袱紗(ふくさ)とは?| 結婚式・香典での色や種類、包み方・渡し方のマナー
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お葬式・法要の知識・マナー
- 新着 更新日:2025.10.31
- お葬式・法要の知識・マナー
袱紗(ふくさ)とは?| 結婚式・香典での色や種類、包み方・渡し方のマナー

袱紗は結婚式のご祝儀やお葬式の香典など、冠婚葬祭の場で金封を包むために使われる布です。
単に金封を汚れから守るだけでなく、相手への礼儀や心遣いを示す大切なマナーアイテムでもあります。
袱紗とは何か、その基本的な意味からTPOに合わせた色や種類の選び方、正しい包み方や渡し方のマナーまで、知っておきたい知識を解説します。
いざという時に慌てないよう、正しい使い方を身につけておきましょう。
袱紗とはご祝儀や香典を汚さず持ち運ぶための布
袱紗とは、ご祝儀袋や香典袋などの金封が汚れたり、水引が崩れたりしないように包んで持ち運ぶための布のことです。
袱紗について、その本来の用途は貴重品などを納めた箱の上に掛ける風呂敷でしたが、時代とともに進物などを包む小さな布を指すようになりました。
金封をむき出しのまま鞄などから取り出すのはマナーに反するとされており、袱紗に包むことで、相手への丁寧な気持ちや敬意を表すという意味合いがあります。
相手への礼儀や心遣いを示す大切な役割があります
袱紗を使用することは、金封を保護する実用的な意味合いだけでなく、相手への敬意や弔意を示すための大切なマナーです。
礼服を着用するような正式な場において、ご祝儀や香典を袱紗に包んで持参することは、社会人としての基本的なルールとされています。
金封をそのまま鞄から出すのではなく、袱紗から丁寧に取り出して渡す一連の所作が、贈り主の丁寧な人柄や相手を思う心遣いを表現します。
このように、袱紗は単なる布ではなく、日本の伝統的な儀礼文化において、人と人との関係を円滑にするための重要な役割を担っています。
【シーン別】袱紗の選び方を3つのポイントで解説
袱紗を選ぶ際には、どのようなシーンで使うかを考慮することが重要です。
袱紗には様々な種類があり、慶事と弔事ではふさわしいものが異なります。
ここでは、TPOに合わせた袱紗の選び方について、「形」「色」「柄」という3つのポイントに分けて解説します。
伝統的なものから現代的で使いやすいものまで、それぞれの特徴を理解することで、自分に合った一枚を見つけられます。
男性でも女性でも使えるデザインや、特に人気のタイプも紹介します。
ポイント1:形で選ぶ|伝統的な「包むタイプ」と便利な「挟むタイプ」
袱紗の形は、大きく分けて伝統的な「包むタイプ」と、現代的で便利な「挟むタイプ」の2種類があります。
包むタイプは風呂敷タイプとも呼ばれ、一枚の布で金封を包むため、より丁寧な印象を与えます。
このタイプには、四隅に爪が付いた「爪付き袱紗」や、型崩れしにくい「台付き袱紗」があります。
一方、挟むタイプは金封袱紗とも呼ばれ、二つ折りの財布のような形状で、ポケットに金封を差し込むだけで使えます。
コンパクトで扱いやすく、留め具や紐が付いているものもあり、初心者にも簡単です。
風呂敷のように金封を包むタイプの袱紗
風呂敷のように金封を包むタイプの袱紗は、正方形の布でできており、最も格式が高いとされる伝統的な形式です。
一枚の布で丁寧に包む所作そのものが、相手への敬意を表すと考えられています。
このタイプには、裏地に芯となる台が入っていて型崩れしにくい「台付き袱紗」や、布の四隅に留めるための爪が付いている「爪付き袱紗」、布だけのシンプルな「掛け袱紗」といった種類が存在します。
素材は正絹のちりめんや綸子(りんず)などが用いられることが多く、上質なものは長く使用できます。
格式を重んじる場面や、目上の方へ金封を渡す際に適しています。
出し入れが簡単な挟むタイプ(金封袱紗)
出し入れが簡単な挟むタイプの袱紗は「金封袱紗」とも呼ばれ、財布のような形状をしています。
