法事とは?|法要との違い、流れ、服装、お布施、お供え物を解説
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お葬式・法要の知識・マナー
- 新着 更新日:2025.10.31
- お葬式・法要の知識・マナー
法事とは?|法要との違い、流れ、服装、お布施、お供え物を解説

法事とは、故人を偲び冥福を祈るために行われる仏教の儀式です。
しかし、似た言葉である法要との違いや、具体的な流れ、準備すべきことについて、詳しく知らない方も少なくありません。
この記事では、施主と参列者それぞれの立場から、法事の意味、法要との違い、準備の手順、当日の流れ、服装のマナー、お布施やお供え物に関する知識を分かりやすく解説します。
法事とは?故人を偲ぶための大切な儀式
法事とは、故人を供養するために行われる一連の仏教行事を指します。
単に儀式を行うだけでなく、親族や故人と親しかった人々が集まり、故人の思い出を語り合い、絆を再確認する大切な機会でもあります。
よく混同される「法要」は、僧侶による読経や焼香といった儀式そのものを指す言葉です。
法事と法要の違いを理解すると、準備をスムーズに進められます。
「法事」と「法要」の具体的な違い
「法要」とは、僧侶にお経をあげてもらい、故人の冥福を祈る供養の儀式自体を指します。
具体的には、読経や焼香などがこれにあたります。
一方、「法事」は、この法要に加えて、その後の会食(お斎)までを含めた一連の行事全体を意味します。
つまり、法要は法事の一部と考えることができます。
施主として法事を執り行う際には、儀式の手配だけでなく、参列者のための食事の席も準備する必要があります。
一般的に「法事に出席する」と言う場合、この会食まで参加することを想定していることが多いです。
法事(法要)にはどのような種類がある?
法事や法要には、故人が亡くなってからの期間に応じていくつかの種類が存在します。
大きく分けると、葬儀後から四十九日までに行われる「忌日法要」と、特定の年の命日に行われる「年忌法要」の二つです。
その他、毎月の命日である月命日や、毎年祥月命日に行う法要もあります。
いつ、どの法要を行うかは、故人が亡くなってからの期間によって決まっており、それぞれに意味があります。
故人が亡くなってから四十九日までに行う「忌日法要」
故人が亡くなった日を1日目として、7日ごとに行われる法要を「忌日法要」と呼びます。
初七日から始まり、七七日(なななのか)にあたる四十九日(49日)まで続きます。
特に、故人の魂の行き先が決まる重要な日とされる四十九日法要は、親族や友人を招いて盛大に行われることが多いです。
この日に納骨式を執り行ったり、白木の仮位牌から本位牌に替えたりする儀式もあわせて行われます。
三十五日(三七日)や、近年では省略されることも増えましたが、忌明け後に行われる百箇日(100日)法要も忌日法要に含まれます。
特定の節目の年に行う「年忌法要」
年忌法要は、故人が亡くなってから特定の節目の年に行われる追善供養の儀式です。
亡くなった翌年の同じ月日に行う一周忌、その翌年(満2年目)に行う三回忌、以降は七回忌(満6年目)、十三回忌、十七回忌と続きます。
何回忌まで行うかは家庭によって異なりますが、定められた年数で執り行われます。
法要の日程は、故人の命日に行うのが理想ですが、参列者の都合を考え、命日より前の土日祝日に前倒しで設定するのが一般的です。
