玉串とは?捧げ方の作法、玉串料の相場・マナー・包み方を解説
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葬儀では普段耳慣れない言葉が多く、
独自の作法や意味を持つものもあります
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お葬式・法要の知識・マナー
- 新着 更新日:2026.03.17
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玉串とは?捧げ方の作法、玉串料の相場・マナー・包み方を解説

玉串とは、神道の神事で神様に捧げる神聖な供物です。
葬儀や結婚式、七五三などの儀式で、参拝者が神様への敬意や祈りを込めて捧げます。
しかし、普段馴染みのない儀式では、玉串の捧げ方の作法や、謝礼である玉串料の相場、のし袋のマナーなど、戸惑うことも少なくありません。
この記事では、玉串の意味から具体的な捧げ方の手順、場面に応じた玉串料の金額相場や包み方のマナーまで、分かりやすく解説します。
玉串とは?神様への敬意を表す神聖な捧げもの
玉串とは、榊の枝に紙垂と呼ばれる白い紙と麻紐を結びつけたもので、神道の神事で神前に供えられる捧げものです。
玉串の役割は、神様への敬意や感謝、祈願などの真心を神様に伝えることにあります。
つまり、玉串そのものを供えるのではなく、自身の心を玉串に乗せて神様に捧げるという意味合いを持ちます。
神事において、玉串を捧げる行為は「玉串奉奠」と呼ばれ、非常に重要な儀式とされています。
神道の神事で用いられる玉串の役割と由来
神道において玉串は、神様と参拝者とをつなぐ役割を持つと考えられています。
神事や祭儀において、参拝者の祈りや敬意を神様へ届けるための媒体となる神聖な供物です。
その由来は、日本神話の「天岩戸隠れ」の場面にさかのぼるとされています。
天照大御神が岩戸に隠れた際、神々が榊の木に玉や鏡などを飾り付けて祈りを捧げたところ、大神が再び姿を現したという神話に基づいています。
この故事から、榊は神様が宿る神聖な木とされ、神棚にも供えられるようになりました。
玉串に使われる「榊(さかき)」という植物について
玉串には、一般的に榊(さかき)というツバキ科の常緑樹の枝が用いられます。
榊は「栄える木」や「境の木」が語源とされ、神様の領域と人間の領域の境界を示す神聖な木として古くから神事に使われてきました。
一年を通して青々とした葉をつける常緑樹であることから、生命力や繁栄の象徴ともされています。
玉串に用いる榊の枝の太さや長さには特に厳密な決まりはありませんが、神職が儀式で使う大榊から、個人が奉奠する小ぶりのものまで、場面に応じて様々な大きさのものが使われます。
玉串は紙垂(しで)と麻紐(あさひも)で構成される
玉串は、榊の枝に「紙垂」と「麻紐」という2つの要素を結びつけて構成されます。
紙垂とは、特殊な折り方をした白い紙のことで、雷光や稲妻をかたどったものとされ、邪気を祓い清める意味があります。
麻紐は「木綿」とも呼ばれ、古くから神聖なものとして扱われてきました。
この紙垂と麻紐を榊の枝に結び付けることで、神聖な捧げものとしての玉串が作り上げられます。
作り方や結び方には地域や神社によって違いが見られることもありますが、いずれも清浄さと神様への敬意を表す重要な要素です。
玉串奉奠(たまぐしほうてん)の正しい作法と一連の流れ
玉串奉奠とは、神事において玉串を神前に供える儀式のことです。
自身の祈りや真心を玉串に乗せて神様へ奉納する、神道における重要な拝礼作法の一つです。
玉串奉奠には、受け取り方から持ち方、供え方、拝礼まで一連の手順があります。
この流れを事前に理解しておくことで、葬儀や結婚式、ご祈祷などの場で落ち着いて臨むことができます。
ここでは、玉串を捧げる際の基本的な作法を順を追って解説します。
1. 姿勢を正し、神職から玉串を両手で受け取る
自分の順番が来たら、まず神職の前へ進み、一礼します。
神職が玉串を差し出すので、両手で丁寧に受け取ります。
このとき、右手で玉串の根本を上から包むように持ち、左手は葉先の方を下から支えるように添えるのが正式な受け取り方です。
玉串は神様への捧げものであるため、敬意を払って丁重に扱うことが大切です。
事前に特別な用意は必要ありません。
神職から手渡されるのを待ちましょう。
2. 根本を右手、葉先を左手で支え胸の高さに持つ
玉串を受け取ったら、根本を右手に、葉先を左手で支えたまま、胸の高さに軽く肘を張って持ちます。
このとき、葉先が少し高くなるように持つのが一般的です。
玉串を自分の方に引き寄せすぎず、かといって突き出しすぎない自然な位置で保ちます。
