喪主とは誰がなるもの?施主との違いや役割からマナーまで徹底解説!
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お葬式の知識・マナー
- 更新日:2025.01.14
- お葬式の知識・マナー
喪主とは誰がなるもの?施主との違いや役割からマナーまで徹底解説!

近年では男女を問わず、また血縁者でなくても喪主を務めるケースが増えています。そのため、葬儀を執り行うにあたって「喪主は誰がなるべきか」「喪主の役割とは何か」と、疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
喪主は、遺族を代表して葬儀を取り仕切り、スムーズに進行させる重要な役割を担います。葬儀の手配から会葬者への対応、葬儀後の対応まで、多岐にわたる責任があるため、事前に決め方や役割を理解しておくことが大切です。
この記事では、喪主の選び方や施主との違い、役割について詳しく解説します。葬儀をスムーズに進める喪主や施主のマナーもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
喪主とは誰がなるもの?
誰が喪主を務めるべきかは家族構成や地域性によって異なりますが、一般的には故人と最も縁の深い人が選ばれます。決め方に明確なルールはなく、場合によっては複数人で務めることもあります。
しかし、一般的な決め方があるのも事実です。選定基準を無視して喪主を決めてしまうと、周囲に誤解を招く可能性もあるため、慎重に決めることが大切です。
全国の男女851名を対象に行った「葬儀の喪主を務めた経験」に関するアンケートによると、約4割の方が、喪主を務めた経験を有しています。これらのデータを踏まえ、一般的な喪主の選定基準について詳しく解説します。
アンケート元:【難しそうなこととは?】葬儀の喪主を務めたことがない77.4%が「しっかり務められると思わない」
一般的には配偶者が喪主となる
喪主は、故人の遺言に特別な指示がない限り、配偶者が務めます。
以前は、家督を継ぐ意味合いで、故人の後継者(通常は長男)が喪主を務めるケースが一般的でしたが、現在ではその意識は薄れ、配偶者が喪主を務めることが主流です。
配偶者がいない場合は家族・親族が喪主となる
故人に配偶者がいなければ、家族や親族が喪主を務めます。
故人に子どもがいれば、長男・次男など直系の男子が優先され、次に長女・次女が喪主候補として検討されます。もし故人に子どもがいない場合は、親や兄弟姉妹、またはおじ・おばといった親族が役目を引き継ぐことになるでしょう。
配偶者・親族がいない場合
喪主を務めるのは血縁関係にある人物だけではありません。親族とのつながりがなければ、故人の友人や近隣住民、さらには関わりの深い介護施設や病院の代表者が喪主を務めるケースもあります。
また、成年後見人として指定されていれば、司法書士などの「士業」の専門家が喪主として葬儀を執り行うこともあるでしょう。この場合、規模を縮小し「火葬のみ」のシンプルな形式が取られます。
喪主と施主の違いは?
喪主と施主はしばしば混同されがちですが、実際にはそれぞれ異なる責任と役割があります。
まず、遺族を代表し、葬儀全体を取り仕切る重要な役割を担うのが喪主です。供養や弔問客への対応、葬儀の進行など、故人の最期をしっかりと見守り、供養すべてを担当します。一方、施主は葬儀の経済面を担当します。
なお、かつては喪主と施主を分けることも珍しくはありませんでした。最近では、家族葬などの小規模な葬儀が増え、喪主が施主の役割も兼ねるケースが多くなっています。しかし、喪主が高齢で葬儀費用の負担が困難な場合、施主として別の人が葬儀費用を負担することもあります。
喪主の役割
喪主は遺族の代表として、葬儀全体を統括する大切な役割を担います。求められる役割は多岐にわたり、葬儀準備から当日の対応まで多くのことを判断し、対応しなければなりません。
実際、喪主を務めるにあたって困ったことや大変だったことが「ある」と回答したのは約6割と半数以上を占めます。理由として、以下のような声が寄せられました。
「最初は何をどう進めればいいのか分からない。(30代・男性)」
「急な話だったので、周囲に迷惑かけないようにするのが大変だった。(30代・男性)」
「初めての事だらけなのに、すぐに決めなければいけないことばかり、やることばかりで大変だった。(40代・女性)」
「手順は葬儀ホールの人が細かく教えてくれたが、喪主の挨拶は自分で考えないといけなかったので、それが困った。(50代・男性)」
引用元:株式会社NEXERとイオンのお葬式「葬儀の喪主を務めた経験に関する調査」
これらの声からも分かるとおり、喪主が果たさなければならない多岐にわたる役割への不安や大変さが浮き彫りになっています。喪主として事前に葬儀の流れをしっかりと理解し、準備を整えておくことが大切です。
