文字サイズ
  • 24時間
    365日
  • 携帯電話
    OK
  • 資料請求・相談無料

0120-635-014

MENU

CLOSE

お通夜の流れや服装・持ち物などのマナーを徹底解説【香典・焼香の作法等】

お葬式の知識やマナー、宗派や喪主のこと、そして用語集など、
知っておくべき情報をお届けします。ぜひご活用ください

この記事は
「イオンのお葬式」
が書いてます

葬儀では普段耳慣れない言葉が多く、
独自の作法や意味を持つものもあります
慌てないためにも、私たち「イオンのお葬式」が
わかりやすくご紹介します

お葬式・法要の知識・マナー

お通夜の流れや服装・持ち物などのマナーを徹底解説【香典・焼香の作法等】

お通夜の流れや服装・持ち物などのマナーを徹底解説【香典・焼香の作法等】

急な訃報を受け、初めてお通夜に参列することになった際、多くの人が流れや服装、香典などのマナーに戸惑うものです。
お通夜とは故人と過ごす最後の夜であり、その意味を理解することが大切です。
この記事では、お通夜の基本的な知識から、日程の決まり方、参列時の服装や持ち物、香典の準備、当日の流れまでを網羅的に解説します。

近年増えている「小さなお葬式」のような家族葬でも基本は同じであり、いざという時に慌てないための実践的なマナーを紹介します。
お葬式との違いも理解し、心を込めて故人をお見送りしましょう。

 

まずはお通夜の基本的な意味を知ろう

お通夜とは、故人と親しい人々が最後の夜を共に過ごし、別れを惜しむ儀式です。
その由来や意味を知ることで、儀式の本質をより深く理解できます。
昔は夜通し故人に付き添うのが一般的でしたが、現代では数時間で終わる「半通夜」が主流となるなど、時代と共に形も変化してきました。

しかし、故人を偲び、遺族の悲しみに寄り添うという理由、その根本的な意味は今も変わりません。
ここでは、お通夜の基本的な意味や葬儀・告別式との違いについて解説します。

 

お通夜は故人と過ごす最後の夜

お通夜は、本来、遺族や近親者が夜通し故人のご遺体に付き添い、線香やろうそくの火を絶やさないようにして過ごす儀式でした。
昔は、人が亡くなった時に邪霊が入り込むのを防ぐため、また、医学が未発達だった時代には、24時間ご遺体を安置して本当に亡くなったかを確認し、万が一の蘇生を願う意味合いもありました。
夜中も故人を見守り続けるこの習わしは、文字通り「夜を通す」ことから「通夜」と呼ばれます。

現代では、参列者の負担を考慮し、夕方から2時間程度で終わる「半通夜」が一般的ですが、故人と過ごす最後の夜という大切な意味合いは変わりません。
僧侶が枕元でお経をあげる「枕経」がお通夜の前に行われることもあります。

 

お通夜・葬儀・告別式、それぞれの儀式の目的と違い

お通夜、葬儀、告別式は一連の流れで行われますが、それぞれ目的が異なります。
お通夜は、主に家族や親しい友人・知人が集まり、故人と最後の夜を過ごしながら別れを惜しむ儀式です。
一方、葬儀は遺族や近親者が故人の冥福を祈り、次の世界へ送り出すための宗教的な儀式を指します。
そして告別式は、友人や会社関係者など、一般の参列者が故人に最後の別れを告げる社会的な儀式です。

近年では、葬儀と告別式を合わせて「葬儀・告別式」として執り行われることがほとんどです。
一般的に「お葬式」という言葉は、これら一連の儀式全体を指すことが多いです。
それぞれの儀式の違いと目的を理解しておくことで、参列する際の心構えも変わります。

 

お通夜の日程はいつ?一般的な決め方を解説

訃報を受けてまず気になるのが、お通夜がいつ執り行われるかという日程の問題です。
一般的に、お通夜を行うタイミングには目安がありますが、様々な事情によってスケジュールが変動することもあります。
故人が亡くなってから葬儀社との打ち合わせや会場の手配など、遺族は限られた時間の中で準備を進めなければなりません。

ここでは、お通夜の日程がどのように決まるのか、一般的な決め方や変更になるケースについて解説します。
参列の準備を進める上で、日程の目安を把握しておきましょう。

 