神前に進むまでこの姿勢を崩さないようにしましょう。
玉串の向きは、根本が自分側、葉先が神前側を向いている状態です。
東の方角などを気にする必要はありません。
3. 神前へ進み、一礼する
玉串を胸の高さに持ったまま、神前にある案と呼ばれる玉串を置く台の手前まで進みます。
案の少し手前で立ち止まり、神様への敬意を示すために深く一礼します。
この礼は、これから玉串を奉奠させていただくことへの挨拶の意味を持ちます。
この時点では、まだ玉串を持ったままです。
参拝の際は、心を落ち着けて、厳かな気持ちで臨むことが大切です。
4. 玉串を時計回りに回転させ、根本を神前に向ける
一礼した後、玉串を神様にお供えするための準備をします。
まず、右手で玉串の根本を上から、左手で葉先を下から支えるように持ちます。このとき、玉串は胸の高さに、左手をやや高くして肘を張ります。
次に、神前に進み、玉串案(玉串を載せる台)の前で軽く一礼します。
その後、玉串を時計回りに90度回し、葉先が神前を向くように縦にします。
さらに、左手を玉串の根本の方へ下げて祈念をこめます。
最後に、右手を玉串の中程を下から支えながら、時計回りに180度回し、玉串の根本が神前に向くようにして玉串案に置きます。
これにより、自分が持っていた根元側を神様に向けることになり、敬意を表す形となります。
5. 玉串を案(台)の上に静かに置く
玉串の根本が神前を向いた状態になったら、案と呼ばれる玉串を置く台の方へ一歩進みます。
そして、両手で持った玉串を案の上に静かに置きます。
乱暴に置いたり、音を立てたりしないよう、丁寧な動作を心がけましょう。
玉串を置く台は「玉串案」とも呼ばれ、神事のために特別に用意されたものです。
玉串を案の上に置いたら、一歩後ろへ下がります。
6. 二拝二拍手一拝の作法で拝礼する
玉串を案の上に置いたら、最後に拝礼を行います。
まず、姿勢を正し、腰を90度に曲げる深いお辞儀を2回行います。
次に、胸の高さで両手を合わせ、右手を少し下にずらしてから2回拍手します。
拍手の後、ずらした右手を元に戻し、心を込めて祈ります。
最後に、もう一度深いお辞儀を1回行います。
この一連の動作が「二拝二拍手一拝」です。
これが終わったら、数歩下がり、神職と参列者に一礼して席に戻ります。
【シーン別】葬儀と慶事で異なる玉串奉奠のマナー
玉串奉奠の基本的な流れは、慶事でも弔事でも大きく変わりません。
しかし、葬儀(神葬祭)と結婚式などの慶事とでは、拝礼の作法に一部重要な違いがあります。
特に拍手の仕方が異なるため、場面に応じたマナーをわきまえておくことが大切です。
また、服装についても、それぞれの場面にふさわしいものを選ぶ必要があります。
ここでは、神道の葬儀と、結婚式や七五三などのお祝い事における玉串奉奠のマナーの違いについて解説します。
葬儀(神葬祭)では音を立てない「忍び手」で拝礼する
神道のお葬式である「神葬祭」や通夜にあたる「通夜祭」、告別式では、故人への哀悼の意を示すため、音を立てずに拝礼するのがマナーです。
この音を立てない拍手を「忍び手(しのびて)」と呼びます。
二拝二拍手一拝の作法のうち、二拍手の際に、両手を合わせますがパンパンと音は鳴らしません。
手のひらを合わせるだけで、静かに祈りを捧げます。
この作法は、神式の葬儀における特有のマナーであり、他の宗教・宗派には見られません。
喪主をはじめ参列者全員が行うため、神式の葬式に参列する際は覚えておきましょう。
結婚式や七五三などお祝い事での基本的な作法
結婚式や七五三、安産祈願、厄払い、地鎮祭などの安全祈願といったお祝い事や各種ご祈祷における玉串奉奠では、通常の「二拝二拍手一拝」の作法で拝礼します。
この場合、拍手は神様への感謝や喜びを表すため、きちんと音を立てて行います。
基本的な玉串の受け取り方から捧げ方までの流れは葬儀の場合と同じですが、最後の拝礼で音を立てるか立てないかが大きな違いです。
お祝いの気持ちや感謝の心を込めて、丁寧に行うことが大切です。
玉串料はいくら包む?場面ごとの金額相場を解説
玉串料とは、神道の儀式において、玉串の代わりに神様にお供えするお金のことです。
神職への謝礼や神社の運営費用としても使われます。
仏式の「お布施」や「香典」にあたるものですが、玉串料は葬儀だけでなく、七五三や地鎮祭などの慶事でも用いられるのが特徴です。
包む金額は、儀式の内容や故人との関係性、地域によって異なるため、一概には言えません。
ここでは、場面ごとの一般的な金額相場を解説します。
葬儀・通夜祭に一般会葬者として参列する場合の相場
神道の葬儀や通夜祭に一般の会葬者として参列する場合、玉串料の相場は仏式の香典とほぼ同じと考えてよいでしょう。
