遺産分割協議書の書き方-自分で作成する手順と文例
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- 新着 更新日:2026.05.20
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遺産分割協議書の書き方-自分で作成する手順と文例

相続が発生した際、遺言書がなければ相続人全員で遺産の分け方を決める必要があります。
その合意内容を証明する公的な書類が「遺産分割協議書」です。
この記事では、遺産分割協議書の基本的な書き方から、自分で作るための具体的なやり方、そのまま使えるひな形のダウンロードまで、相続手続きをスムーズに進めるための情報を解説します。
財産別の文例も紹介するため、手続きの参考にしてください。
遺産分割協議書とは?作成が必要になる具体的なケース
遺産分割協議書とは、被相続人(亡くなった方)の遺産について、相続人全員が協議し、合意した分割内容を記録した正式な書面です。
法的な効力を持ち、不動産の相続登記や預貯金の解約といった各種名義変更手続きで、相続人全員の合意を証明する書類として提出を求められます。
口約束での合意は後のトラブルにつながる可能性があるため、書面で残すことが重要です。
「なくてもいい」ケースは限定的であり、多くの場合で作成が必要となります。
遺産分割協議書は相続人全員の合意を証明する公的な書類
遺産分割協議書は、相続人が2人や3人といった複数いる場合に、誰がどの財産をどれだけ取得するのか、全員で合意した内容を証明する重要な役割を持ちます。
相続人の中に遠方に住む人や未成年者がいる場合でも、全員の合意は必須です。
未成年者には特別代理人の選任が必要になるケースもあります。
もし話し合いがまとまらず家庭裁判所の遺産分割調停に移行した場合、最終的に合意した内容をまとめた「調停調書」が遺産分割協議書の代わりとなります。
遺言書がない相続で作成が必須となる
被相続人が遺言書を残さずに亡くなった場合、相続人全員で遺産の分割方法を話し合う「遺産分割協議」を行わなければなりません。その協議で決定した内容を書面にしたものが遺産分割協議書です。法定相続分通りに分ける場合でも、後のトラブル防止や手続きの円滑化のために作成することが推奨されます。特に不動産がある場合、遺産分割協議書がないと共有名義となり、将来的な売却や管理に支障が出る可能性があります。
法定相続分とは異なる割合で遺産を分ける場合には、その合意を証明するために作成が必須となります。
遺産分割協議書の作成が不要になる場合とは
遺産分割協議書の作成が不要な場合もあります。
一つは、法的に有効な遺言書が存在し、その内容通りに遺産を分割するケースです。
この場合、遺言書が遺産分割の根拠となるため、別途協議書を作成する必要はありません。
もう一つのケースは、相続人が1人の場合です。
他に遺産を分ける相手がいないため、協議の必要がなく、遺産分割協議書も不要となります。
ただし、相続人が1人であることを証明するために戸籍謄本などの書類は必要です。
遺産分割協議書を自分で作成するための4つのステップ
遺産分割協議書の作成を専門家に依頼すると費用がかかりますが、自分で作ることも可能です。
その場合、定められた形式やルールに沿って進める必要があります。
作成は手書きでもWordなどのソフトを使用しても問題ありませんが、署名・押印の日付は最後に記入します。
適切な手順を踏むことで、法的に有効な書類を作成することができます。
ここでは、遺産分割協議書を作成するための4つのステップを解説します。
ステップ1:戸籍謄本を取り寄せて相続人を正確に確定させる
遺産分割協議は、相続人全員の参加が絶対条件です。
まず、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)と、相続人全員の現在の戸籍謄本を取得します。
これにより、認知している子や前妻の子など、把握していなかった相続人がいないかを確認し、法的な相続人を一人も漏らさず確定させます。
この作業を怠ると、後から新たな相続人が判明した場合に協議が無効となるリスクがあります。
ステップ2:財産目録を作り被相続人の全財産をリストアップする
次に、被相続人が所有していた全財産を調査し、財産目録を作成します。