逝去した翌日の夜に行うのが基本

お通夜は故人が亡くなった当日ではなく、その翌日の夜に執り行われるのが一般的です。
逝去当日は遺族がご遺体の安置や葬儀社との打ち合わせ、関係者への連絡などで慌ただしく過ごすため、準備期間として一日空けることがほとんどです。
お通夜の開始時間は平日の仕事帰りの人でも参列しやすいように、夕方の18時や19時から始まるケースが多く見られます。

例えば本日亡くなった場合、お通夜は明日の夕方からと想定しておくと良いでしょう。
ただし、これはあくまで一般的なケースであり、様々な要因で日程がずれる可能性もあるため、正式な案内を待ってから準備を進めることが大切です。

 

火葬場や僧侶の都合で日程が変更になることも

お通夜の日程は、火葬場や読経を依頼する僧侶の都合によって、逝去の翌日以降にずれることがあります。
特に、暦の「六曜」の一つである「友引」の日は、「友を引く」という意味合いから葬儀を避ける風習が根強く残っています。
友引を休業日とする火葬場も多いため、葬儀の日が友引にあたる場合、日程を一日ずらすことが一般的です。
その結果、お通夜の日程も変動します。
六曜は仏教とは直接関係ありませんが、慣習として重視される傾向にあります。

大安や赤口、先負、先勝は特に葬儀と関連付けられることはありません。
また、年末年始は火葬場や寺院が休みに入るため、日程が大きく後ろ倒しになることも考慮しておく必要があります。

 

【参列者向け】お通夜にふさわしい服装のマナー

お通夜に参列する際は、故人や遺族に対し失礼のないよう、服装のマナーを守ることが重要です。
弔問の場にふさわしい装いは、喪に服す気持ちを表すための礼儀です。
基本的には「準喪服」と呼ばれる礼服を着用しますが、急な知らせで駆けつける場合など、状況によっては「略喪服」でも許容されることがあります。

ここでは、男性、女性、子供それぞれの服装や、小物、メイクに至るまで、参列する際に押さえておくべき服装のマナーを詳しく解説します。
適切な喪服の選び方を理解し、落ち着いて準備をしましょう。

 

男性は光沢のないブラックスーツを着用する

男性がお通夜に参列する際の服装は、光沢のない黒無地のスーツ(ブラックスーツ)が基本です。
これは「準喪服」にあたり、一般的なビジネス用の黒いスーツとは異なる、より深い黒色の生地で作られています。
ワイシャツは白無地を選び、色柄のあるものやボタンダウンのシャツは避けます。
ネクタイは光沢のない黒無地を着用し、弔事ではディンプル(くぼみ)を作らずに結ぶのがマナーです。
ネクタイピンは光るものと見なされるため付けません。
靴下も黒の無地を用意しましょう。

夏場であってもジャケットを着用するのが基本で、半袖シャツでの参列は避けるべきです。
急な知らせで駆けつける場合はダークスーツでも許容されますが、できる限り準喪服を準備するのが望ましいです。

 

女性は肌の露出を控えたブラックフォーマルが基本

女性がお通夜に参列する場合、ブラックフォーマルと呼ばれる黒のワンピースやアンサンブル、スーツを着用するのがマナーです。
光沢のない生地で、季節を問わず長袖か七分袖を選び、肌の露出を極力控えることが重要です。
スカート丈は、正座をしても膝が隠れる長さを目安にします。

ストッキングは、30デニール以下の透け感のある黒ストッキングを履くのが基本で、厚手のタイツや網タイツ、素足は避けましょう。
靴は、光沢のない布製または革製の黒いパンプスを選び、ヒールの高さは3〜5cm程度が適切です。
ピンヒールやウェッジソール、つま先の開いたオープントゥの靴は弔事の場にふさわしくありません。

 

「平服で」と案内された場合の服装選びのポイント

遺族から「平服でお越しください」という案内があった場合、これは普段着で良いという意味ではなく、「略喪服」を指します。
参列者の負担を軽減したいという遺族の配慮からこのように伝えられることがありますが、Tシャツやジーンズのようなカジュアルな服装はマナー違反です。
男性の場合は、黒や濃紺、ダークグレーなどのダークスーツを着用します。
女性は、黒や紺、グレーといった地味な色のワンピースやアンサンブルを選びましょう。