平日に行う場合は、親族とよく相談して日取りを決めます。
年忌法要はいつまで続ける?弔い上げのタイミング
年忌法要をいつまで続けるかについては、明確な決まりはなく、宗派の教えや地域の慣習、家庭の事情によって異なります。
一般的には、三十三回忌もしくは五十回忌を最後の年忌法要とし、「弔い上げ(とむらいあげ)」とすることが多いです。
弔い上げのタイミングをもって、故人の魂は個別の供養から解放され、ご先祖様の一員になると考えられています。
これ以降は、先祖代々の霊としてまとめて供養されることになります。
近年では、遺族の高齢化などの理由から、十七回忌や二十三回忌といった早めのタイミングで弔い上げとするケースも見受けられます。
【施主向け】法事を執り行うための準備と流れ
法事を執り行うにあたり、施主が主となって準備を進める必要があります。
施主は葬儀の際に喪主を務めた方が引き続き担うことが多いですが、故人との関係性によって別の親族が務めても構いません。
法事を滞りなく執り行うためには、日時と場所の決定、僧侶の手配、案内状の送付、会食や引き出物の準備といった一連の手順を、計画的に進めるやり方が求められます。
STEP1:日時と場所、僧侶の手配を決める
法事の準備は、まず日時と場所を決め、僧侶を手配することから始めます。
日程は故人の命日が理想ですが、参列者が集まりやすいように命日より前の土日祝日に設定するのが一般的です。
仏教と六曜は直接関係ありませんが、慣習的に友引を避ける方もいます。
時間帯は日中が多いですが、夜に行うことも可能です。
場所は自宅や菩提寺のほか、ホテルやレストラン、霊園の法要施設といった選択肢があります。
会場と日取りの候補が決まったら、速やかに僧侶へ連絡し、都合を確認して正式に依頼します。
特に土日は予約が埋まりやすいため、2〜3ヶ月前には手配を始めると安心です。
STEP2:参列者へ案内状を送付する
法事の日時と場所が決定したら、参列を依頼する方々へ案内状を送付します。
ごく内々の親族のみで行う場合は、電話やメールでの連絡でも差し支えありませんが、正式には往復はがきや封書で法事の案内状を送るのが丁寧です。
案内状には、誰の何回忌の法要か、開催日時、場所、会食の有無、そして出欠の返信期日を忘れずに記載します。
会食や引き出物の準備のため、人数を正確に把握する必要があるからです。
準備の都合を考え、法事の1ヶ月前までには相手方に届くように発送し、出欠の連絡を早めにもらうようにしましょう。
STEP3:会食(お斎)と引き出物の準備を進める
参列者の人数が確定したら、会食(お斎)と引き出物の手配を進めます。
会食は、法要後に僧侶や参列者を労い、故人を偲ぶための大切な席です。
会場は法要を行った寺院やホテルのほか、専門の料亭やレストランなど、移動しやすい店を選ぶとよいでしょう。
料理のメニューは、お祝い事を連想させる鯛や伊勢海老などを避けた和食の会席膳が一般的です。
引き出物(引き物)は、参列への感謝を示すお返しとして、1世帯に1つ用意します。
お茶や海苔、日持ちのするお菓子といった、あとに残らない「消え物」が選ばれる傾向にあります。
STEP4:お布施やその他必要なものを揃える
法事当日に向けて、僧侶へのお礼であるお布施や、その他用意するものを揃えます。
施主の持ち物としてお布施は必須であり、必要に応じてお車代や御膳料も別に準備します。
お墓参りも同日に行う場合は、供養のための板である塔婆を事前に寺院へ依頼しておきましょう。