死亡診断書の受け取りと死亡届を提出する
死亡手続きには、故人が死亡したことを医学的および法的に証明する「死亡診断書」が必要です。役所に提出しないと、故人が生存していると見なされ、火葬や埋葬ができないだけでなく、年金の支給や課税もそのまま続いてしまいます。死亡届が受理されると、火葬許可証が発行されます。
故人が亡くなってから7日以内に、死亡地、故人の本籍地、または届出人の居住地にある役所に提出しましょう。なお、死亡届は必ずしも喪主が提出する必要はなく、ほかの家族や葬儀社に任せることも可能です。
また、海外で亡くなった場合は、提出期限が死亡の事実を知った日から3か月以内となる点も留意しておきましょう。
葬儀の内容を決める
喪主は、葬儀の全体的な内容を決める重要な役割を担います。まず、葬儀の日時、会場、予算を決定します。葬儀の規模や形式は、これらの要素にもとづいて決定されるため、早い段階で方向性を定めておくことが大切です。
とくに、参列者の人数など葬儀の規模は、全体の進行に大きく影響するため、事前におおよその人数を把握しておきましょう。また、葬儀社との打ち合わせでは費用についても話し合うことになるため、喪主だけでなく施主も一緒に参加することが一般的です。
弔問を受ける
弔問を受けるのも、喪主の大切な役割のひとつです。お悔やみを受けた際は「ありがとうございます。故人もきっと喜んでいると思います」と、心を込めた言葉で返すとよいでしょう。
親戚・関係者に訃報の連絡を行う
電話やメールを用いて、親戚や故人の関係者に訃報を伝えます。訃報の連絡には、故人の氏名、死亡日時、通夜・葬儀の日時や式場、そして喪主の氏名を伝えるのが基本です。
また、参列を希望する方への案内状の作成・送付も喪主の仕事です。連絡する相手が多い場合は、グループごとに分けて連絡を取るとよいでしょう。
喪主挨拶を行う
葬儀の際には、喪主としての挨拶が求められます。
挨拶するタイミングは、以下の4つです。
・通夜・告別式の開始時
・通夜・告別式の終了時
・出棺前
・通夜振る舞いの前後
・精進落としの前後
挨拶は、参列者や関係者に対して、故人への思いや感謝の気持ちを伝えるものです。しかし、スムーズに葬儀を進めるためにも、長くても3分程度にまとめるとよいでしょう。
参列者への挨拶回りを行う
葬儀後は、喪主としてお世話になった方に感謝の気持ちを伝えるため、挨拶回りを行います。可能であれば、直接訪問してお礼を述べるのが最も心がこもった方法です。
しかし、訪問が難しい場合には、電話でお礼を伝えたり、香典返しと一緒にお礼状を送ったりしても問題ありません。
年忌法要を営む
葬儀が終わった後も、喪主の役割は続きます。
年忌法要は故人の冥福を祈り、偲ぶために、1周忌、3回忌と決められた命日に行う大切な儀式です。法要を実施するには、日程や会場の調整、お寺との連絡を行う必要があります。準備や手配は手間がかかりますが、家族や親族と協力して行うことで、スムーズに進められるでしょう。
喪主・施主のマナー
喪主と施主は、遺族を代表する立場として、適切なマナーを守ることが求められます。遺族としての礼儀をしっかりと理解し、会葬者や僧侶に対して失礼がないように配慮して行動しましょう。
なお、一般的に喪主や施主の役割を初めて担う人も多く、戸惑いや不安を感じることが一般的です。実際、約8割の方が「今後もし喪主を務めることになったら、しっかり務められるとは思わない」と回答しています。理由としては、以下の声が寄せられています。
「何をすればいいかがわからないから。(20代・女性)」
「経験もないしおそらく精神状態も不安定だと思うから。(30代・男性)」
「何にも知らないから。何が分からないかも分からない。(30代・女性)」
また「しっかり務められると思う」と答えた方からは、以下の声が寄せられています。
「イメージはつかないが、多くの人が経験することなので、ある程度下調べすればなんとかなるとは思うから。(20代・女性)」
「葬儀店の人に聞けば何とかなりそうなので。(30代・男性)」
引用元:株式会社NEXERとイオンのお葬式「葬儀の喪主を務めた経験に関する調査」
多くの方が「経験がない」ことで不安を感じるものの、調べたり、周囲に助けを求めたりすることで不安を軽減しています。分からないことはそのままにせず積極的に情報を集め、サポートを受けながら進めることが大切です。
挨拶
葬儀当日は、故人の代表として挨拶という大切な役割を果たさなくてはなりません。
告別式や精進落としの際には、感謝の気持ちを込めて、参列者にお礼を伝えることが求められます。通夜の挨拶は地域によって省略されることもありますが、葬儀や告別式では必ず挨拶をしましょう。