仕事帰りに直接弔問する場合、落ち着いた色のビジネススーツであれば問題ありませんが、作業着での参列は避けるべきです。
20代などでまだ喪服を持っていない場合も、リクルートスーツなどで代用できますが、インナーや小物は黒で統一する配慮が求められます。

 

学生や子供は学校の制服が正装となる

学生や子供がお通夜に参列する場合、学校指定の制服があればそれが正式な礼服とみなされます。
制服を着用することで、故人への敬意を表すことができます。
制服の色が明るいものであっても問題ありません。
靴はローファーやスニーカーでも構いませんが、できるだけ黒や紺などの落ち着いた色のものを選び、靴下も黒、白、紺などの派手でない色を合わせます。

制服がない未就学児や赤ちゃんの場合は、黒、紺、グレーなどの地味な色の服装を準備します。
キャラクターがデザインされた服や、華美な装飾のある服は避け、シンプルで清潔感のある装いを心がけましょう。

 

靴・バッグ・アクセサリーなど小物類の選び方

お通夜では服装だけでなく、靴やバッグ、アクセサリーといった小物類にも配慮が必要です。
靴は男女ともに光沢のない黒いものが基本で、金具などの装飾が少ないシンプルなデザインを選びます。
殺生を連想させるワニ革やヘビ革などの素材は避けましょう。
バッグも同様に、光沢のない黒の布製で、小さめのハンドバッグが適しています。

アクセサリーは、基本的に結婚指輪以外は外すのがマナーです。
ただし、涙の象徴とされる一連のパール(真珠)のネックレスやイヤリングは着用が認められています。
不幸が重なることを連想させる二連以上のものは避けてください。
ネイルが派手な場合は落とすのが理想ですが、難しい場合は上からベージュのマニキュアを塗るか、黒い手袋で隠すなどの配慮をします。
爪は短く清潔に整えておきましょう。

 

メイクは派手さを抑えたナチュラルメイクを心がける

お通夜に参列する際のメイクは、華美な印象を与えない「片化粧」が基本です。
これは、派手さを抑えた控えめなメイクを指します。
ノーメイクは、疲れた印象を与えたり、失礼にあたると捉えられたりする場合があるため、最低限の身だしなみとしてナチュラルメイクを心がけましょう。

ファンデーションは薄付きにし、アイシャドウやチークは色味を抑えるか、使用しないのが無難です。
ラメやパール入りの化粧品は避けてください。
アイラインやマスカラも控えめにし、つけまつげは着用しません。
口紅は、ベージュ系などの落ち着いた色にするか、色付きリップクリーム程度にとどめ、グロスのような艶が出るものは避けます。

 

お通夜へ参列する際の持ち物リスト

急な訃報に接し、お通夜へ参列する際には、慌てて準備をすると大切なものを忘れてしまうことがあります。
故人を悼む気持ちをしっかりと伝えるためにも、必要な持ち物は事前に確認しておくことが大切です。

香典や数珠といった弔事ならではの持ち物から、ハンカチなどの身だしなみ用品まで、お通夜に参列する際にいるものをリストアップしました。
いざという時に困らないよう、最低限必要な持ち物をここで確認し、落ち着いて準備を進めましょう。

 

香典は袱紗(ふくさ)に包んで持参する

香典は不祝儀袋をそのまま鞄に入れるのではなく、袱紗に包んで持参するのが正式なマナーです。
袱紗は不祝儀袋が汚れたり折れたりするのを防ぐとともに、相手への弔意と敬意を表す役割があります。

お悔やみの場で使用する袱紗の色は、紫、紺、深緑、グレーなどの寒色系を選びます。
慶事と弔事の両方で使える紫色の袱紗を一つ持っておくと便利です。
袱紗の包み方は、弔事の場合、袱紗をひし形に広げ、中央より少し右に香典袋を置き、右、下、上の順に折りたたみ、最後に左側をかぶせます。
受付で渡す際は、袱紗から香典袋を取り出し、たたんだ袱紗の上に置いて差し出します。