ポケットに金封を滑り込ませるだけで簡単に収納できるため、包む手間がかからず、受付でスムーズに対応できるのが最大の利点です。
包むタイプに比べると略式とされていますが、近年ではその手軽さから広く普及しており、デザインのバリエーションも豊富です。
初めて袱紗を持つ人や、スマートさを重視する人にとっては非常に使いやすいでしょう。
ただし、非常に格式高い場や、伝統を重んじる相手へ渡す際には、より丁寧な印象を与える包むタイプを選ぶ方が無難な場合もあります。
ポイント2:色で選ぶ|お祝い事とお悔やみ事でふさわしい色が異なる
袱紗選びで最も重要なポイントは、慶事とお悔やみ事で色を使い分けることです。
お祝い事では赤やオレンジなどの暖色系、お悔やみ事では紺や緑などの寒色系を選ぶのが基本マナーです。
もし迷った場合や、どちらの場面でも使えるものを一つ持ちたい場合は、慶弔両用の紫色を選ぶと良いでしょう。
素材は正絹が最も格調高いとされますが、手入れのしやすい化学繊維製も多くあります。
茶色系の袱紗は慶弔どちらにも使えるという考え方もありますが、TPOを考えると避けた方が無難です。
結婚式などのお祝い事で使う赤やオレンジなどの暖色系
結婚式や出産祝いといったお祝いの席では、喜びや祝福の気持ちを表す明るい色の袱紗を選びます。
具体的には、赤、ピンク、オレンジ、えんじ、金、朱色などの暖色系が適しています。
これらの色は縁起が良いとされ、華やかな場の雰囲気にふさわしい色合いです。
特に赤やえんじ色はお祝いの基本色として古くから用いられてきました。
柄が入っている場合は、鶴亀や松竹梅といった吉祥文様を選ぶと、よりお祝いの気持ちが伝わります。
慶事用の袱紗を一枚持っておくと、様々なお祝いのシーンで活用できます。
お葬式などのお悔やみ事で使う紺や緑などの寒色系
お葬式やお通夜、法事といったお悔やみ事の場面では、故人を悼み、悲しみに寄り添う気持ちを表すため、控えめで落ち着いた色の弔事用袱紗を使用します。
具体的には、紺色、深緑、緑色、藍色、ねずみ色といった寒色系が適切です。
これらの色は悲しみを表現するのにふさわしいとされています。
黒色の袱紗も弔事用として使用できますが、地域や慣習によっては喪主側が用いる色とされることもあるため、参列者は濃紺や深緑などを選ぶとより無難です。
青色系統を選ぶ際は、明るい水色などは避け、深く沈んだ色合いのものを選びましょう。
慶事と弔事のどちらにも対応できる紫色の袱紗
慶事と弔事の両方で使える袱紗を探している場合、紫色のものが最も適しています。
紫は古来より高貴な色とされ、お祝いの席でもお悔やみの席でも失礼にあたらない唯一の色として広く認知されています。
特に濃い紫色の袱紗は、性別や年齢を問わず使用でき、一つ持っておけば様々な冠婚葬祭の場面で対応できるため非常に便利です。
慶事で使用する際は赤みがかった紫、弔事で使用する際は青みがかった紫を選ぶと、より丁寧な印象を与えられます。
また、表裏で色が違うリバーシブルタイプのものも販売されており、慶弔両用として重宝します。
ポイント3:柄で選ぶ|お祝い事には縁起の良い柄を選びましょう
袱紗を選ぶ際には、色だけでなく柄や模様にも注意が必要です。
お祝い事で使用する袱紗には、縁起が良いとされる吉祥文様が描かれたものを選ぶと、祝福の気持ちをより表現できます。
例えば、長寿を意味する鶴亀や松竹梅、夫婦円満を象徴する鴛鴦(おしどり)、華やかな鳳凰や宝尽くしといった柄が慶事に適しています。
美しい刺繍が施されたものも、お祝いの場を彩ります。
逆にお悔やみ事で使用する袱紗は、柄のない無地が基本です。
もし柄が入っているものを選ぶ場合は、蓮や菊、蘭といった弔事を連想させる控えめな模様に留めましょう。
【図解】袱紗の正しい包み方|慶事と弔事の違いを解説
袱紗の使い方は、お祝い事である「慶事」と、お悔やみ事である「弔事」で包み方が異なります。