自宅で法要を行うなら、仏壇の掃除や仏具の確認、参列者用の座布団、線香の用意が必要です。
その他、遺影や本位牌、お供え物、供花なども忘れてはなりません。
お布施を包むための布、袱紗も準備しておくとより丁寧な印象になります。
法事当日の一般的な進行スケジュール
法事当日は、施主が全体のスケジュールを把握し、参列者を案内する役割を担います。
一般的な流れは、参列者の受付から始まり、僧侶の入場、読経、焼香、法話と続き、法要の儀式が終わった後に会食(お斎)へと移ります。
当日の進行を事前に確認しておくことで、滞りなく儀式を進めることができます。
僧侶の入場と施主による開式の挨拶
定刻になると、まず僧侶が祭壇の前に着席します。
その後、施主が参列者の方を向き、法事を始めるにあたっての挨拶を行います。
挨拶の内容は、集まっていただいたことへの感謝、これから誰の何回忌法要を執り行うのかを簡潔に伝えるのが基本です。
あまり長くならないよう、手短にまとめることが大切です。
施主の挨拶が終わると、すぐに僧侶の読経が始まりますので、参列者には静かに着席して待ってもらうよう促します。
この挨拶が、法事の始まりを告げる合図となります。
読経と参列者による焼香
施主の挨拶が終わると、僧侶による読経が始まります。
読経の途中、僧侶からの案内に従って焼香を行います。
焼香の順番は、まず施主から始まり、故人との血縁が深い順に進んでいきます。
遺族、親族、そして友人・知人の順になるのが一般的です。
宗派によって焼香の回数や細かい作法は異なりますが、前の人のやり方に倣えば特に問題ありません。
参列者は自分の順番がくるまで静かに待機し、順番が回ってきたら祭壇の前に進み、心を込めて焼香をします。
この一連の動作が故人への供養となります。
僧侶からの法話と退場
読経と参列者全員の焼香が終わると、僧侶から法話があります。
法話とは、仏様の教えを生活に根ざした分かりやすい言葉で説き明かす話のことです。
故人の思い出などに触れながら、命の尊さやご縁について語られることが多く、遺族の心を癒やす時間となります。
真言宗や曹洞宗、日蓮宗など、宗派によって話の内容に特色が出ることもありますが、参列者は静かに耳を傾けます。
法話が終わると、僧侶は退場します。
施主は丁寧に見送り、このタイミングでお布施を渡すのが一般的です。
施主による閉式の挨拶と会食(お斎)の案内
僧侶が退場した後、施主が再び参列者の前に立ち、閉式の挨拶をします。
法要が無事に終わったことへの感謝を述べ、この後に行われる会食(お斎)の会場を案内します。
お墓参りを予定している場合は、その旨もこの時に伝えます。
会食の席では、開始前に施主が改めて挨拶をし、故人を偲ぶ「献杯」の発声を行うのが一般的です。
席順は、僧侶や親族の代表者が上座に、施主は下座に着くのが基本です。
この挨拶をもって法要の儀式は終了となり、和やかな雰囲気で故人を偲ぶ会食へと移ります。
【参列者向け】法事に参列する際の基本マナー
法事に参列する際は、故人や遺族に対する弔意を表すため、基本的なマナーを守ることが大切です。
身内だけの小規模な法事や、親しい友人として招かれた場合でも、礼儀を欠いてはいけません。
服装の選び方、香典の準備、お供え物についての知識を事前に確認しておくと、当日慌てずに済みます。
受付では「本日はお招きいただきありがとうございます」といった挨拶を述べます。
服装の選び方:いつまで喪服を着用する?