 

自身の宗派に合わせた数珠を用意しよう

数珠は、仏式の葬儀において合掌する際に用いる大切な仏具です。
故人への敬意を表し、自身の煩悩を払う意味合いも込められています。
お通夜や葬儀に参列する際は、個人の持ち物として持参するのがマナーです。

数珠には、各宗派で形が決まっている「本式数珠」と、どの宗派でも使用できる「略式数珠」の二種類があります。
自身の家の宗派が分かる場合は本式数珠が良いですが、不明な場合は略式数珠で問題ありません。
数珠の貸し借りは基本的にしないものとされているため、持っていない場合はこの機会に一つ用意しておくと良いでしょう。
会場内では左手で持ち、焼香の際に合掌して使用します。

 

ハンカチは白か黒のシンプルなものを選ぶ

お通夜に持っていくハンカチは、色やデザインに配慮が必要です。
基本的には白か黒の無地のものが最もふさわしいとされています。
色物や柄物は避け、フォーマルな場に合ったシンプルなデザインを選びましょう。
レースや刺繍が入っているものでも、同色で目立たない程度であれば問題ありません。

素材は綿や麻などが一般的ですが、涙を拭うこともあるため、吸水性の良いものを用意しておくと安心です。
万が一、白や黒のハンカチが手元にない場合は、紺やグレーなどの地味な色の無地のハンカチで代用します。
普段使いのタオルハンカチはカジュアルな印象を与えるため、避けるのが賢明です。

 

香典の準備で押さえておきたい作法

香典は、故人への哀悼の意を表すとともに、急な出費に見舞われた遺族を経済的に支えるという相互扶助の意味合いも持っています。
そのため、お金をただ包むだけでなく、金額の相場や不祝儀袋の選び方、表書きの書き方など、守るべき礼儀作法が数多く存在します。

遺族に失礼のないよう、また、自身の弔意が正しく伝わるように、香典を準備する上での基本的なルールをしっかりと理解しておくことが大切です。
ここでは、香典の準備に関する具体的な作法を解説します。

 

故人との関係性によって変わる香典の金額相場

香典に包む金額は、故人との関係性の深さや自身の年齢によって変わるのが一般的です。
例えば、自分の親や兄弟姉妹といった近い親族の場合は3万円から10万円、祖父母の場合は1万円から5万円程度が相場となります。
友人や知人、会社関係者の場合は5千円から1万円程度が目安です。
友達の親が亡くなった場合は、3千円から1万円程度を包むことが多いでしょう。

香典の金額は「4」や「9」といった死や苦を連想させる数字を避けるのがマナーです。
いくら包むか迷った際は、同じ立場の友人や同僚と相談して金額を合わせるのも良い方法です。
高額すぎるとかえって遺族に気を遣わせてしまうため、相場を参考に適切な金額を包みます。

 

宗教に合わせて選ぶ不祝儀袋(香典袋)の種類

香典を包む不祝儀袋(香典袋)は、故人の宗教・宗派に合わせて選ぶ必要があります。
仏式の場合、水引は黒白か双銀の結び切りを選びます。
表書きは、多くの宗派で使える「御霊前」が一般的ですが、浄土真宗では亡くなるとすぐに仏になると考えられているため「御仏前」を使用します。
宗派が分からない場合は「御香典」と書けば間違いありません。

神式の場合は、水引のない白無地の封筒に「御玉串料」や「御榊料」と書きます。
キリスト教式では、十字架やユリの花が描かれた専用の袋か白無地の封筒を使い、表書きはカトリック・プロテスタント共通で使える「御花料」とします。
慶事で使う熨斗が付いたものは絶対に使用してはいけません。

 

表書きは薄墨でフルネームを記入する

不祝儀袋の表書きは、「悲しみの涙で墨が薄まってしまった」「急な訃報で墨を十分に用意できなかった」という哀悼の意を表すため、薄墨の筆ペンや毛筆で書くのが正式なマナーです。
水引の上段中央に「御霊前」や「御香典」といった名目を書き、下段中央に自分の名前をフルネームで記入します。
名前は名目よりも少し小さめに書くとバランスが良くなります。