故人との関係性によって金額は変動します。
友人・知人や会社関係者であれば5,000円〜10,000円、祖父母は10,000円〜30,000円、両親や兄弟姉妹の場合は50,000円〜100,000円程度が一般的です。
ただし、これはあくまで目安であり、自身の年齢や地域性、故人との生前の付き合いの深さを考慮して金額を決めます。
七五三・お宮参り・地鎮祭など慶事での祈祷相場
七五三やお宮参り、地鎮祭、安全祈願などのご祈祷で納める玉串料は、神社によって金額が定められていることが多いです。
一般的には5,000円から10,000円程度が相場とされています。
複数の祈願を同時に行う場合や、授与されるお札・お守りの内容によって金額が変わることもあります。
事前に神社のホームページで確認するか、直接問い合わせておくと安心です。
表書きは「玉串料」のほか、「初穂料」も広く使われます。
喪主・遺族として葬儀を行う場合の神職への謝礼
喪主や遺族として神道の葬儀を執り行う場合、神職へ謝礼として玉串料を渡します。この場合の金額は、葬儀の規模や神職の人数、地域によって大きく変動するため、一概に相場を示すのは困難です。一般的には300,000円から400,000円程度が目安とされますが、それ以上になることもあります。
具体的な金額については、葬儀を依頼する葬儀社や神社に直接相談して確認するのが最も確実です。
【慶弔別】玉串料を入れるのし袋の選び方と正しい書き方
玉串料を納める際は、現金をそのまま渡すのではなく、必ず「のし袋」や「封筒」に入れて渡すのがマナーです。
のし袋は、葬儀などの弔事用と、結婚式や祈祷などの慶事用とでは、水引の種類や表書きの書き方が異なります。
適切な袋を選び、正しい作法で準備することが、相手への敬意を示すことにつながります。
ここでは、玉串料を入れるのし袋の選び方から、表書き、中袋の書き方まで、慶弔別に詳しく解説します。
【表書き】「玉串料」「御玉串料」「御榊料」の適切な使い方
のし袋の表面上段に書く言葉を「表書き」と言います。神道の場合、「御玉串料」や「玉串料」は慶事・弔事どちらの場面でも使用されることがあります。その他には、「御榊料」や、神様への捧げものを意味する「御神前」が主に弔事で用いられます。慶事のご祈祷では「初穂料」や「御初穂料」も広く使われます。文字は、慶事では濃い墨の筆や筆ペンで書くのが一般的ですが、弔事では薄墨を使用する場合もあります。
【水引】お祝い事は紅白の蝶結び、弔事は黒白か双銀の結び切りを選ぶ
水引は、のし袋にかける飾り紐のことで、目的によって色や結び方が異なります。
結婚式や七五三などのお祝い事では、紅白または金銀の「蝶結び」の水引を選びます。
蝶結びは何度でも結び直せることから、「何度あっても嬉しいお祝い事」に適しています。
一方、葬儀などの弔事では、「二度と繰り返したくない」という意味を込めて、一度結ぶと解けない「結び切り」の水引を使用します。
色は黒白か双銀のものを選ぶのが一般的です。
【中袋】表面に旧漢字で金額、裏面に住所氏名を記入する
のし袋に中袋がある場合は、そちらにも必要事項を記入します。
中袋の表面中央には、包んだ金額を縦書きで記入します。
この際、「壱」「弐」「参」「阡」「萬」などの旧漢字(大字)を用いるのがより丁寧な書き方です。
例えば、一万円なら「金壱萬圓」と書きます。
裏面の左下には、自分の住所と氏名(名前)を記入し、誰からのものか分かるようにしておきます。
市販ののし袋には記入欄が印刷されているものもあるので、それに従って書きましょう。
お札は人物像を上向きにして封筒の表側に入れる
玉串料として包むお札は、できるだけ新札を用意するのが望ましいとされています。
特に慶事では新札がマナーです。
弔事の場合は、新札だと不幸を予期していたと捉えられる可能性があるため、新札に一度折り目をつけてから入れる配慮も良いでしょう。
お札を入れる向きは、封筒の表側に対して、お札の人物像が上に来るように揃えて入れます。
これは慶弔どちらの場合も共通のマナーです。
複数枚入れる場合は、すべてのお札の向きを揃えましょう。
知っておくと役立つ玉串と玉串料の基礎知識
玉串や玉串料について、作法や相場以外にも知っておくと役立つ知識があります。
例えば、「榊」との違いや、「初穂料」という似た言葉との使い分けなどです。
また、神事で見かける「大麻(おおぬさ)」と玉串の違いを理解しておくと、神道への理解がより深まります。
こうした基礎知識は、いざという時に混乱せず、落ち着いて対応するために役立ちます。
ここでは、そうした関連用語との違いについて解説します。
「玉串」と「榊」の具体的な違いとは?