この違いは、喜びと悲しみを形に表すための大切な作法であり、布を重ねる順番や左右の開き方が逆になります。
正しい袱紗の包み方を身につけることで、相手に合わせた適切な心遣いを示すことができます。
ここでは、伝統的な「包むタイプ」の袱紗を例に、慶事と弔事それぞれの正しい使い方を図解でわかりやすく解説します。
結婚式などお祝い事(慶事)での包み方【右開き】
結婚式などの慶事では、袱紗を「右開き」になるように包みます。
これは、吉事は右側が優先される「右前」の考え方に基づき、「幸せや喜びを受け止め、逃さないように」という意味が込められています。
まず、袱紗をひし形に広げ、爪がある場合は右側にくるように置きます。
中央よりやや左にご祝儀袋を置き、左→上→下の順で角を折りたたみます。
最後に右側の角をかぶせるように折り、余った部分を裏側に回します。
この手順で包むと、開く際に右側から開く形になります。
ご祝儀袋の向きにも注意し、表書きが読めるように配置しましょう。
お葬式などお悔やみ事(弔事)での包み方【左開き】
お葬式やお通夜、法事といった弔事の場面では、慶事とは反対に袱紗を「左開き」になるように包みます。
これは凶事は左側が優先される「左前」の考え方に基づき、「悲しみを引きずらないように流す」「二度と不幸が繰り返されないように」という願いが込められています。
お悔やみ事で不祝儀袋を包む際は、まず袱紗をひし形に広げ、中央よりやや右に香典袋を置きます。
次に、右→下→上の順で角を折りたたみ、最後に左側の角をかぶせます。
弔意を示すための大切なマナーとして、慶事との違いをしっかりと覚えておきましょう。
挟むタイプの金封袱紗の正しい向きと入れ方
挟むタイプの金封袱紗は手軽で便利ですが、金封を入れる向きに正しいマナーがあります。
慶事と弔事では、袱紗を開く方向が逆になるため注意が必要です。
お祝い事でご祝儀袋を入れる場合は、袱紗を開いたときに右側にポケットがくるように持ち、表書きが見えるように差し込みます。
一方、お悔やみ事で香典袋を入れる場合は、袱紗を開いたときに左側にポケットがくるように持ち、同様に差し込みます。
この入れ方の方向を守ることで、挟むタイプの袱紗でも相手への礼儀を示すことができます。
受付で慌てない!袱紗のスマートな渡し方マナー
袱紗を正しく準備しても、受付での渡し方がスムーズでなければ、せっかくの心遣いも十分に伝わりません。
ご祝儀や香典を渡す際は、受付係の前で慌てることがないよう、一連の流れを事前に把握しておくことが大切です。
金封の取り出し方から、たたんだ袱紗の使い方、そして相手への差し出し方まで、スマートな振る舞いを身につけることで、より丁寧な印象を与えることができます。
ここでは、受付での正しい袱紗の渡し方のマナーを解説します。
1. 自分の順番が来る前に袱紗から金封を取り出す
受付でスマートに対応するためには、自分の順番が来る前に準備を済ませておくことが大切です。
列に並んでいる間に、あらかじめバッグから袱紗を取り出し、中から金封を出しておきましょう。
受付係の目の前で袱紗を開いて金封を取り出すのは、時間がかかり、後ろに並んでいる人を待たせてしまう可能性があります。
また、受付台の上で袱紗を広げるのも避けるべきです。
手元で事前に準備を済ませておくことで、受付での一連の動作がスムーズになり、落ち着いた印象を与えることにつながります。
2. たたんだ袱紗の上に金封を乗せる
袱紗から取り出した金封は、直接手で渡すのではなく、たたんだ袱紗の上に乗せてから差し出すのが正式なマナーです。
金封を取り出した後の袱紗は、手早くきれいにたたみ、即席のお盆(手盆)のようにして使います。
このひと手間を加えることで、金封をより丁重に扱う姿勢を示すことができ、相手への敬意も伝わります。
たたんだ袱紗の上に金封を置くことで、直接台の上に置いたり、裸のまま手渡ししたりすることを避けられます。
受付が混雑している場合でも、この丁寧な手順を心がけることが望ましいです。