預貯金、不動産、有価証券、自動車などのプラスの財産だけでなく、借金やローンといったマイナスの財産もすべてリストアップすることが重要です。
財産の内訳を明確にすることで、分割協議の対象となる遺産の全体像を正確に把握でき、後の協議をスムーズに進めることができます。
財産評価額も可能な範囲で記載しておくと、分割の際の目安になります。
ステップ3:相続人全員で遺産の分割方法について話し合う
相続人と財産の確定後、相続人全員で遺産の具体的な分割内容について協議します。
誰がどの財産をどのような割合で取得するのかを話し合い、全員が納得できる合意点を見つけます。
法定相続分はあくまで目安であり、協議によって異なる内容で分割することも可能です。
例えば、長男が不動産を相続する代わりに、他の相続人に代償金を支払うといった方法も考えられます。
全員が合意に至るまで、しっかりとコミュニケーションを取ることが大切です。
ステップ4:協議で合意した内容を抜け漏れなく書面に記載する
相続人全員の合意が得られたら、その内容を遺産分割協議書に正確に記載します。
誰がどの財産を取得するのか、第三者が見ても明確に理解できるよう、具体的かつ詳細に記述することが重要です。
曖昧な表現は避け、不動産は登記簿通りに、預貯金は口座番号まで正確に記載します。
すべての記載が完了したら、相続人全員が内容を確認し、署名・押印へと進みます。
この書面が、後の手続きにおける正式な証明となります。
【財産別】遺産分割協議書の書き方
遺産分割協議書には決まった書式はありませんが、財産の種類ごとに正確な記載例に沿って記述する必要があります。
不動産や預貯金など、財産を特定するための情報が一つでも欠けていると、法務局や金融機関での手続きが進められない可能性があります。
ここでは、主要な財産ごとの書き方のポイントと記載例を紹介します。
基本的な書式として利用できるテンプレートも用意しているため、実際の作成時に活用してください。
【不動産】登記簿謄本の記載通りに土地・建物の情報を書く
不動産の書き方で最も重要なのは、法務局で取得した登記事項証明書(登記簿謄本)の記載通りに、一字一句間違いなく転記することです。
土地の場合は「所在」「地番」「地目」「地積」を、建物の場合は「所在」「家屋番号」「種類」「構造」「床面積」を全ての情報を記載します。
マンションの場合は、これらに加えて「一棟の建物の表示」と「専有部分の建物の表示」を正確に書く必要があります。
この情報が不正確だと、不動産の相続登記申請が受理されません。
【預貯金】金融機関名・支店名・口座番号を明確に記載する
預貯金(預金・貯金)については、金融機関が口座を特定できるよう、必要な情報をすべて明確に記載します。
「銀行名」「支店名」「預金種別(普通・定期など)」「口座番号」を正確に記してください。
相続手続きの際、金融機関はこの情報をもとに故人の口座を照合し、解約や名義変更の処理を行います。
情報が不足していると手続きが滞る原因となるため、通帳やキャッシュカードを確認しながら正確に記入することが重要です。
【株式・有価証券】証券会社名や銘柄、数量を具体的に記す
株式や投資信託などの有価証券を記載する場合は、どの証券かを特定できる情報を具体的に記述します。
「証券会社名」「支店名」「口座番号」に加え、「株式の発行会社名と株式数」や「投資信託の名称と口数」などを正確に記載してください。
特に上場株式は日々価値が変動するため、どの時点のどの銘銘柄を誰が相続するのかを明確にすることで、後のトラブルを防ぎます。
証券会社から送付される取引残高報告書などを参考にすると良いでしょう。
【自動車】車検証を見ながら登録番号や車台番号を記入する
自動車(普通車)を相続財産として記載する場合、その車を特定するための情報を自動車検査証(車検証)で確認しながら正確に記入します。
具体的には、「登録番号(ナンバープレートの番号)」「車台番号」「自動車の名称(メーカー名)」「型式」を記載します。
これらの情報は、運輸局(陸運局)で車の名義変更手続きを行う際に必須となります。
漏れなく記載することで、スムーズな手続きが可能になります。
【借金・債務】誰がマイナスの財産を引き継ぐのかを明記する
相続財産には、ローンや借入金などのマイナスの財産(債務)も含まれます。