夫婦連名の場合は、中央に夫の氏名を書き、その左側に妻の名前のみを書きます。
会社の同僚など3名までの連名であれば、役職が上の人を右から順に書きます。
4名以上の場合は代表者の氏名の左に「外一同」と記し、全員の氏名を書いた別紙を中袋に入れます。

 

中袋に書く金額は旧漢字(大字)を用いるのが正式

香典袋の中袋(中包み)には、表面に包んだ金額を、裏面に住所と氏名を記入します。
この際、金額は算用数字ではなく、旧漢字である「大字(だいじ)」を用いて書くのが正式な作法です。
これは、後から金額を改ざんされるのを防ぐためとされています。
例えば、5千円なら「金伍阡圓」、1万円なら「金壱萬圓」、3万円なら「金参萬圓」と書きます。

数字の前に「金」を、後ろに「圓」を付けるのが一般的です。
裏面の左下には、遺族が香典返しなどを手配する際に困らないよう、郵便番号、住所、氏名をはっきりと読みやすい楷書で記入します。
市販の香典袋には金額や住所を記入する欄が印刷されているものもあるので、それに従って記入しましょう。

 

新札を避け、お札の向きを揃えて中袋に入れる

香典として包むお札は、新札を避けるのがマナーとされています。
これは、新札を用意することで「不幸を予期して準備していた」という印象を遺族に与えかねないためです。
もし手元に新札しかない場合は、一度折り目を付けてから使用する配慮をすることが望ましいです。

ただし、あまりにも汚れていたり破れていたりするお札を使うのは失礼にあたるため、適度に使い古されたきれいなお札を選びましょう。
お札を中袋に入れる際は、全てのお札の向きを揃え、お札に描かれている人物の顔が中袋の裏側(下側)を向くように入れます。
これは、顔を伏せて悲しみを表すという意味合いが込められており、故人への弔意を示す作法の一つです。

 

お通夜当日の一般的な流れとタイムスケジュール

お通夜に参列する際、当日の流れや手順をあらかじめ把握しておくことで、心に余裕を持って故人を偲ぶことができます。
一般参列者の場合、会場に到着してから受付、着席、焼香、そして通夜振る舞いへの参加、退席までが一連の流れとなります。
所要時間は全体で2〜3時間程度が目安です。

故人を棺に納める納棺の儀は、通常お通夜の前に行われますが、主に近親者のみで行われるため、一般参列者が立ち会うことは少ないです。
ここでは、一般参列者としてお通夜に参加する場合の、当日のタイムスケジュールと基本的な手順を解説します。

 

【開式30分前】会場に到着し受付を済ませる

お通夜の会場へは、開式の30分前から15分前までには到着するようにします。
あまり早く到着しすぎると、準備中の遺族や関係者の迷惑になる可能性があるため、1時間前などの早すぎる訪問は避けるのがマナーです。
万が一、交通事情などで遅刻しそうになったり、間に合わないことが分かったりした場合は、分かった時点ですぐに斎場や遺族に連絡を入れましょう。

会場に到着したら、まず受付へ向かい、お悔やみの言葉を述べた後、芳名帳に記帳し、香典を渡します。
コートなどの上着は会場に入る前に脱いでおくのが礼儀です。
受付を済ませたら、係の人の案内に従って式場内に入り、静かに着席して開式を待ちます。

 

【開式】僧侶が入場し読経が始まる

定刻になると司会者から開式の案内があり、お通夜が始まります。
まず、導師である僧侶が入場し、祭壇の前に着席します。
参列者は席に着いたまま合掌し、僧侶を迎えます。
その後、僧侶による読経が始まりますので、参列者は静かに頭を下げて耳を傾けます。

席順は、一般的に祭壇に向かって右側が喪主や遺族、親族が座る親族席、左側が友人や会社関係者などが座る一般席とされています。
一般席の中では、故人との関係が深い順に前から座るのが通例です。
読経の時間は宗派にもよりますが30分から1時間程度です。
この間は私語を慎み、携帯電話の電源を切っておくか、マナーモードに設定しておくことが大切です。

 