3. 相手が文字を読める向きにして両手で差し出す
たたんだ袱紗の上に乗せた金封は、受付の相手が表書きの文字をすぐに読める向きにして、両手で丁寧に差し出します。
自分の名前や金額の書き方が相手にすぐわかるように向きを整えるのは、相手への細やかな配慮です。
差し出す際には、「この度はおめでとうございます」といったお祝いの言葉や、「この度はご愁傷様でございます」などのお悔やみの言葉をはっきりと述べます。
一連の動作を心を込めて行うことで、単に金品を渡すだけでなく、祝福や弔意の気持ちをしっかりと伝えることができます。
袱紗に関するよくある疑問を解決
袱紗を初めて用意する際には、「どこで売っているのか」「急に必要になったが持っていない場合どうすればいいのか」といった様々な疑問が浮かぶかもしれません。
また、袱紗のサイズや大きさの選び方、保管中にシワがついてしまった場合のアイロンのかけ方など、細かい点も気になるものです。
ここでは、そうした袱紗に関するよくある疑問を取り上げ、それぞれの解決策を分かりやすく解説します。
いざという時に困らないための知識として役立ててください。
袱紗はどこで売ってる?購入できる場所を紹介
袱紗は様々な店舗で購入することが可能です。
百貨店やデパートのフォーマルウェア売り場や紳士婦人雑貨コーナー、呉服店などでは上質な素材のものが揃っています。
また、スーツ専門店やイオンなどの大型スーパー、ホームセンターの冠婚葬祭コーナーでも取り扱いがあります。
急に必要になった場合は、一部のコンビニで簡易的な金封袱紗と祝儀袋がセットで販売されていることもあります。
最近では100円ショップでもシンプルなデザインのものが見つかる場合があります。
時間に余裕があれば、デザインや価格を比較できるインターネット通販での購入もおすすめです。
袱紗がない場合ハンカチで代用してもいい?
袱紗を準備できなかった場合、何にも包まずに金封を渡すよりは、清潔なハンカチで代用する方が丁寧です。
ただし、これはあくまで緊急時の対応と考えましょう。
代用するハンカチは、柄のない無地のものを選び、色は慶事であれば白や淡いピンクなど明るい色、弔事であれば白や黒、紺、グレーなどの落ち着いた色にします。
大判のハンカチやスカーフを使い、袱紗と同じように金封を包んで持参します。
金封をそのままクラッチバッグなどに入れるのはマナー違反となるため避けるべきです。
今後のために、慶弔両用の袱紗を一つ用意しておくと安心です。
袱紗は必ず必要?持っていないとマナー違反になる?
袱紗を持つことは法律で定められたルールではありませんが、大人の社会人としての重要なマナーの一つとされています。
金封をむき出しで持ち運ぶと、鞄の中で汚れたり角が折れたりする可能性があり、相手に渡すものとしてふさわしくありません。
袱紗はそれを防ぐ実用的な役割に加え、相手への敬意や弔意を示すための大切な道具です。
持っていないからといって即座に重大なマナー違反と見なされることは少ないかもしれませんが、用意することで丁寧な印象を与え、礼儀をわきまえていることを示せます。
値段の相場は様々で、手頃なものであれば1,000円台から購入可能です。
まとめ
袱紗は、ご祝儀や香典といった金封を丁寧に持ち運ぶために使用される布であり、冠婚葬祭における重要なマナーアイテムです。
その役割は、金封を汚れや型崩れから守るだけでなく、相手への敬意や心遣いを形として示すことにあります。
袱紗を選ぶ際は、慶事では暖色系、弔事では寒色系といった色の使い分けが基本となり、慶弔両用として紫色の袱紗も広く用いられます。
また、包み方にも慶弔で違いがあり、慶事は右開き、弔事は左開きにするのが正しい作法です。
これらの知識を身につけ、TPOに合わせた適切な袱紗の選択と使い方を実践することが、円滑な人間関係を築く上で役立ちます。
ちょっとした疑問やお悩みも多数
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