法事の服は、時期によって着用するものが異なります。
一般的に三回忌までは、遺族は準喪服、参列者は略喪服を着用します。
七回忌以降は、略喪服か、施主から「平服で」との案内があった場合は、地味な色の服装を選びます。
この場合の平服とは、ダークグレーや濃紺のスーツやワンピースを指し、普段着ではありません。
男性はダークスーツに白いシャツ、黒無地のネクタイと靴を合わせます。
女性も同様に、黒や濃紺のアンサンブルやワンピースを選び、アクセサリーは一連のパールなどに留めます。
持ち物であるハンカチも白か黒のものにし、学生は制服が正装となります。
香典の準備:金額の相場と表書きの書き方
法事に持参する香典は、表書きの書き方に注意が必要です。
仏式の場合、四十九日法要より前は「御霊前」、四十九日以降は「御仏前」と書くのが一般的です。
香典袋は、白黒か双銀の結び切りの水引がついたものを選びます。
包む金額は故人との関係性によりますが、友人・知人であれば5千円から1万円程度が相場です。
お金は新札を避け、封筒に納めます。
四十九日以降の法事では、表書きを薄墨ではなく濃い墨で書いても構いません。
なお、神式では「御玉串料」、キリスト教では「御花料」など、宗教によって表書きや封筒が異なるため確認が必要です。
お供え物の選び方:「消え物」が基本
法事のお供え(供物)を持参する場合、後に残らない「消え物」を選ぶのが基本です。
具体的には、日持ちのする個包装の焼き菓子やゼリー、季節の果物、故人が生前好きだったお酒やお茶などが適しています。
お供えとして花(供花)を選ぶ際は、香りが強すぎず、棘のない、白や淡い色の落ち着いたアレンジメントがよいでしょう。
お供え物には、白黒で結び切りの水引が印刷された「のし」紙をかけ、表書きを「御供」とします。
墓参りも行う場合は、お墓用のお供えも別に準備しておくと丁寧です。
お供えは会場に到着後、施主に挨拶をしてから渡します。
法事を欠席する場合の連絡方法と対応
やむを得ない事情で法事を欠席する場合は、その旨をできるだけ早く施主に連絡することが重要です。
案内状の返信で欠席を伝えるのが基本ですが、電話で直接お詫びを述べるとより丁寧です。
欠席の理由は「やむを得ない所用のため」などと簡潔に伝え、詳しい説明は控えるのがマナーです。
欠席する場合でも、故人を偲ぶ気持ちを示すため、香典やお供え物を法要の前日までに会場または施主宅に届くよう手配します。
その際、お悔やみの言葉と参列できないお詫びを記した簡単なメッセージを添えると、気持ちが伝わります。
法事にかかる費用の内訳と相場
法事を執り行う際には、さまざまな費用が発生します。
主な内訳として、僧侶へのお礼であるお布施、法要会場の使用料、参列者をもてなすための会食費、そしてお返しの品である引き出物代が挙げられます。
これらの費用は、法事の規模や場所、参列者の人数によって合計金額が大きく変動します。
事前にそれぞれの相場を把握し、全体の予算を立てておくことが、準備を円滑に進める上で重要です。
お布施(読経料・お車代・御膳料)の目安
お布施は、読経いただいた僧侶への感謝の気持ちとして渡すもので、決まった料金があるわけではありません。
一般的な目安として、四十九日法要や一周忌など重要な法要では3万円〜5万円、その後の法要では1万円〜5万円程度を包む金額とすることが多いです。
これとは別に、僧侶に寺院以外の場所へ来てもらった場合には「お車代」として5千円〜1万円、僧侶が会食を辞退された際には「御膳料」として5千円〜1万円をそれぞれ別の封筒に入れて用意します。
お布施の金額に迷う場合は、直接寺院に尋ねるか、親族に相談するとよいでしょう。
会場費や会食、引き出物にかかる費用
お布施以外で大きな割合をめるのが、会場費、会食費、引き出物代です。
寺院や霊園の法要室、セレモニーホールなどを借りる場合、会場費として1万円〜5万円程度が必要になります。
会食の費用は、一人あたり5千円〜1万円が相場で、参列者の人数によって総額が変わります。
引き物(引き出物)は、参列いただいた一世帯につき一つ用意し、相場は3千円〜5千円程度です。
このほか、祭壇に飾る供花代やお供え物の購入費用もかかります。
これらの費用は、参列者からいただく香典で一部を補う形になります。
まとめ
法事は、故人を偲び供養するための大切な仏事です。
施主は、日時や場所の決定から会食、引き出物の手配まで、段取り良く準備を進める必要があります。
参列者は、服装や香典などのマナーを守り、故人と遺族に寄り添う気持ちを表します。
法事にはお布施や会食などの費用も関わってくるため、事前に相場を把握しておくことも重要です。
準備やマナーを理解し、心を込めて故人を偲ぶ時間とすることが何よりも大切です。
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