「榊」と「玉串」は混同されがちですが、意味は明確に異なります。
「榊」は、神事に使われるツバキ科の常緑樹という植物そのものを指す言葉です。
一方、「玉串」は、その榊の枝に紙垂や麻紐を結びつけて、神様への捧げものとして整えられたものを指します。
つまり、榊は玉串の材料であり、榊に装飾を施して神聖な意味を持たせたものが玉串となるのです。
神棚にお供えするのは「榊」であり、神前で奉奠するのは「玉串」です。
「玉串料」と「初穂料」はどう使い分けるのが正しい?
「玉串料」と「初穂料(はつほりょう)」は、どちらも神様にお供えするお金という点で共通していますが、使われる場面に若干の違いがあります。
「初穂料」の「初穂」とは、その年に初めて収穫されたお米を意味し、転じて神様への感謝を込めた捧げもの全般を指すようになりました。
そのため、初穂料は七五三やお宮参り、地鎮祭などの慶事やご祈祷で広く使われます。
一方、「玉串料」は慶事に加えて葬儀などの弔事にも使える、より範囲の広い言葉です。
迷った場合は、慶弔問わず使える「玉串料」と書くのが無難です。
玉串に関するよくある質問
ここでは、玉串や玉串奉奠に関して、多くの人が抱きやすい疑問について回答します。
いざ神事に参列するとなると、細かい作法や準備について不安になるものです。
例えば、玉串奉奠の順番や、玉串料を包む袋の選び方、自分の番を待っている間の作法など、具体的な疑問点が出てくるかもしれません。
事前にこれらの疑問を解消しておくことで、当日も安心して儀式に臨むことができます。
玉串奉奠の順番は誰からですか?
葬儀では故人との関係が深い順に行うのが一般的で、喪主、遺族、親族、そして一般会葬者の順に進みます。
結婚式などの慶事では、斎主、新郎新婦、媒酌人、親族代表の順で行われます。
参列者の人数が多い場合は、代表者のみが奉奠し、他の参列者は自席で拝礼することもあります。
儀式の進行役の案内に従いましょう。
玉串料は香典袋に入れて渡しても問題ないですか?
仏式の香典袋を代用することはマナー違反です。
特に、蓮の花が描かれているものは仏式専用なので絶対に使用してはいけません。
神道用の不祝儀袋は、水引が白黒か双銀の結び切りで、無地のものが基本です。
表書きは「御玉串料」「御神前」などとします。
文具店やコンビニエンスストアなどで購入できます。
自分の番を待つ間、玉串はどこに置いておけば良いですか?
玉串は、神職から一人ひとり順番に手渡されるのが一般的です。
そのため、自分で事前に玉串を受け取って、席で待機するという状況はありません。
自分の順番が来たら祭壇の近くへ進み、神職から直接玉串を受け取ってから奉奠を行います。
したがって、待っている間に玉串をどこかに置いておく必要はありません。
まとめ
玉串は、神道の儀式において神様と人を結ぶ重要な役割を持つ神聖な捧げものです。
玉串を神前に供える玉串奉奠には、受け取り方から回転のさせ方、拝礼に至るまで一連の作法があります。
特に葬儀では音を立てない「忍び手」で拝礼するなど、場面に応じたマナーの違いを理解しておくことが重要です。
また、玉串の代わりに納める玉串料についても、相場やのし袋の選び方、書き方といった決まりがあります。
これらの知識と作法を身につけておくことで、どのような神事の場でも落ち着いて、敬意と真心を込めて臨むことができます。
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