なお、挨拶は、堅苦しい言葉や長い話を避け、簡潔に心からの感謝を伝えることが大切です。参列してくれた方へのお礼と、故人が生前お世話になったことへのお礼を述べます。同時に、今後も変わらずお付き合いをお願いすることも、忘れずに伝えるようにしましょう。
お布施
葬儀の際、僧侶に読経をお願いするため、施主が準備したお布施を喪主が僧侶に渡します。
お布施は、僧侶に対して感謝の意を表すために渡す「読経料」です。金額に明確な決まりはないものの、葬儀・告別式で約26万円が相場とされています。葬儀の規模や形態によって金額が異なるため、迷った際には事前に確認しておくと安心です。
お布施を渡すタイミングは、一般的に通夜や葬儀の開始前、または法要後が多いですが、地域によっても異なります。また、お布施は不祝儀ではないため、不祝儀袋に入れる必要はありません。「お布施」と印刷された封筒や、無地の白封筒を使用し、二重袋は避けるようにしましょう。
ほかにも、お布施以外に僧侶の交通費として「お車代」や、会食を辞退された場合の「お膳料」も必要になることがあるため、事前に必要な費用を確認しておくとよいでしょう。
服装
喪主と施主は葬儀を主催する立場として、参列者にふさわしい服装を整えることが求められます。とくに喪主は遺族の代表として、格式のある服装で臨むのがマナーです。
喪服には「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3つの種類があり、喪主や施主は一般的に参列者よりも格式の高い正喪服か準喪服を着用するのが望ましいとされています。
たとえば、男性の場合、正喪服は紋付き羽織袴やモーニングスーツ、準喪服はブラックスーツが基本です。女性の場合は、黒の紋付き着物やフォーマルな黒装いが正喪服にあたり、準喪服にはアンサンブルや黒のワンピースが選ばれます。
最近は、正喪服である和装やモーニングスーツを持っていない方も増え、準喪服で代用するケースも増加傾向にあります。とはいえ、喪主としてはしっかりとした装いで、失礼がないように参列者への配慮を忘れないことが大切です。清潔感と礼儀を重視した装いを心がけましょう。
香典
香典は参列者が故人の冥福を祈り、供養の気持ちを表して贈るものであり、喪主や施主が準備する必要はありません。また、葬儀費用は通常、喪主が負担するため、香典を用意しない理由のひとつともいえます。
ただし、喪主と施主が別の場合は、施主宛に香典を用意します。なお、家族や親族によって考え方が異なるため、事前に相談してから決めるとよいでしょう。仮に、喪主が未成年や学生、あるいは収入がない場合には、施主が別にいても香典を準備しなくても問題ありません。
また、香典の金額は故人との関係性や年齢によっても異なるため、事前に相場を確認しておくと安心です。
供花
供花は、故人への感謝と弔意を表すための生花です。基本的に、誰が贈っても問題はありません。喪主や施主は葬儀を執り行う側ですが、必ずしも用意するわけではなく、それぞれの判断で決めます。
たとえば、家族葬など規模が小さい葬儀では、祭壇が寂しく見えないように喪主や施主が供花を用意することがあります。
なお、喪主と施主を一人が兼任している場合は、両方の名前で供花を出すことはできません。喪主と施主が異なれば、両者がそれぞれ供花を出しても問題ありません。どちらの名前で供花を出すかについては地域によって慣習が異なるため、事前に確認が必要です。
また、供花の出し方や金額については親族間での調整が必要です。一人で決めてしまうと後でトラブルを招く可能性があるため、家族や親戚としっかり相談してから決めましょう。
とくに、喪主や施主が供花を出す習慣がない地域では、理由を説明しておくことが大切です。供花の費用についても、家族や親戚で共有する場合には金額を一方的に決めず、事前に話し合っておくことをおすすめします。
まとめ
喪主を務める人物は厳密には定められていませんが、通常は故人の配偶者や最も近い血縁者が選ばれます。喪主は葬儀を円滑に進行させるための重要な役割を担っており、遺族代表として葬儀全体を取り仕切ることが求められます。そのため、喪主が果たすべき役割やマナーについて、事前に理解しておくことが重要です。
葬儀準備は早めに行い、施主や喪主が担うべき役割を事前に確認することで、心に余裕が生まれます。また、生前に信頼できる葬儀社を決めておくことで、喪主や施主になったときに慌てることなく、故人との最後のお別れが悔いのないものになるでしょう。
なお、イオンのお葬式では、専門スタッフが24時間365日、不安を解消するためにしっかりサポートいたします。葬儀の準備に関して不安がある方は、安心の葬儀・葬式・家族葬を提供するイオンのお葬式に、お気軽にご相談ください。
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