遺産分割協議では、これらの債務を誰がどの割合で引き継ぐのかも明確に合意し、その内容を協議書に記載する必要があります。
例えば、「A銀行の住宅ローン残債務(約○○円)は、不動産を取得する相続人〇〇がすべて弁済する」のように、具体的な内容を明記します。
ただし、この合意は相続人間の内部的な取り決めに過ぎず、債権者に対しては法的な効力がない点に注意が必要です。
後日判明した財産の分割方法に関する一文を追加する
遺産分割協議書を作成した後に、記載漏れの財産が後から見つかった場合に備え、その取り扱いについての一文を追加しておくことが推奨されます。
例えば、「本協議書に記載なき遺産が後日判明した場合は、相続人全員で改めて協議する」といった条項を入れておけば、新たな財産が見つかった際にスムーズに対応できます。
特定の相続人が取得する、法定相続分で分ける、といった具体的な案を記載しておくことも有効な対策です。
遺産分割協議書を作成した後の手続きと提出先一覧
遺産分割協議書は、作成して相続人全員が署名・押印すれば完了ではありません。
不動産の名義変更や預貯金の解約など、相続した財産を自分のものにするための各種手続きで提出する必要があります。
手続きごとに提出先となる役所や金融機関は異なり、それぞれ定められた期限がある場合もあります。
提出した協議書の原本は、手続き完了後に返却されるのが一般的ですが、事前にコピーを取っておくと安心です。
不動産の名義変更(相続登記)は管轄の法務局で行う
被相続人名義の不動産を相続した場合、その不動産の所在地を管轄する法務局で名義変更の手続き(相続登記)を行います。
2024年4月1日から相続登記は義務化されており、相続の開始を知った日から3年以内に申請しなければなりません。
この相続登記の申請時に、遺産分割協議書(相続人全員の印鑑証明書付き)が、登記原因を証明する書類として必要になります。
法務局に提出し、審査を経て登記が完了します。
預貯金の解約や名義変更は各金融機関の窓口で手続きする
被相続人の預貯金を解約して払い戻しを受けたり、相続人名義の口座へ移したりする際には、各金融機関の窓口で手続きを行います。
その際、金融機関所定の書類とともに、遺産分割協議書と相続関係を証明する戸籍謄本一式、相続人全員の印鑑証明書などの提出を求められます。
手続きの流れや必要書類は金融機関によって異なる場合があるため、事前に電話などで確認してから窓口へ行くとスムーズに変更手続きを進められます。
相続税の申告が必要な場合は税務署に提出する
遺産の総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合、相続税の申告と納税が必要です。
申告は、被相続人の最後の住所地を管轄する税務署に対して、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に行わなければなりません。
相続税申告書を提出する際に、遺産分割協議書の写しを添付する必要があります。
国税庁のウェブサイトでも詳細な情報が確認できます。
遺産分割協議書を法的に有効にするための5つの注意点
遺産分割協議書は、相続手続きを円滑に進めるための重要な書類ですが、形式や内容に不備があると法的に無効と判断されたり、手続きで受理されなかったりする可能性があります。
せっかく作成した書類が無駄にならないよう、いくつかの注意点を押さえておくことが重要です。
ここでは、遺産分割協議書を法的に有効なものにするために、特に注意すべき5つのポイントについて解説します。
相続人全員の署名と実印での押印が必須
遺産分割協議書が法的に有効であると認められるためには、相続人全員が内容に合意した証として、各自が署名または記名し、押印することが必要です。署名は本人が自書することが推奨されますが、記名(パソコンでの印字など)でも有効となる場合があります。押印には実印を使用することが一般的に推奨されます。これは、不動産登記や預貯金の払い戻しなどの手続きで実印と印鑑証明書が求められることが多いためです。
一人でも合意がない、または署名・押印が欠けていると、その遺産分割協議書は有効と認められず、各種手続きで使用できなくなる可能性があります。
全員分の印鑑証明書を添付書類として用意する
遺産分割協議書に押印された印鑑が、間違いなく本人の実印であることを証明するため、相続人全員分の印鑑証明書を添付する必要があります。