【式中】喪主・遺族から順番に焼香を行う

読経が続く中、または一区切りついたところで焼香が始まります。
焼香は、香を焚いて故人の冥福を祈り、自身の心身を清めるための儀式です。
焼香の順番は、故人との関係が深い順に行われるのが基本で、まず喪主から始まり、続いて遺族、親族の順に進みます。
自分の順番が来るまでは、自席で静かに待ちます。

前の人が焼香をしている間は、数珠を左手にかけ、合掌して故人を偲びます。
お焼香のやり方や回数は宗派によって異なりますが、自分の宗派の作法で行っても問題ありません。
もし作法が分からない場合は、前の人のやり方を参考にするか、心を込めて一回だけ焼香すれば良いでしょう。

 

【式中】一般参列者の焼香

遺族・親族の焼香が終わると、続いて一般参列者の焼香に移ります。
司会者や係の人の案内に従い、前から順番に焼香台へと進みます。
自分の番が来たら、まず焼香台の手前で遺族席に向かって一礼し、次に祭壇の遺影に向かって一礼します。
その後、宗派の作法に則って焼香を行い、遺影に向かって合掌・礼拝します。

焼香が終わったら、再度遺影に一礼し、遺族席にもう一度一礼してから自席に戻ります。
友人や会社関係、知人の立場で参列する際は、これが故人と向き合う最後の時間となるかもしれません。
作法に気を取られすぎず、心を込めてお別れをすることが何よりも重要です。

 

【閉式】僧侶が退場し、喪主から挨拶がある

参列者全員の焼香が終わると、僧侶が仏教の教えに基づいた法話を行うことがあります。
その後、僧侶が退場し、お通夜の儀式は閉式となります。
閉式に際して、喪主または遺族の代表者から参列者へ向けて挨拶が行われます。

この喪主挨拶では、参列いただいたことへのお礼や、故人が生前お世話になったことへの感謝の気持ちが述べられます。
また、翌日に執り行われる葬儀・告別式の案内や、この後の通夜振る舞いの案内も、この喪主挨拶の中で伝えられるのが一般的です。
参列者は静粛に耳を傾け、挨拶が終わったら深く一礼します。
その後、司会者から閉式の言葉があり、お通夜は終了となります。

 

【閉式後】通夜振る舞いの席へ案内される

お通夜の閉式後、遺族から「通夜振る舞い」と呼ばれる食事の席へ案内されることがあります。
これは、参列者への感謝を示すとともに、故人の思い出を語り合いながら供養するためのものです。
通夜振る舞いに案内されたら、時間の許す限り参加するのがマナーとされています。
一口でも料理に箸をつけ、飲み物をいただくことが供養になると考えられています。

席では、故人を偲びながら静かに食事をします。
大声での会話や長居は避け、30分から1時間程度で頃合いを見て退席するのが一般的です。
退席する際は、遺族に負担をかけないよう、近くの遺族に「本日はこれで失礼いたします」と静かに挨拶をして会場を後にします。

 

場面別で解説!参列時に慌てないための作法

お通夜には、受付から焼香、通夜振る舞いまで、それぞれの場面で守るべき作法やルールが存在します。
特に初めて参列する場合、どのようにお悔やみを述べればよいか、焼香はどうすればよいかなど、戸惑うことが多いものです。

しかし、事前に一連の流れと各場面での振る舞い方を知っておけば、落ち着いて故人との別れに臨むことができます。
ここでは、受付での挨拶、芳名帳の記帳、焼香の作法など、参列者が特に注意すべきポイントを場面別に詳しく解説します。

 

受付でのお悔やみの言葉と挨拶の仕方

会場に到着したら、まず受付に向かい、受付係の方に挨拶をします。
その際、「この度はご愁傷様です」「心よりお悔やみ申し上げます」といったお悔やみの言葉を簡潔に述べます。
故人の死因を尋ねたり、長々と話したりするのはマナー違反です。
次に、袱紗から香典袋を取り出し、相手から見て正面になるように向きを変え、「御霊前にお供えください」と言葉を添えて両手で渡します。

もし遺族が近くにいる場合は、改めて一礼し、同様にお悔やみの言葉を述べますが、他の方と話しているなど取り込み中の場合は、目礼だけでも構いません。
遺族の負担を考え、手短に済ませる配慮が大切です。

 

