訪問された際にお渡しするのが、遺族への配慮として丁寧とされています。
弔慰金を渡す際には、「この度はご愁傷様でございます。心よりお悔やみ申し上げます。会社からの弔慰金でございます。どうぞ御霊前にお供えください」といったお悔やみの言葉を添えるのがマナーです。時期や案内の仕方も含め、遺族の心情に配慮することが大切です。
社内規程の確認から支給までの事務手続き
弔慰金の支給にあたっては、まず自社の慶弔規程を確認し、支給対象者、金額、申請に必要な書類などを把握します。
次に、遺族に連絡を取り、必要書類(死亡診断書のコピーなど)の提出を依頼します。
書類が揃ったら、社内稟議を経て支給の承認を得ます。
支給方法は、手渡しか銀行振込が一般的です。
振込の場合、給与とは別の形で処理し、何の支払いであるかが分かるように「弔慰金」と記載した明細書を発行するのが親切です。
最後に、会計処理として福利厚生費などの勘定科目で仕訳を行います。
【遺族向け】弔慰金を受け取る際の流れとお返しの要否
ご家族が亡くなられ、故人の勤務先から弔慰金を受け取ることになった遺族の方は、何をすべきか戸惑うかもしれません。
多くの場合、会社側から手続きに関する案内がありますが、基本的な流れを把握しておくと安心です。
申請に必要な書類や、手続きの期限などを確認することが重要になります。
また、高額な弔慰金を受け取った場合、香典返しのように「お返し」が必要なのかどうか悩む方も少なくありません。
ここでは、遺族の立場から見た弔慰金の受け取り手続きと、お返しの要否について解説します。
会社からの弔慰金を受け取るために必要な手続き
通常、弔慰金の支給については、故人が所属していた会社の総務・人事担当者から遺族へ連絡があり、手続きの案内がなされます。
遺族側で準備するものは、会社から求められる書類です。
一般的には、故人の死亡を証明する「死亡診断書」や「死体検案書」のコピー、弔慰金の受取人となる遺族の身分証明書、振込を希望する場合は振込先口座の情報などが必要になります。
手続きに関して不明な点があれば、遠慮なく会社の担当部署に問い合わせて確認することが大切です。
弔慰金に対するお返し(香典返し)は基本的に不要
会社から受け取った弔慰金に対して、個人からいただく香典のように品物でお返しをする必要は基本的にありません。
なぜなら、弔慰金は会社の福利厚生制度の一環であり、故人の功労に報いる意味合いを持つため、お礼の対象とは考えられていないからです。
もし、どうしても感謝の気持ちを伝えたい場合は、会社の代表者宛てにお礼状を送るか、四十九日などが過ぎて落ち着いた頃に挨拶に伺い、菓子折りなどを持参する程度で十分な対応と言えます。
弔慰金に関するよくある質問
弔慰金については、個別のケースで様々な疑問が生じることがあります。
例えば、雇用形態による支給対象の範囲や、複数の会社から受け取った場合の税金の扱い、そもそも会社に支払い義務はあるのかといった点です。
ここでは、これまで解説してきた内容を補足する形で、弔慰金に関して特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q1. 亡くなったのがパート・アルバイトの場合、弔慰金は支給されますか?
会社の慶弔規程によります。
弔慰金の支給対象を正社員のみに限定している会社もあれば、パートやアルバイトといった非正規雇用の従業員も対象に含めている会社もあります。
法律で定められた制度ではないため、最終的には各企業の判断に委ねられています。
ご自身のケースで支給対象となるかどうかは、故人が勤務していた会社の総務・人事担当者に直接確認するのが最も確実です。
Q2. 複数の会社から弔慰金を受け取った場合、非課税枠はどうなりますか?
非課税枠は、弔慰金の支払い元ごとに個別に適用されます。
例えば、A社とB社の両方から弔慰金を受け取った場合、A社からの弔慰金に対してA社の給与を基にした非課税枠が、B社からの弔慰金にはB社の給与を基にした非課税枠がそれぞれ計算されます。
複数の弔慰金を合算して一つの非課税枠を適用するわけではありませんので、それぞれの会社で非課税限度額の範囲内であれば相続税はかかりません。
Q3. 会社が弔慰金を支払うことは法律で義務付けられていますか?
法律上の支払い義務はありません。
弔慰金は、あくまで会社が任意で設ける福利厚生制度の一環です。
したがって、慶弔規程そのものがない会社も存在します。
ただし、就業規則や労働協約、慶弔規程などで弔慰金の支給が定められている場合は、会社はその規程に従って支払う義務を負うことになります。
規程の有無や内容は、会社によって異なります。
まとめ
弔慰金は、会社が故人への弔意と遺族への慰めを示すために支給する大切な制度です。
遺族にとっては、原則として相続税が非課税となるなど、税制上の配慮がなされています。
ただし、非課税には限度額があり、業務上の死亡か否かで計算方法が異なる点を理解しておく必要があります。
また、会社担当者にとっては、マナーを守り、規程に沿った適切な手続きを行うことが求められます。
国から支給される災害弔慰金や戦没者遺族への特別弔慰金といった制度も存在します。
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