この印鑑証明書は、不動産の名義変更や預貯金の解約といった多くの相続手続きで、遺産分割協議書とセットで提出を求められます。
一般的に、発行から3か月以内や6か月以内など、有効期限が定められている場合が多いため、手続きの直前に取得するのが望ましいです。
書類が複数ページにわたる場合は契印を押す
遺産分割協議書が2枚以上の複数ページにわたる場合、それらが一体の書類であることを証明し、ページの差し替えや抜き取りを防ぐために、相続人全員の実印で「契印」を押します。
契印は、ページとページの間にまたがるように押印するのが一般的です。
ホチキスで綴じた場合は、すべてのページを少しずつずらして、全ページに印影がかかるように押印します。
これにより、書類の連続性と完全性が担保されます。
作成した協議書は相続人全員が1通ずつ原本を保管する
遺産分割協議書は、相続人の人数分作成し、全員が署名・押印した原本を各自1通ずつ保管することが推奨されます。
これは、後の紛争を防ぐ証拠となるだけでなく、各相続人が不動産の名義変更や預貯金の解約など、別々の手続きを同時に進める際に原本が必要となるためです。
手続き先によってはコピーでは受理されない場合が多いため、手間はかかりますが全員分の原本を用意しておくのが安全です。
特定の相続人が代償金を支払う場合はその旨を明記する
不動産など分割しにくい財産を特定の相続人が取得する代わりに、他の相続人に対して現金を支払う「代償分割」を行う場合があります。
この場合、遺産分割協議書にその旨を明確に記載する必要があります。
「誰が」「誰に」「いくらの代償金を」「いつまでに支払うのか」を具体的に明記してください。
支払い条件を曖昧にすると、後日「支払ってもらえない」といったトラブルに発展する可能性があります。
不動産を売却して金銭で分ける換価分割の場合も同様に、その旨を記載します。
遺産分割協議書に関するよくある質問
遺産分割協議書の作成にあたっては、様々な疑問が生じることがあります。
例えば、遺言書との関係や、作成後に予期せぬ事態が発生した場合の対処法などです。
ここでは、遺産分割協議書に関して特に多く寄せられる質問とその回答をまとめました。
ご自身の状況と照らし合わせ、疑問点の解消に役立ててください。
Q. 遺言書がある場合でも遺産分割協議書は必要ですか?
原則として、法的に有効な遺言書があれば遺産分割協議書は不要です。
しかし、相続人全員が合意すれば、遺言書の内容と異なる分割協議も可能です。
その場合は、遺言とは違う内容で合意したことを証明するために遺産分割協議書の作成が必要になります。
また、遺言書で分割方法が指定されていない財産がある場合も、その財産について協議と協議書の作成が求められます。
Q. 押印は実印でなければ法的に無効になりますか?
遺産分割協議書自体は、法律上、押印が認印であっても無効にはなりません。
しかし、不動産の相続登記や金融機関での預貯金解約手続きなど、ほとんどの相続手続きで実印での押印と印鑑証明書の提出が求められます。
そのため、実務上は実印での押印が必須と考えてください。
認印で作成してしまうと、後から手続きのために作り直す手間が発生します。
Q. 作成後に新たな遺産が見つかった場合はどうすればよいですか?
遺産分割協議書を作成した後に、記載のない新たな遺産が後から見つかった場合、その財産については別途、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。
そして、その合意内容について新たに遺産分割協議書を作成します。
こうした事態を避けるため、元の協議書に「後日判明した財産の分割方法」に関する一文を加えておくことが有効な対策となります。
まとめ
遺産分割協議書は、遺言書がない相続において、相続人全員の合意内容を法的に証明し、不動産や預貯金などの名義変更手続きを円滑に進めるために不可欠な書類です。
特定の相続人が全てを相続する場合でも、その事実を証明するために作成が求められることがあります。
本記事で解説した作成手順や財産別の書き方、注意点を参考に、不備のない遺産分割協議書を作成し、スムーズな相続手続きを進めてください。
ちょっとした疑問やお悩みも多数
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