芳名帳(カード)へ名前や住所を記帳する

受付では、香典を渡した後に芳名帳への記帳を促されます。
芳名帳は、遺族が誰から香典をいただいたかを把握し、後日お礼状や香典返しを送る際に使用する大切な記録です。
そのため、楷書で丁寧に、フルネームと詳しい住所を記入します。
郵便番号も忘れずに書きましょう。

会社を代表して参列した場合は、会社名、部署名、役職名も併せて記入します。
代理で参列した場合は、本来参列する人の名前を書き、その左下に「(代理)」と記して、自分の名前も書き添えます。
受付が混雑している場合は、手早く書けるよう、事前に住所などをメモしておくとスムーズです。
名刺を差し出すことで記帳の代わりとする場合もありますが、芳名帳への記帳を求められたらそれに従います。

 

宗派ごとに異なる焼香の回数と作法

焼香の作法は宗派によって異なりますが、参列者は必ずしも故人の宗派に合わせる必要はありません。
自身の家の宗派の作法で行っても失礼にはあたりません。
もし作法に自信がなければ、前の人のやり方を参考にするか、心を込めて一礼し、1回だけ焼香すればよいでしょう。

主な宗派の焼香回数は、天台宗や真言宗が3回、曹洞宗が2回、浄土真宗本願寺派が1回など様々です。
また、神式の葬儀では焼香の代わりに玉串を捧げる「玉串奉奠」、キリスト教式では「献花」が行われます。
無宗教の場合は献花や黙祷が一般的です。
形式よりも、故人を悼む気持ちを大切にすることが最も重要です。

 

通夜振る舞いは少しでも参加するのがマナー

通夜振る舞いは、故人への供養と、参列者への感謝の気持ちを込めて設けられる席です。
遺族から案内された場合は、特別な事情がない限り、少しの時間でも参加するのがマナーとされています。
席に着いて一口でも食事に箸をつけ、飲み物をいただくことが供養になると考えられています。
ただし、長居は禁物です。

30分から1時間を目安に、頃合いを見て退席しましょう。
通夜振る舞いは故人を偲ぶ場であり、飲み会ではありません。
大声で話したり、お酒を飲み過ぎたりせず、節度ある振る舞いを心がけます。
退席する際は、遺族に「本日はこれにて失礼いたします」と静かに挨拶をしてから会場を後にします。

 

会話の中で避けるべき「忌み言葉」の例

お悔やみの場では、不幸が続くことを連想させる「忌み言葉」の使用は避けるべきです。
「重ね重ね」「たびたび」「くれぐれも」「ますます」といった重ね言葉は、不幸の繰り返しを暗示するため使いません。
「死」や「苦」を連想させる「四」や「九」といった数字も避けます。

また、「死ぬ」「死亡」「生きる」といった直接的な表現は避け、「ご逝去」「ご生前」といった丁寧な言葉に言い換えるのがマナーです。
うっかり使ってしまわないよう、遺族と話す際は言葉選びに注意が必要です。
これらの言葉は結婚式などでも避けられますが、弔事特有の忌み言葉もあるため、事前に確認しておくと安心です。

 

まとめ

お通夜への参列は、故人を偲び、遺族と悲しみを分かち合うための大切な機会です。
急な訃報で遠方などの理由により参加できない場合は、弔電を打ったり、供花や供物、線香などのお供え物を手配したりして弔意を示す方法もあります。
生花や花輪といった供花を送る際は、遺族の意向や斎場のルールを確認してから手配することが重要です。
近年増えている家族葬では、香典や供物を辞退されることも多いため、案内に従うのが基本です。

お通夜が終わった後、遺族は返礼品の準備や法事の段取りなどで多忙を極めます。
何か手伝いを申し出る際は、相手の負担にならないよう配慮が必要です。
お悔やみの連絡をメールやLINEで行うのは、親しい間柄であっても慎重に行うべきです。
これらのマナーを心に留め、心を込めて故人を無事に見送ることが何よりも大切です。

ちょっとした疑問やお悩みも多数
ご相談いただいております

早期申し込みがおトク!
「そなえ割」 年会費0円・入会費0円 最大割引60,000円(税別) 「そなえ割」 年会費0円・入会費0円 最大割引60,000円(税別)